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大学に行かなくとも「早大生」なのか

 大学に行けない状況が始まってもうすぐ5か月。大学に行かない「異例の」春学期ももう終盤になり、秋学期の原則オンライン化も発表された。
 オンライン授業には様々な感想があるかと思う。今回はこの話には触れないが、こんな記事を書いている僕はというと高校生くらいから「学校に行って生活リズムを作る」タイプだったので結構苦しんでいる。加えて一人暮らしではバイト以外基本外に出ず、人と話さない生活が続くため相当フラストレーションが溜まっている。そこまで社交的というタイプでもない私でも、やはり人と直接話すって大事なのだなと思う。

 こんなことを言いつつも昨年度1年間、またはそれ以上大学生活を謳歌できた現2年生以上はまだマシな方で、おそらくこの状況一番の被害者は新入生であろう。まだ大学構内に足を踏み入れたことがない人も多いはずだ。
 「大学に在学している」という事実は確かに存在している。その証拠に学生証は公布されている(受け取ることができていない人も多いかもしれないが)。散々文句を言いながら見ているオンデマンド授業だって、要るのか要らないのかわからないOPには堂々と「Waseda University」の字と大隈講堂の絵が躍り、早稲田大学が提供しているものであることを主張している。書類上は早稲田大学に在学しており、大学が提供する映像授業を受けて課題を出して単位をとれば大学でやるべきことはやっていることになるのである。

 しかし「早大生である」という「実感」が薄くなり、私は非常にモヤモヤしている。新入生に至ってはこの実感は皆無だろう。
 ここで昨年の自分の体験を思い返してみる。数千人規模の入学式、新歓のビラ配りの嵐、自分の学生証を手にした瞬間、自分の学生証で図書館のゲートを通れた瞬間、ワセメシを食べているとき…e.t.c.、実際に早稲田に足を運び何かをすることによって「自分は早稲田に入ったんだ!」と実感した、個人個人思い思いの瞬間があったはずである。実際に大学を足を運ぶこともなしに、家でPCを開くだけの生活では「自分が早大生である」という実感を手にするのは正直とても難しいのではないか。映像を見ているだけでは現状どの大学もそういう状況だし、もっと言えば通信制大学と全く差がない。
 「形式的」には早大生かもしれないが、「実質的」にも早大生かというとそうとは言いにくい。それがモヤモヤの中身であろう。

 だからどうしたと言われそうな内容だが、なんとかモヤモヤを具体的に言語化してみたまでである。何か読んだ皆さんの心に届くものがあれば幸いである。
 ひとまず実質的にも早大生と言える生活が戻ってくることを祈りつつ、今日もオンライン授業を消化するとしよう…トホホ

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