次世代を担う企業②Green Earth Institute

こんにちは!
JAFCOインターンの加藤です。

最近寒い日々が続きますね。コロナも流行っており、非常に心配ですね。十分な睡眠、適切な食事、適度な運動が予防として重要だと言われていますね。皆さん決して無理なさらず、この冬を乗り越えましょう。

さて今日取り上げる企業は、コリネ菌で脱炭素社会を目指す、Green Earth Institute(以降GEI)です!

1.企業変遷・事業内容

GEIは2011年9月に、地球環境産業技術研究機構(RITE)のコリネ菌を用いた革新的バイオリファイナリー技術(注1)の実用化のため、日本初の「公益財団法人発ベンチャー」として創業しました。その後、2017年には、コリネ菌によって生産されたL-アラニンが食品添加物として認可されました。(注2)また、化粧品原料としての非可食原料由来のバイオエタノールの実用化や、古着を原料としたバイオジェット燃料の製造にも取り組んでおり、2021年12月に東証マザーズに上場しました。

(注1:バイオファイナリーとは、再生可能資源であるバイオマスを用いてバイオ燃料や樹脂などを製造するプラントや技術のことです。地球環境の保全や持続可能な脱炭素社会の実現に向け、バイオファイナリー分野は大きな期待を寄せています。)

(注2:L-アラニンは元々旨味を持つ食品添加物として利用されていますが、コリネ菌を用いた製法は初であり、その製法が正式に認められました。)

事業内容は大きく3つに分かれます。

GEI事業内容

コリネ菌によるL-アラニン生産を始めとする高付加価値化学品の発酵生産技術の開発(注3)とライセンシング、非可食原料由来のバイオエタノールの実用化を始めとするバイオマス有効利活用プロセスの開発・事業化、そそしてバイオ技術の探索、改良と事業化が挙げられます。

(注3:発酵とは微生物が有機物を分解し、別の物質に変化させることです。例えばお酒はグルコースを微生物がエタノールに発酵させることで出来ます。発酵食品としては他にもヨーグルトや納豆などが挙げられます。)

さて、これらの技術はどういった点で画期的なのでしょうか?
例えばコリネ菌によるL-アラニン生産については、従来は石油から、ベンゼンを経てアラニンを生成していました。しかし、GEIが生み出した方法は、穀物から取れたグルコースを、コリネ菌による生理作用を経てL-アラニンを生成しており、環境に優しい製法となっています。
この他にもアスパラギン酸の生産も、石油を利用しない製法を確立し、ライセンスを取得しています。

2.資金調達の変遷

資金調達の変遷は次のようになっています。

資金調達変遷

この表には載っていませんが、2012年にニッセイ・キャピタルから出資を受けています。GEIは2012年から総額24.2億円資金調達を行っています。また、2018年に出資を受けたDICとは、2019年より、「天然由来アスパラギン酸で生分解性を有する高吸収性ポリマー」に関する共同開発を始めており、資金面だけでなく研究面でも協力関係にあります。

IPO時での主要株主割合は次のようになっています。

IPO時株主GEI

3.今後の展望

昨今脱炭素社会の実現やSDGsなどが叫ばれる中で、石油ではなくバイオマスを利用した商品やエネルギーの獲得は、今後ますます需要が高まるだろうと考えられます。一方、バイオ技術はGEIのみならず世界中が注目している領域でもあるので、競争が激しくなることも予想されます。どこよりも早く新技術を確立することが、今後のGEIにとって大きなポイントになっていくのではないかと考えられます。

4.まとめ

-GEIはコリネ菌を用いたバイオリファイナリー技術の実用化のため、地球環境産業技術研究機構から生まれたベンチャー企業である。
-発酵技術の開発や、バイオマスの有効利活用などが事業領域である。
-バイオ領域での競争の中で、どう生き残っていくかが重要になるだろう。

バイオ領域はまだまだ可能性が残されています。1人の農学部生としても、GEIの今後は注視していきたいと思います。

JAFCOのウェブサイトでも起業家の皆様の役に立つ情報が発信されていますので、ぜひこちらもご覧ください!

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