ChatGPTで英語教材作ってみた
ChatGPTは指示さえ間違えなければ、教材を即座に、無限に、手軽に作成してくれます。使わない手はありません。ただし、校正も必要です。
この記事では、語彙指導を行うために教材を作成する過程をシェアします。手っ取り早く語彙表作らせろという場合には「指定語彙を使った文章を作る指示」まで飛んでください。
ChatGPTは万能ではない!
ChatGPTをなんとなく触ったことのある方は、ChatGPTが万能だと思い、以下のような指示をしてしまいがちです。
英検準2級の語彙表を作って
すると、こんな答えが返ってきます。
(文脈やタイミングによって出力は変わります)
私も同僚にこの画面見せました。(実際には180個ほど出力されました)
「おおっ!すげー!!もう単語帳とかいらねえじゃん!!!」
「テーブル書式にするといいらしいよ!」
さまざまなリアクションがあります。
でも、更に次の指示を出してみせます。
英検2級の語彙表を作って
違いは、準2級か、2級かの違いです。
こんな返事がありました。
先程の応答と見比べてみると、なんと準2級と2級で単語がかなり被っています。念のためいくつかの単語をWeblioで確認すると、ほとんどの単語が英検の級に関係なく出力されていたことがわかります。
これを見た同僚:
「ゲェーッ!!めちゃくちゃじゃん!」
「指示に従わないんだね」
そして結局なんだ使えないのか、という結論に至る。
でも、違うのです。この例では、指示の出し方がまずかったのです。
ChatGPT = ◯◯な後輩 です
確かに大量のデータベースを持っており、非常に賢く見えるChatGPTですが、英検によく出る単語の知識までは持ち合わせておりません。文法用語とか、受験英語では有名な「名前動後」みたいなニッチな用語は知ったこっちゃあないのです。挙句の果てには、知らないことにはそれっぽい情報;つまり嘘を提示することも多いため、注意が必要です。
したがって、誤解される恐れを承知の上で言うならば、
ChatGPTは処理能力すごい根性あるけど知ったかぶりな後輩
なのです。
みなさんも後輩に指導する時、「もう一人前の教員なんだから」とか「先輩なんだから」とか「△△してほしいんだけど●●に気をつけてね」とか「◆◆するときに**があったら困ることになるよ」なんて言ったことありますよね。この「意識してほしい役割」、「してほしい目標」と「やっちゃいけない注意事項」が大切なのです。
的確な指示を出そう!
具体的かつ的確な指示を出すために、指示のフォーマットを決めておくことをオススメします。例えば、上記のように英検◯級の語彙表を作ってほしいとき、以下のように指示してみるとよいです。
指定語彙を使った文章を作る指示
ChatGPTの役割:英語教材作成者
お願いしたいこと:
以下に示す[ターゲット英単語]をできる限りすべて使って、
英語での文章を作成してください。
注意点:
・文章はCEFR A1レベルでお願いします。
・ターゲット英単語は太字で強調してください。
・文章は100語程度で作ってください。
・最後に語彙数を( xx words )の書式で書いてください。
ターゲット英単語:
response, hunt, factor, estimate, transport,
transportation, means, official, payment, process
「英検によくでる英単語」のデータベースは新人ですから持っていません。ネットで検索すると「天才英単語」や無料アプリなどが見つかります。今回は天才英単語の英検2級頻出単語をもとに作成してみました。上記の指示に対しては、以下のような返答がありました。
えっすごくないですか。
処理能力高いですね。すべての指示に従っています。今回は奇跡的にすべての単語が使われていますが、いつもこうなるとは限りません。結果が気に食わなければ、入力欄の上にあるRegenerate responseをクリックしてください。作り直しをしてくれます。
ChatGPTのすごいところは、何度「作り直し!」と命じても音を上げず何度でも作り直してくるという点です。めっちゃ根性があります。
派生語を出力させてみた
プロンプトの中身
ChatGPTの役割:英語教材作成者
お願いしたいこと:
以下に示す[ターゲット英単語]と同じ語源を持つ派生語を品詞ごとに教えてください。
注意点:
・派生語はCEFR B2レベルまでお願いします。
・派生語には日本語訳を[英単語 (日本語訳)]の書式で付けてください。
・派生先の品詞で対応するものがなければ"ー"と表記してください。
・マークダウン書式の表で出力してください。|単語|名詞|動詞|形容詞|副詞|
ターゲット英単語:
response, hunt, factor, estimate, transport,
transportation, means, official, payment, process
ChatGPTの返答
指示文(プロンプト)の内容を工夫すれば、上記のようにうまくいかないことも、これから改善されていくことでしょう。
可愛い後輩ChatGPT
何かと話題なChatGPT、使いこなすのは大変かもしれません。しかし、うまく使えば、著作権とか面倒なこと考えなくて あっという間に教材を作ってくれる貴重な存在なのです。ガッツのある後輩だと思って、資料を渡し、的確な指示をすれば何でもこなすChatGPT。ぜひ指導の役に立ててください!