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ギフト2
光ったよね、今。だれかが置いていったような石ころ。
あなたはギフトを買いに行く。苺?ことかとか?それとも絵本?くまがやぶいちごばかりを食べているそんな絵本?大きなショッピングモール。浮かれた気分。スーベニアショップ。ブックストア。そしてフードコート。少し試食してみたいという誘惑に駆られて店内を歩く。歩きまわる。林檎、桃、キウイを試食。苺は?どれも美味しい。身体が浮き立つほどうれしくなる。歌いたくなる。晴れやかな。ウタダのうたい方を真似て声を張り上げながら歌う。ひかり。店の通路を走りまわる。こどもが真似て走りだす。一瞬のハーメルン。光ったよね、今。だれかが置いていったような石ころ。一瞬、あなたたちは騒乱の虜となる。こどもたちと犬が怒涛のようにエスカレータを駆け上がるのが見える。だれかが笛を吹き誰かが鍵盤を叩く。ウタダのメロディが鳴り響き、あなたたちは歌いにうたいまくる。歌っている間に、連作十首ができたのはよかった。さらに走る。西松屋の少し向こう。星月夜。贈りものを見つける。幸運。お祝いの短歌と贈り物のくまのぬいぐるみを送ることができる。ギフト包装。うつくしい。五色のリボン。まだウタダの曲が聞こえてくる。贈りものを送るのがうれしい。宛名を書いているとき、自然におめでとうございますの歌がでてくる。行こうぜぼくら永遠のぐるぐる団みたいな名前の歌くちずさみ。(「なんたる星」十周年特別号のために)
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