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暗峠

きみくらがり峠から帰り来てぼくのコーヒーにバーボンを垂らしてくれないか


海石榴市にはいろんなものが集まりそして旅立って行く。今日も、リンゴ会社の荷が到着すると、つがる、きおう、紅玉らが、慌しく仕分けされ、一群は川、一群は海、そして残りは山路に振り分けられた末に、野辺へと送り出される。一つの古びた市場にすぎなかったものが、林檎の処分地になることによって、生と死を包含する異質で動的な市場にと変化してゆくのである。


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