冬の短歌⑥(Advent Calendar 2023)
千年後の博物館に遺された下手な自転車乗りの骨格
そうそうそんなやつである。そんな自転車に乗って二人で何処かにでかけたい。普通は男が前を漕ぐらしいが、彼女が望めば前席を譲る。後ろからジロジロと眺めようってんじゃない。慧眼で健脚の夫人が前を漕ぎ、近眼であまり丈夫でない夫が後ろに控えるのは当然である。その位置関係を町の人に笑われたりする。それでもわたしたちは楽しく自転車をこぐ。日曜日ごとに町の外に遠乗りに出かける。お互いに近しく理解し合い、お互いに相和していることを感じる。ほらね