見出し画像

訪日外国人が300万人を超える一方、出国日本人の数が「4割減」ととんでもないことになっている

4/29(月)の時点で「1ドル160円突破」というニュースが飛び込んできまして、為替の動きから目が離せなくなってきました。

こうも円安が続くと海外旅行はどんどん足が遠のくだろうなぁ、、と思って数字を見てみましたが、やはり「日本から海外へ渡航する人の数」(出国日本人)の数は激減しています。

JNTOの「訪日外客数・出国日本人数」という統計を見てみます。

JNTO(日本政府観光局)統計より

まず訪日外国人は3月に月間「300万人」を超えました。かつて「年間2千万人」を目指していた頃が遠い昔に感じられるような数字です。今は日本のどこに行っても外国人旅行者のほうが多いんじゃない?と思わされる人気ぶりです。オーバーツーリズムは心配ですが、このチャンスをつかんで産業振興、地方活性に繋げたいところです。

一方で、ショッキングなのが出国日本人数。コロナ前の2019年と比べるとなんと4割減になっています。これは一時的な動きというよりも、これが今の実力値だと思います。

一つの要因は「企業の駐在員の削減」で、そもそも海外にいる日本人が大きく減っています。

海外在留邦人統計

毎年出ている外務省の海外在留邦人数調査統計では、コロナ以降最低の数値を記録しています。特に、駐在員がカウントされる「長期滞在者」がコロナ前と比較して約8割になっています。

一方興味深いのは外国から永住権を認められている「永住者」で、これは少しずつではありますが増加の一途をたどっています。日本に見切りをつけて海外を選ぶ人が増えているのかもしれません。

とはいえ、これらの在留邦人約150万人が仮に年2回程度の出国数を稼いでいるとしても、せいぜい2019年の1か月分ですから、出国の大半は海外旅行者です。

つまり、出国者数減少の大半は旅行者(あるいは出張者)の減少です。

先日シンガポールにいる友人がバンコクに遊びに来て食事をしていましたが、「円安になりシンガポールに来る日本人は本当に減った」と言っていました。たしかにこの為替でもともと物価の高いシンガポールに行こうという気は起きません。

我々海外在住者からすると円安は「日本に行くと安く買い物ができる」という意味でちょっとうれしい面もあるのですが、長期的に見れば日本人が「世界に出にくくなる」というのは心配でしかありません。

円安の長期トレンドが抗いがたいものだとすると、日本にいる個人の生存戦略としては「海外で稼げる」ための能力や経験をなるべく得ることが必要なのかもしれませんね。

「この記事は役に立つ」と思って頂けたらサポートお願いします!