【デキる上司の十訓十戒006】話し方 ~聞き手を萎えさせない3つのK~

企業の主任クラス(勤続5年から10年)100人に行った聞き取り調査の結果です。質問は、「あなたは上司のどのような話にストレスを感じますか?」です。上位を占めた聞きたくない話トップ10は以下のとおりです。

・キラいな上司の話
・長い話
・自分にとって関心のない話
・意味不明な話(上司の意図が見えない話)
・こむずかしい話
・説教話
・自慢話
・愚痴や悪口
・くだらない雑談
・聞き取りづらい話(声の大きさ、ノイズ、口ぐせ)

これを吟味して行き着いたのは、「キッチリ、感じよく、簡潔に」ということです。聞き手である部下を萎えさせない3つのKとインプットしてください。

【キッチリ話すための3つのロジックツリー】

・結論+理由
あるテーマについて、まずワンセンテンスで結論(主義主張や意見)を述べる。そのあとに、「理由は3つある」と述べてから「まず、・・・」「次に、・・・」「さいごに、・・・」と続ける。そして、さいごにもう一度、「ということで、私は○○○だと思うんだよね」と結ぶ。

・目的+手段・方法
まずは目的や目標についてワンセンテンスで述べる。続いて、「それを実現するための方法論は3つ」と述べる。「まず、・・・」「次に、・・・」「さいごに、・・・」と続け、さいごにもう一度、「ということで、是非とも○○○を実現しようじゃないか」と結ぶ。

・全体+各論
まず、「これから○○○について話したい」と述べる。そのあとに、「具体的には3つのことを伝えたい」として、「まず、・・・」「次に、・・・」「さいごに、・・・」と続け、さいごにもう一度、「以上、○○○について理解してもらえただろうか」と確認する。

この3つのロジックツリーは、部下をして、あなたをロジカルだと思わせるためのもっとも基本のフレームワークです。それでいて、1分以内でメッセージを完結できる使い勝手のいい公式です。部下の論理的納得を喚起するため、意識的に使うようにしてみましょう。

【感じよく伝えるためのポイント】

現実的には、論理的納得だけでは、部下はなかなか動かないものです。上司の吐く正論というやつは、時に正論すぎて部下が介在する余地がありません。人が腰を上げるためには、論理的納得に加えて、情緒的納得が要るものなのです。要は、部下が感情的にも「なるほど、そうだよな」と思えるような感じのいい伝え方が求められるわけです。

以下に、心理学的に解明されている、「感じよく受けとめられる」ためのポイントを記します。

・「あなたたちは」ではなく「私たちは」を主語にする
・「○○○しなければならない」ではなく「○○○したいものだ」
(例)
×:みなさんは、ますますコスト意識を持たなければならない。
○:私たちは、ますますコスト意識を持っていきたいものだ。

・「○○○のせいで」ではなく「○○○のおかげで」
 ×:今回の失注のせいで予算達成が叶わなかった。
 ○:今回の失注のおかげで、わが社に決定的に不足しているものが明らかになった。
 
・「なぜ○○○できないのか」ではなく「どうすれば○○○できるか」
 ×:なぜケアレスミスがなくならないのか
 ○:どうすればケアレスミスをなくせるだろうか

・否定表現ではなく肯定表現
 ×:キミには頑固なところがあるよね
 ○:キミには確固たる信念があるよね
 
・逆説表現ではなく順接表現
 ×:キミは仕事は早いけれど、丁寧さに欠けるところがあるね
 ○:キミは仕事が早い。丁寧さが増したらもっとすばらしいよね

・命令表現ではなく依頼表現

 ×:正午までにコレを一〇〇部コピッてくれ!
 ○:正午までにコレを一〇〇部コピッてもらえないかな?

・鼻音(なにぬねの)で結ぶ
 ×:今回の企画にキミが乗り気でないのは残念だ
 ○:今回の企画にキミが乗り気でないのは残念だな

・笑顔と笑声
・アイコンタクトとペーシング

【簡潔に話すとは】

・最大でも一分以内
・一話一結(ひとつの話に結論はひとつ)
・短文&単文(ワンセンテンスを短く、主語・述語はひとつだけ)


いかがでしょうか?

ひとつでもいいので、あなたのコミュニケーションの引き出しを増やしていただけたらうれしく思います。

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