永遠の親子愛で紡ぐ魔法の終活【千葉TV『シャキット!』2020年12月22日】

老老地獄問題の根底にある老親の驕りと勘違い

過去15年間に1万件の電話相談。2千件の個別支援。これらの経験を積んできて思うのは、全部が全部とは言わないが、4人にひとりくらいの割合で、勘違いをしている老親世代がいるということだ。どういうことかというと……。

親子(身内)間トラブルの元凶は、突き詰めれば、多かれ少なかれお金の問題である。親は老いて尚お金に執着して手放さず、一方で介護など親の面倒を子に期待する。子にしてみればたまったもんではない。負担だけが上乗せされ身動きがとれなくなってしまう。

私どもの会員にも、『子が親の面倒をみるのは当然』などと平然と言い放つ輩もいる。しかし、そんなのは100年古い。もはや時代が違うのだ。現代を生きる子どもたちは忙しいのだ。

はっきり言おう。

現在の老親世代が若かった頃。あの戦後経済の高度成長時代。兵隊から企業戦士に衣替えしたサラリーマンは、政官業の壮大なる癒着の恩恵を受けて、組織の歯車となった。そして機械的に時間を過ごすことの対価として、誰であってもそこそこのお金を手にして蓄えることができた。そういう良い時代だったのだ。

誤解を恐れず言わせてもらえば、老親世代が取り立てて有能だったから稼ぐことができたというわけではない。この点を勘違いしている高齢者があまりにも多すぎる。
 
でも、現代のこの国では、有能な人でさえ日々食べていくので精一杯。そんな過酷な毎日を生きている子どもたちに、金銭的な裏付けを示すこともなしに『親の面倒を子が見るのは当たり前』などと言っているから、老老地獄に落ちるのだ。

高齢者はもっと謙虚になる必要がある。でないと、決して穏やかな最期を迎えることはできないだろう。老後を子に依存する一方で、金銭への執着はとどまることを知らない。身勝手なことをほざく前に、親の都合で勝手に産み落とした子どもたちに対して、親が果たすべき責任と義務があるはずだ。

ちょっと過激な物言いとなってしまったが、本当に、時代錯誤というか傲慢というか、お子さんたちはさぞかし大変だろうな…と感ぜずにはいられない老親世代がいるのだから残念なことである。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?