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ダミアン・レーン騎手に迫る危機

 先日、史上3人目の外国人騎手による日本ダービー制覇を果たし、4月の来日から2か月足らずで30勝(6/4終了時点)を挙げるなど、さすがの存在感を示している豪の名手、ダミアン・レーン騎手。今週が来日ラストの騎乗週になるのですが、実はある「危機」に直面しています。

 それは「制裁点」問題

 世間一般で言います「運転免許」のように、騎手にも「騎手免許」があります。そして車での事故、飲酒運転などの交通違反などで運転免許取り消し(15点以上)があるように、騎手免許にも競走中及び、競馬開催期間中での違反・妨害・罰則行為により「制裁点」が加算され、ある一定の点数を超えますと、講習受講、場合によっては免許停止、剝奪もあります。短期免許で来日している外国人騎手も例に漏れず、当該期間中の制裁点によって、次回来日できる期間(免許保有期間)が決まります。

0点~14点:来年3か月間の免許期間を有する
15点~29点:来年2か月間の免許期間を有する
30点~:来年の免許保有を不可とする

そして、現時点(6/4終了時点)でのダミアン・レーン騎手の制裁点は

24点

 ちなみに前回の来日で制裁点が15点以上(18点)だったため、この時点で今回の短期免許期間(2か月)で今年の日本での騎乗は終了。そして現時点では、このままいけば来年も2か月の短期免許期間になりますが、今週の騎乗でさらなる制裁が加わり、30点をオーバーしますと、来年の日本での短期騎手免許の許可は下りません。なぜこのような事態になったかと言いますと、昨年秋、JRAが発表した競走における新ルールにあります。それは

 ムチの連続使用回数の変更

 今まで(昨年秋まで)一度にムチを連打使用できる回数は10回までとなっていましたが、それが5回と半分に変更となりました。直線でのムチの使用回数が5回まで、ということではございません(ちなみにドイツ競馬ではそのようなルールのようです)。ちなみに連打リセットの定義は、ムチの使用をやめて、馬が2完歩以上走ったら、再度5回ムチの連打が可能になるということで、なかなかややこしいルールではあります。

 オーストラリア競馬ではこちらも定義が細かいのですが、7回まではムチの連続使用が可能ということで、来日前、レーン騎手はこのルールに対応できるかと関係者が疑念を抱いていたようですが、予想以上に苦慮していたようで、今回の来日でレーン騎手は8回制裁を受けていますが、このうち、ムチによる制裁は5回となっています。

 もし、今週またムチによる制裁を受けますと、6点以上の制裁(前回で5点の制裁を受けています)となり、来年の来日が不可となります。また斜行による制裁を受けますと5点以上(前回で4点の制裁)の制裁は確定してますので、こちらも薄氷の瀬戸際になります。

 ラストライドになります今週も、もちろん多数の有力馬に騎乗するレーン騎手。萎縮するか、それともいつもの「レーンマジック」を魅せるのか
 観戦の上でも、馬券検討の上でも、今週も注目のレーン騎手です

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