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モンゴルでの介護教育

【やると決めたらやる】

介護クラス@モンゴルのオンライン授業を始めてから一カ月が経ちました。週2回の講義で計7回の授業を行いました。来月からは、記憶を定着させるアプリMonoxerも使って、Zoom講義と携帯アプリのコンビネーションで進めていきます。

さて、このモンゴル介護クラスですが、JICA Innovation Questの流れから始まりました。自分の出来ることでモンゴルに貢献できないかと考え、〝とりあえずやってみよう〟の精神で、直感を原動力に行動しました。

1月上旬にこのアイデアを思い立って、中旬にモンゴルの日本語学校に繋いでもらい、下旬で準備をして、2月からスタートです。このスピード感が大切ですね。

〝想い〟は生ものですからね。余計な時間を掛けてしまうと腐って消えます。つまり、やる気が失せると言うことです。頭であれこれ考えるよりも、さっさと実践したほうが数倍有益だというのが、私の考え方です。

これを実践するにあたりポイントは、ひとつひとつの選択に、余計な思考を介在させないことですね。やると決めたらやる。ただそれだけ。シンプルが一番いいです。

【生徒さん達のフィードバック】

そんなモンゴル介護クラスですが、担当者からご丁寧に生徒さん達のフィードバックを集めて、日本語訳にして送っていただきました。こうゆう心遣いが嬉しいですね。

> 1.М.Уранбилэг /ウラナ/
> 福井さんの授業はとても面白かった。介護専門のことだけじゃなくて、正しく尊敬のコミュニケーションすることや人に対して、人間さなどを習ったことを嬉しく思います。私たちは目標を達成してワンチームになっていくことを信じて祈っています。

> 2.Э.Байгалмаа /バイガル/
> 福井先生、感謝をしております。授業で感じたのは愛情と考えさせられました。

> 5.Б. Цэвэлсүрэн /ツェベル/
> こんにちは、先生。こころから感謝をもうしあげます。授業はとても分かりやすいでした。私たちを一段前進をさせるために努力をいただいて、本当に感謝をしております。

> 6.Н. Эрдэнэсувд /スブダ/
> 福井先生、こころから感謝をしております。私たちのためにご協力していただいて本当にありがとうございました。とても楽しくていい思い出になります。

生徒さん達に喜んでもらえている様で良かったです。私にとっても学びが大きいですし、現在参加している生徒さん9名の試験合格まで見守っていこうと思います。

【モンゴルでのチャレンジ】

ところで、皆さんに質問です。英語で授業するフィリピンと、日本語で授業するモンゴル、どちらが難しいと思いますか?

私の場合は、断然、日本語で授業するモンゴルです。日本語で話せるにもかかわらず、です。ちなみに私の英会話を聞いたことがある人ならわかると思いますが、私の英語は上手ではありません。

それなのに恥ずかしげもなく、介護の英語クラスを開催したり、英語を使った介護授業をYoutubeで公開したりしているのは、〝この程度の英語力でもいいんだ〟と、これから海外でチャレンジしようと思っている人たちに勇気を与えるためです。本当です。

とはいえ、もっと英語力を上げようと努力はしていますが、語学の才能はないなと薄々感じています。でもいいのです。目的は、英語が上手になることではなくて、日本の介護を世界に届けることですから。

そんな私ですが、母国語である日本語を使える授業の方が難しく感じるのは、通訳が入るからです。通訳を介在させると、伝えたいことの半分以上も伝わらないと分かりました。難しい。

しかも、〝尊厳〟や〝人権〟など抽象度の高いことを教えようとするとき、そもそも〝尊厳〟という言葉が、モンゴルに存在するのか。もし存在しない場合は、どうやって説明すればよいのか、悩みます。

私が、「尊厳のある介護は・・・」と話して、通訳の人がモンゴル語で訳してくれている時、〝本当に尊厳の意味が伝わっているのかな〟と気になって、「〝尊厳〟と〝尊敬〟は違うからね、もしかして尊敬という言葉で訳してないかな?」と聞いてみると、案の定、〝尊敬〟という言葉を使っていました。

ちなみに、モンゴルには、〝尊厳〟を表す言葉がないようです。といった具合に、言葉の定義を考えながら、通訳の人の理解度、会話のリズム、間の取り方など、フィリピンの介護クラスではなかった、新しい問いがいくつも出てきています。

その結果、なるべく言語情報に偏らず、自分の言いたいことを語らずともわかってもらえるように、youtubeから動画を引っ張ってきて、繋げてまとめて工夫して、映像で伝えるようにしています。

まだまだ試行錯誤の途中ですが、その取り組みが多少は功を奏しているようで、上記の感想の中でも、〝尊敬〟や〝愛情〟といったワードが入っていたのかなと解釈しています。

いずれにしても、私自身がまた一層深いところで、日本の介護を学ぶとても良い機会になっています。引き続き、フィリピンからモンゴルを応援します!

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