見出し画像

親の介護、子知らず

もうすぐ2歳になる息子が言葉を覚えだしました。朝起きると奥さんに「ウェ~、ウェ~」と言うようです。

何を言っているのかというと〝オムツが濡れている〟と伝えているのです。英語で「wet(濡れた)」と言っているのだそうです。私たち夫婦は、そんな言葉を教えていないのですが、メイドさんから習って?覚えたようです。

公園に行くと、息子と同じ歳くらいの日本人の子供が数人います。その子供たちから、「ダメ」という言葉を覚えたようです。家に戻っても「ダメ」連呼しています。おそらく、公園の子供達も親から「ダメ」を覚えたのでしょう。

「ダメ」という言葉は、可能性を制限する言葉ですので、私はなるべく使わないようにしています。「ダメ」だけではなく、ネガティブな言葉はできる限り使わないようにと、意識しています。

ところが、最近の息子はちょろちょろと動き回るようになってきて、外を散歩しているときなどは、ついつい、「ダメ」と「危ない」ばかりを使ってしまいます。。

「ダメ」と「危ない」に変わる、ポジティブな言葉はないかと探しているのですが、いまだに見つからずです。

発想を変えて、大怪我しない程度には目を掛けて、あとは本人の自由意思に任せて、痛い目や危ない目に遭ってもいいかなと考えています。そうすれば、「ダメ」も「危ない」も使いませんしね。

とはいえ、ついつい手助けしてしまうのが親心。息子とのディスタンス(距離)と言葉掛けには、惰性ではなく、意識的に取り組もうと思います

【言葉の影響力】


自分の発する言葉に注目する。これはいつから始めた習慣なのかはわからないのですが、自分の言葉には、いつも注目しています。心地よくない言葉を使うくらいなら、黙っていようと決めているのですが、ついつい余計なことを言って反省します。

言葉に注目するきっかけの1つになったのが、『水からの伝言』の話です。

水は言葉を理解する。なぜならば、水を凍らせてできる氷の結晶を見ると、ありがとうという文字を見せながら保存した水からは、きれいな結晶が、ばかやろうという文字を見せた水からは、きたない結晶ができる

この話を聞いて、科学的に根拠がない、荒唐無稽だという人もたくさんいますが、私は美しい話だと思いました。人間の体の60%は水で出来ています。小さい子供は70%が水です。言葉が水に影響を与えるのであれば、人間の体にも大きな影響を与えることになります。

水からの伝言が正しい、正しくないは各々が判断するとして、自らの発する言葉に注目するきっかけになるという意味では、意義のある話だと思います。

息子も絵本が読めるようになりましたので、来年の誕生日には、水からの伝言の写真集をプレゼントしようかな。きれいな言葉を使う人に育って欲しいと願っています。

【親の介護、子知らず】

言葉繋がりで話を続けると、介護保険外ビジネスを経営している私の友人の名言、「親の介護、子知らず」は秀逸ですね。ワードセンスが素晴らしい。流行語大賞を取れるのではないかというくらい、時代性があり、語感もいいです。

公的サービスの手の届かない、高齢者の在宅介護や在宅の生活支援を行っているからこそ、出てきたフレーズだと思います。現場を見ていなければ、浮かび上がらない言葉ですよね。言葉に重みを感じます。

私は父親を癌でなくしました。なくなる4~5カ月前から帰国して、家族でつきっきりで看病をしました。いつフィリピンに戻って来れるかわからない私の帰国に対して、今も勤めているフィリピンの会社は、快く送り出してくれました。

社長からも同僚からも一言も文句は言われませんでした。そのことは今でも感謝しています。家族を大切にするフィリピン文化の恩恵を受けて、最後まで父親の看病ができたのは本当にありがたいことでした。

フィリピンであれば、家族の誰かがヘルプのサインを出せま、家族の誰かがサポートをします。しかし、核家族化進み、仕事に子育てにと忙しい日本では、年老いた親はヘルプのサインを出すことに躊躇します。その結果が、「親の介護、子知らず」に繋がっていくのでしょう。

日本の社会構造をいきなり変えるのは難しいですので、今後ますます「親の介護、子知らず」なニーズを介護保険外ビジネスが担っていくのでしょうね。

「親の介護、子知らず」を受けて、冒頭の、息子とのディスタンス(距離)と言葉掛けと同様に、日本にいる母親とのディスタンスと言葉掛けも大切だなと、改めて気づかされました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?