【誰か教えて!】重力と情報熱力学第二法則(ゆらぎの定理)の関係性について

mondで東北大学の堀田先生から回答をいただきました!
いつもありがとうございます( *ˊᵕˋ* )


(内部にエンタングルメントしている部分系を持つ、量子孤立系でのお話です)

非平衡量子統計力学的な確率過程において、時間発展に伴い、ゆらぎの定理・情報熱力学第二法則によって、過剰エントロピー生成が(確率的に)発生しますが、この「(エントロピー増加に伴う)確率分布の変化」は情報幾何空間側では「情報幾何座標の変化(「期待値」の次元軸の値はそのままで、「偏差・エントロピー」の次元軸の値だけが増える) = カルバックライブラー情報量(KLD)の擬距離の移動」に相当すると現状では理解しています。

このときの「(ヒルベルト空間側での)エントロピー(負の情報量)」と「(情報幾何空間・パラメータ空間側での)情報量(負のエントロピー)」の収支には、保存則・不等式などは存在しますか?

また「量子エンタングルメントから創発する宇宙」の文脈において、重力はエンタングルメント/相互情報量(それに基づく量子計量テンソルと、そこから生じる空間曲率)によって生じるとされているので、重力についての確率過程においては、相互情報量(エンタングメント・エントロピー)が増加することになると、現状では理解しています。

これは同時に、「量子計量テンソルの増大」も意味するので、より強い重力場を感じること ≒ 空間が膨張すること(計量テンソルに含まれる、空間についての基底ベクトルの大きさの増加)・固有時間発展が(環境系に対して)遅くなること(計量テンソルに含まれる、固有時間についての基底ベクトルの大きさの減少)も同時に引き起こすと、現状では理解しています。

このときの(ヒルベルト空間中での)相互情報量・エンタングメントエントロピーの増加と、先の(ヒルベルト空間中での)過剰エントロピー生成の間に、保存則・不等式などは存在しますか?

さらに、相互情報量はフィッシャー情報量の一種で、量子計量もまたフィッシャー計量の一種なので、情報幾何空間側についても、保存則・不等式などは存在しますか?

KLDはダイバージェンス:「非対称の計量テンソル」なので、情報幾何空間中での「測地線に従う運動」は、ヒルベルト空間側では重力(相互情報量の発生・計量テンソル/空間曲率の増加)と区別することは可能なのでしょうか?

(確率過程で発生するKL情報量が、エネルギー運動量テンソルに由来していない{? この過剰エントロピー生成は、波数・運動量として解釈される?}ので、実験的にはともかくとして、理論上は別の力になるのでしょうか?

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