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サウジ短期留学記:応募から選考まで

2023年9月~10月に、サウジアラビアでアラビア語を学ぶ短期のプログラムに参加してきました。

あっという間の一か月でしたが、記憶がまだ鮮明なうちに覚書として記録しておこうと思います。

一か月程度の滞在でサウジアラビアについて偉そうに語ることはできませんが、短期間なりに見てきたこと、感じたことなどについて書いていこうと思いますので、アラビア語教育や短期留学、サウジアラビア旅行にご興味がある方に楽しんでいただければ幸いです。


自己紹介

◆ 都内に住む会社員です。
◆ アラビア語学習歴:大学時代に第二外国語の授業でスタートし、アラブ・イスラーム学院という学校に通ったり、チュニジア等に短期留学したり、イエメンで1年ほどアラビア語を勉強しながら日本語を教えたりしてました。
◆ 職歴:通訳会社、建設会社(アラブ圏駐在)、コンサル会社で勤務

一応、社会人になってからはずっとアラビア語を使って仕事をしてきました。と言っても、今はアラビア語の文章を読む機会が多いだけで、話す機会は少ないこと、北アフリカで何年か働いていた関係で訛っている(汗)ので、いわゆる「正則アラビア語(アル=フスハー)」については苦手意識が強いです。

学校について

今回、私が参加したのは、キング・サルマン国際アラビア語アカデミー(مجمع الملك سلمان العالمي للغة العربية)という学校が主催した「言語イマージョン・観光プログラム(برنامج الانغماس اللغوي- البرنامج السياحي)」というものでした。

キング・サルマン国際アラビア語アカデミー公式サイト

同校は、首都リヤドを本拠地とする語学学校で、公式サイトには長々と説明がありますが、要するにアラビア語の普及、国際的な役割の強化、アラブ・イスラム文化や言語の価値を高めること、また、アラビア語研究の促進などのために2020年9月に政府予算によって設立されたとのことです。

サウジアラビアでは近年、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子の指導のもと、「ビジョン2030」という壮大なプロジェクトが推し進められているのですが、同校の設立や今回のプログラムもこのプロジェクトの一環だそうです。「ビジョン2030」の詳細についてはここでは省くので、Google検索してみてください。

左がムハンマド皇太子、真ん中が初代国王、右がサルマン現国王

同校はその設立ミッションを果たすべく、年間を通じて様々な研究やプログラム、シンポジウムを主催しています。ただ、今回のプロジェクトはリヤドではなくて、第二の都市ジェッダでの初の試みとのことでした。

プログラムの応募条件とコースについて

本プログラムについては、現地在住の日本人女性の方からSNS経由でお知らせをいただき、知りました。(Yさんありがとうございました😊)

「へー、サウジの語学学校ってどんな感じなんだろう?」と興味半分で応募要項を見てみたところ、プログラム概要はこんな感じでした。

◆ 観光コース:1か月間
◆ 文化コース:2か月間
◆ プログラムの目的:イマージョン(没入型)教育を通じてアラビア語学習者のコミュニケーション能力を開発する。サウジの歴史的遺産や文化を紹介すること。
◆ 費用:授業料、宿泊地、1日3度の食事、プログラム中の移動手段、旅費はプログラム側が負担。参加者はビザ代と自国からの航空券代を負担する。

また、応募条件は(うろ覚えですが)、

◆ 年齢:18歳以上、45歳未満
◆ アラビア語ネイティブではないこと
◆ アラビア語学習歴があること

というものでした。留学プログラムというと大抵若い人向けであることが多いので、本プログラムは年齢範囲が比較的幅広く、自分にも応募できたので試しに応募してみたというわけです。

語学レベルについては初級者でも昔勉強していた人でもOKとのことで、実際、参加者のレベルは上級者から初級者までいましたし、年齢も国籍も様々でした。

また、応募要項によれば、観光コース(1か月)、文化コース(2か月)の2種類があるとのことでした。私は社会人なので有給休暇が使えるとはいえ、さすがに2か月休暇を取るのは立場上厳しく、1か月コースに申し込みました。

選考プロセスについて

「選考」については、まずは履歴書と志望動機を提出し、その後、Zoomで短い面接がありました。

履歴書は念のためアラビア語と英語の両方で提出しました。アラビア語に関してはイエメン人の友人におかしなところがないかチェックまでお願いしました。

Zoom面接では、確か男性の先生2人ほどと15分程度お話しました。喋った内容は、自己紹介、なぜアラビア語を勉強しているか、これまでにどこでどれくらい勉強したか、なぜこのプログラムに参加したいのか、サウジアラビアに来たことがあるか、などについてアラビア語で一所懸命話しました。

後で他の参加者らから聞いてわかったことですが、初級者の方達は普通に英語で面接したとのこと。あの頑張りは一体・・・w

選考基準は結局よくわからなかったのですが、単に先着順、「早い者勝ち」だった可能性があります。まあ、最終的に行けたのでどうでもいいんですけどね。

なかなか進まなかった選考プロセス

「アラブあるある」と言ったら失礼かもしれませんが、最初の告知が2月にあってから、最終結果が出るまでに結構時間がかかりました。

長期の留学ならわかりますが、短期なのに…

こちらとしては会社に早めに休暇申請もしなければならないのに、開催期間が当初の予定より延期されたりしたので結構やきもきさせられました。


詳細のタイムライン

2月半ば頃:プログラムについて知る
2月21日:履歴書と志望動機の書類をメール送信
2月28日:Zoom面接のお知らせ
3月1日:Zoomで15分ほどの面接
 ⇒2週間ほどで結果を出すとのことだったが1か月経っても音沙汰なし💦
4月13日:学校側より「プログラム延期」のお知らせ😅
 ⇒「詳細決まったら追って知らせる」との連絡
5月11日:プログラム開催のお知らせ(仕切り直し)
 ⇒ 参加を希望する期間(9月か10月)を選ぶよう指示が来る
7月4日:最終結果の連絡(やっと!!)
 ⇒ 8月半ばまでに観光ビザと航空券を取得するよう指示される
9月10日:Zoomで1時間ほど直前の説明会
 ⇒ただしここでもプログラムのざっくりとした概要しかわからずw
9月17日:プログラムスタート


正直なところ、私自身はアラブ圏でオーガナイズのなってないプロジェクトをいくつも経験してきたので、まあこんなもんかなと、むしろちゃんと連絡くれるし(遅いけど)全然いい方だな、などと感じていました。

しかし、もう1人の日本人の参加者の方はアラブ圏への渡航自体が初めてだったようで、親御さんにけっこう心配されたとか…。そりゃそうですよね💦

私も会社の上司から「まだ詳細決まらないの?」とせっつかれる度に「相手はアラブ人なのでこんなものです(キリッ)」とか、「ラマダーン(断食月)なので止まってて…」などと説明するのが大変でした。

さて、ここまで読んでいただきありがとうございました。長くなってしまったので今日のところはこの辺で。

プログラムの詳しい内容については次回以降に書いていきたいと思います。

オールド・ジェッダ(エルバラド地区)

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