MBTI(16タイプ)にまつわる勘違いや偏見まとめ

論文でも公式見解でもないのでご注意ください。


①16personaritiesでMBTIがわかる

これはMBTI公式が見解を公表したので話題になりましたね。16personaritiesとMBTIは別物だそうです。ただ、確実に寄せていることは間違いないうえに、もうたくさん広まっている+世間一般人はしっかり根拠を調べることは少ないと思うので、多くの方が間違ったままではないでしょうか。
もう一つ気になるのは、「MBTI調べたいときは、16personarities診断受けましょう」っていう誘導が散見される件。参考程度に、とか、語弊がないようになにかしら配慮がされていればいいと思いますが、思いっきり書いてある動画やサイトがあります。ご注意を。
質問はそれなりに考えられているとは思いますが、一時的なアンケートだけで判断したり、タイプごとに性格を決めつけたり、面白おかしく書いていたりする点が違うようです。ほんのちょっとの参考程度だと思います。

②MBTIは占いである

16personaritiesをはじめとして、MBTI関連で正確性に欠ける記事が多いせいか、「そもそもMBTIは占いみたいなものだから全く信じない」という人もいるようでした。
MBTIは公式の組織があり、GoogleScholorでも1万8千を超える文献があるようです。(2024/7現在)
心理学者によって提唱され、数多くの研究が進んでいる理論であることは間違いないです。「検証途中」ということだと思います。

③タイプが変わった

MBTI公式によれば、「タイプが変わる」ということはないそうです。人間の性格は、時間によって変化したり、とくに成人する前の場合は、正確に大きな変化が出ることも珍しくないです。発達心理学をかじったことのある方はわかると思いますが、一般的な人々が通る「発達段階」「発達課題」というのは大昔から研究されていて、いまでも支持されています。
未成年や性格がさらに変わる可能性のある若い方々にとっては、16personaritiesの診断結果がもたらす意味はそこまで大きくありません。正しくない、自分と違うことも書いてある、ここから変わることもありうる、という認識をもって診断しましょう。
MBTIでしっかり見るべきは心理機能ではないかと思っています。各タイプごとに心理機能の優先度があり、どの心理機能が発揮されるかで人々の思考や行動が変わってきます。そのときどきの状況によって、どの心理機能が強く出ているかは変わってきます。本来成熟すればタイプというのは変わることはない、というのがMBTIとしての考え方です。

④各タイプの行動や言動の特徴を事細かに言い当てられる

MBTIやタイプ論自体への苦言というか、考え方の限界点ですが、十人十色、90億人90億色の人間の性格をいくつかのタイプに分類して落とし込んでいるので、同じタイプになったからと言って、人によってさらに性格は変わります。先ほどもあったように、その人が置かれた状況によって心理機能の発達や発揮が変化したり、あるいはその人が持つDNAや周囲の環境・経験に依って、さらに変わってきます。
MBTIはアルファベット4文字の組み合わせなので、簡単に言えば4次元空間的に人間の性格を可視化できそうです。しかし、それぞれの次元において度合いは人によって違い、グラデーションを描きます。また、本当はさらに別の指標も見るべきなのかもしれません。
こうした違いがあるので、16personaritiesやその他のサイトに書いてある文言をそのまま信じ込むことはやめましょう。MBTI公式文献や、研究論文であれば、正確性は上がってくると思います。

⑤MBTIで適職や相性がわかる

MBTIでタイプ分けされて特徴がつかめたとしても、適職や相性に関しては参考程度でしかないと思います。結論を先に言うと、自分自身を見つめること、相手を見つめること、それぞれの仕事や職場を見つめることが大事だと思います。一般論化することはほぼできない領域です。
適職という言葉自体まず気を付けたほうがいいと思いますが、仕事の特徴というものは、一般的な特徴があったり、職種に依存した特徴もあれば、職場に依存した特徴もあります。
また、AIによって、人間の働き方はこれからかなり変わってくると言われています。こうした状況の中で、各種MBTIの適職紹介がどこまで参考になるのかは限界があります。また、MBTIと職業の相性が良かったとしても、その時の自分の状態(スキルや精神状態など)によっては、職業とミスマッチしてしまうこともあります。
職業においては、しっかり自分のもつ経験やスキルを見直すこと、そのうえでそれぞれの職業(特に社風や人間関係)の情報をできる限り集めることがカギでしょう。また、プランドハプンスタンス理論というものがあります。不確実性の高い職業選びを考える上で、今できる最善は、MBTI以外にあると思います。
また、人間関係の相性にしても同様です。基本的に、性格タイプが同じ人がいれば、共感できる点が多く、仲良くなりやすいと言われていますが、先日自称INFJYouTuberをみつけ、その方のMBTIに対する見解を聞きましたが、多少言いたいことはわかるものの(一部共感)かなり過激な言葉遣いをされる方で、本当に同じタイプなのか、と疑わしく思うほどでした。その方とは、その動画を見た限り、仲良くなれる気はしませんでした。
前でも触れたように、同じタイプだったとしても、その性格の詳細は千差万別です。一般的に相性がいいと言われている組み合わせでも、感性として合わなかったり、逆にそんなに良くないと言われている組み合わせでも、仲良くなれることはあるでしょう。
そもそも、現在ネット上の相性情報は、そのサイトによって結果がまちまちです。この辺りはもはや参考にするべきではないかもしれません。人それぞれの価値観や感性を大事にしましょう。

まとめ

こうした話をしてみましたが、昨今のMBTI関連の情報を見て思うのは、世の中には「ソースをはっきりさせる」ことをあまり重視しない方が多いと感じました。おそらくそれぞれに理由があり、「ただのエンタメであるため、そこまでしっかり調べるのは面倒」「そもそもMBTIをしっかり信用していない」「そもそもソースを調べるとか一次情報を探すのが苦手である」など、理由は様々だと思いますが、「MBTIに関する情報発信で収益を得ている方」「MBTIの情報を信じ切って、自分の人生における決断をしようとしている方」「MBTIに救いを求めている方」は、ソースをしっかりすることをお勧めします。ふわっと言ってますが、個人的には結構しっかりしてほしいと思っています。
この記事についても、論文やレポートだと思って書いてないので、ソースは全然書いてありませんし、ただの独り言です。INFJのNiを存分に発揮して私の中ではしっかりしているロジックでものを語っています。ただ、この記事から、「自分はしっかりした情報を取得したほうがいい」と思ってくださる方がある程度でてくれればうれしいなと思ってます。
一番お勧めしないのは、「あいまいな根拠で各タイプのネガティブな側面を発信すること」です。どこからがネガティブな情報発信になるかは難しい線引きですが、勘違いされることのないようにすることをお勧めします。「根拠のない批判は誹謗中傷です。(by某氏)」とはいえ、これらの言葉が私自身に特大ブーメランとして刺さっているかもしれません。なので、今後は特に気を付けようと思いました。

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