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電気的地球科学への招待⑪ー誘電体バリア放電

電気的地球科学の記事もすでに10回を超えました。今までの解説ではできるだけ直観的に理解できるように努めてきました。今回は地球全体で起きている現象を説明しようと思いますが、ほとんどの人にとって初めて聞く用語ー誘電体バリア放電から入っています。直観的ではない概念なので、少し難解になるかもしれませんが、順を追って解説していきましょう。
これまで地球や宇宙で起きている現象を電気で説明してきました。従来の地球科学でも地球をコンデンサーに見立てることがありましたが、静的なモデルで実態に即していません。また、地球には太陽からの電流が流れ込んでいると電気的宇宙論では説明していますが、太陽からの電流だけでは地球内部に流れる膨大な電流源を説明できません。地球大気を駆動しているのはフランクリンモーターですが、持続的に地表から上空に向かって移動する電子が原因です。大気圏から電離層に向かってスプライト、ブルージェットといった放電が起きています。これも地表から上空に移動していった電子の流れです。地球内部から大量の電子が放出されているのです。

地球は巨大なバッテリー

ここまで順番に読んできた人はすでに地球内部の電流源を理解していると思います。地殻の下には膨大な量のマントルが存在して、その主成分はカンラン石です。カンラン石はシリコンと酸素ですが、この元素は土星が太陽であったときに膨大な量の陽子と電子を内部にため込み、それが土星になってミューオン核融合でシリコンと酸素に合成されたものです。土星の衛星であった地球内部にはカンラン石とメタンは大量に存在する物質です。カンラン石にメタンが反応すると水と二酸化炭素が出来ます。

2SiO4 + CH4 -> 2SiO2 + 2H2O + CO2 + 2e(-)
マントルで発生した大量の電子は遠心力でゆっくりと地表に移動します。この電子が移動していく先で、放電が起きると地震になります。また、溶けた岩石―マグマは電気を通すので、帯状のマグマに電子が大量に分布することになります。ところが地下10km付近で電子の移動は急にゆっくりとなります。地下10km付近には震源が集中していることからわかります。
なぜ地下10kmに震源が集中するかは、別の機会に説明しますが、地球の重力は10km付近から生じているようなのです。地下から遠心力で移動してきた電子が、重力の発生で留まるため地震が増えている、という予想です。
ところで、地球上の重力を発生させているのは、地下275km付近で発生するシューマン共振であると説明しました。マントル上部には大量の電子が存在し、自転により加速度を得ているため、電磁波が放射されています。この領域に存在する大量の電子は地上30km付近から始まる電離層に対して、交流として振る舞います。電子の持つ電位、電離層に存在するプロトンの電位はそれぞれ一様ではありません。マントル上部と電離層がコンデンサーの両極のようにふるまい、間を挟んだ地殻、大気、成層圏などで誘電体バリア放電を起こしているのです。
絶縁体が気体である場合、途中で放電が見える場合があります。放電の形態は電圧、周波数でさまざまな現象として現れます。

マントル上部がマイナスの電極とすると、もう一方のプラスの電極は電離層になります。最近は電離圏と呼ぶこともあるそうですが、電離層は大気成分である酸素、窒素が希薄な状態で存在します。酸素は原子3個のオゾンになっています。オゾンが紫外線を吸収しているわけです。電離層には太陽風の成分である陽子と電子が存在します。とくに太陽風の9割を占める陽子は電離層の電荷として大きな割合を持っています。
電離層と地表をコンデンサーの電極として見る地球コンデンサーモデルでは、電離層と地表との間で雷が発生することで回路に電流が流れていると仮定しています。

電気的地球科学が主張する誘電体バリア放電モデルでは、電流の原因は地殻内部からの電子と太陽風の陽子です。

ここで重要なことは、マントルから発生する電子、太陽から来る陽子はバラバラの電位を持っていることです。電圧の不ぞろいが交流成分になるので、電離層と地殻との間で誘電体バリア放電が起きているというわけです。
電離層の状態を電子密度で表わす場合があり、電離層はマイナスに帯電していると考えることもありますが、太陽風からのプロトン、大気成分の窒素、酸素などのイオンが混在していて、プラスと見ることが出来ます。プロトンが増加するプロトン現象がみられることもあり、誘電体バリア放電の条件である交流成分を含んでいます。

電子と陽子の移動

ここで誘電体バリア放電を簡単に説明しておきます。絶縁体を挟んだ電極に交流電流をかけると、絶縁体を乗り越えて電子が移動します。なぜ、絶縁体を電子が乗り越えることができるのか? これは難しい問題ですが、一つの見方としては岩石などの誘電体では結晶構造の中に電子が入り込む箇所があるため、そこに入り込んだ電子が電位の変化で揺さぶられ、電子が玉突きのように少しずつ移動しているのです。

275km下から電子が移動してきますが、近くの岩石から地表に出ると電子は大気中に出ます。このとき、どれくらいの電子が現れるのか計算してみます。大気電流は1m^2あたり数ピコアンペアなので、
1A = 6.24×10^18(1秒間に移動する電子の個数)
1pA = 10^-12 x 6.24 x 10^18 = 6.24 x 10^6
1秒間に60万個程度の電子が移動していることになります。

マントル上部で生じた電子が電離層まで上昇していく過程で地震、雨、雷などの自然現象が生まれる

一般に絶縁体を挟んで起きる誘電体バリア放電では、どのようにして電子が移動するかが良く説明されていません。電子は非常に小さな粒子なので、固体の隙間や気体中を移動することが可能ですが、それほど速い速度ではないことが予想されます。それでも200km以上の厚さがある岩石中を移動してくるメカニズムがあるはずです。
導体中での電子の速度は秒速数センチだと予想されています。仮に秒速5センチで移動しているとしたら、24時間で4.3kmです。これでは地下275kmから地表に至るまで、2か月もかかります。
しかし、太陽フレアが電離層に到達して、電離層のプラスが強まるとほぼ同時に地震が起こることがあります。地殻内部でも電子は相当早く移動していることが予想できます。
銅線の中を電流が移動してくる場合、電子は秒速数センチで移動しますが、電界の変化は光速(銅線中では真空の約3分の2)で移動します。銅線の中を自由電子が心太のように突き出されるわけです。誘電体バリア放電でも同じようなことが起きていて、交流の電界の振動が絶縁体の中にある電子を突き動かして、移動させていることが予想できます。誘電体は、その複雑な結晶の中に電子を蓄えますが、結晶の隙間に入った電子が交流による衝撃で少しずつ移動するのです。
一方の陽子は電子よりはるかに大きいため、移動は容易ではありません。大気中の水素濃度は約0.00005%です。大気は宇宙線の影響で弱いプラスに帯電しているとされますが、水素は電離した状態で存在すると予想できます。地表はマントルから湧き上がる電子のため、マイナスに帯電していて、水素イオンは地表に引き付けられ、ゆっくりと降りてきます。これが1m^2あたり数ピコアンペアの大気電流として観測されます。電子と水素イオンは大気中でプラズマとして振る舞うわけです。電子と水素イオンの移動が雲を作ったり、台風になったり、雨や霧の原因となります。気象現象はきわめて電気的であるのです。

雲と雨

宇宙線が大気上層で大気分子に衝突すると大量の宇宙線シャワーが発生して、地表近くに電子をばらまきます。電子が増えることで雲が多く発生するスベンスマルク効果が報告されています。これは太陽活動と地球の気象が密接に関係していることを示しています。太陽活動が活発になると太陽磁気が増えるため高エネルギー宇宙線が減少しますが、太陽活動が低下すると高エネルギー宇宙線が増えます。このことは雲の発生が宇宙線に左右されることを意味しています。同時に雲と雨が電子の増減と相関していることを示しています。

電気的地球科学では雨は空中でオゾン+プロトン+電子によって作られると考えています。O3 + H(+) + e -> H2Oは良く知られた反応です。少しずつ地球の水は増えているのです。
宇宙線による雲の発生のほかにも誘電体バリア放電による雲の発生が認められています。下の動画は山の頂から雲が発生する様子を捉えたものです。円錐形の山の頂からは電子が放射されやすいと考えられます。

台風と黒点

電気的地球科学では地球を特別な存在ではなく、宇宙で普遍的な惑星として捉えます。そのため、地球上で起きる現象を宇宙レベルで考えるようにしています。

地球上で台風、サイクロンなどが発生する地域は赤道から少し離れた場所です。エルニーニョが発生する海域では台風は発生しません。これはエルニーニョが海底火山の噴火による海水温の上昇であるからです。台風が発生する代わりに火山が噴火しているのです。
この台風の分布は太陽黒点の分布に酷似しています。太陽活動が活発化すると黒点が増え、地球に吹き付ける太陽風の成分のうち電子が増えます。磁気嵐が起きます。これは黒点から電子が湧き出しているためと考えられます。地球上の台風も電子の湧き出しが原因です。太陽内部と地球内部は同じ電磁流体が存在する可能性があります。

地震と雨

2016年4月から始まった熊本地震には、6月20日に豪雨が襲うという災害が重なりました。地震と豪雨は関係していたのでしょうか? 地震になるはずだった電子が地表に放出され雨になったと考えられます。まず、熊本地震の震源分布を見てください。

6月20日の豪雨の降水量は次のような分布になっています。

震源の分布とほぼ重なっていることがわかります。これは熊本市周辺から電子が大量に湧き出していたことを意味します。地下で電子がたまると放電、地震になり、そのまま空中に電子が飛び出すと雨になったわけです。地震、雨は同じ誘電体バリア放電の一現象ということがわかります。雨が降っている時は大地震が起きない原因にもなっています。

風と電子の移動

金星では秒速100mの風が吹き荒れています。自転速度を超える風です。一方の地球では上空の偏西風は自転方向に秒速80m程度で吹きますが、地表付近の風はほとんど吹いていません。地球の自転速度は赤道付近で秒速400mと非常に速いにもかかわらず、地表で風がないのはなぜでしょう?
冒頭で地表からは毎秒60万個/m^2の電子が湧き上がっていることをしましました。電子の上昇はイオンの移動です。この電子の移動によって大気全体が静電モーターとして、自転方向に動いているのです。
電子の移動が増えると台風が生まれます。

台風の風の向きを見ると進行方向に向かって傾いています。電子が上昇しますが、このとき磁場を横切るのでサイクロトロン運動で回転します。台風の上部で右回りになるのは、電流の向きにローレンツ力が働くからです。
アメリカで多い竜巻は静電モーターであることが知られています。竜巻は震源に沿って移動することがあります。

アメリカのトルネードは地震の震源に従って移動する

地球を覆う電波

地球は電気的活動をしていると説明してもなかなか理解することは難しいかもしれません。従来の地球科学はもっぱら重力と熱で自然現象を説明しようとします。しかし、これを見ると理解できるかもしれません。このグラフはSoftware Radioで0~800kHzくらいまでをスペクトルグラフで見た様子です。人工的な電波のほかに原因不明の電波がたくさん見えます。

左の0~180kHzくらいまで、ノイズの山が見えます。180kHzから上の長波になるとしだいにノイズが増えていきますが、これらのノイズは人工的なものではありません。おそらく地球自身か大気、電離層が発生させているノイズでしょう。
左側のSLFの領域では潜水艦の電波が時たま見えます。世界中には、この低い周波数で送信している電波がいくつもあり、いずれも数百キロワットという非常に高い出力です。気象兵器、地震兵器としてアラスカのHAARPが注目されますが、HAARPの出力は最大で数メガワットしかありません。これらの自然が発生させるノイズと比べると、人間が逆立ちしてもこれだけ強力な電波を発生させることは無理です。
重力波を観測したとされるLIGOですが、じつはすぐ近くには地震が頻繁に起きる地域があって、地震が起きる前後に非常に低い周波数の電波が発生することがわかっています。LIGOに使われている反射鏡は誘電体なので、地震の電波を拾っている可能性があります。低い周波数の電波は分厚い岩盤も透過できるからです。


ELFという極端に低い電波ーシューマン共振が地球上を取り巻いています。シューマン共振は非常に強力な電波です。これだけ強力な電波何もしていないことがあるでしょうか?電気的地球科学ではシューマン共振による電磁質量の発生が重力の正体であると考えています。

電気的地球科学は11回になりました。まだまだお知らせしたいことがたくさんあります。次回からは特にテーマを決めずに気になっていることを紹介していきたいと思います。


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