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電気的地球科学への招待⑥ー水と大気の起源

今回のテーマは水と大気の起源ですが、複雑なうえ、かなり退屈な内容になるかもしれません。しかし、ここでは地球にとって最も重要なメカニズムを明らかにしたいと思います。
地上の重力は地殻の下に大量に存在する電子が自転により発生させるシューマン共振が原因です。地球の自転はマグマに流れる電流と磁場によるファラデーモーターです。電気的地球科学では従来の地球科学とは異なる説を主張していますが、重力、自転といった現象は互いに密接な関係を持っていることがわかります。水と大気も例外ではありません。従来の説では地球が微惑星の衝突で出来てから地表が冷却される過程で大量の雨が降った、あるいは宇宙から氷の隕石が飛来して長い間に海になった、といった説明がされていました。しかし、もし宇宙空間に微惑星があったとしたら、太陽風の影響で同じ電荷をもつため、互いに反発して一つにはまとまりません。マグマオーシャンはなかったのです。また、大気は20億年前にシアノバクテリアが光合成によって酸素を作り出したのが起源とされていますが、生物は遺骸が腐食するとき酸素を消費します。余分な酸素を作り出す能力はないのです。従来の説には矛盾が多すぎます。現在、観測などからわかっている事実を合理的に解釈しなおすのが電気的地球科学です。

ハチソンのクリスタル電池

発明家のジョン・ハチソン氏をご存じの方も多いでしょう。彼は反重力を実現したことで知られていますが、非常にありふれた物質で作った電池の発明者でもあります。その辺に転がっているような石を材料にして、長寿命の電池を作り出しました。

この動画ではゼロポイントエネルギーといういわゆるフリーエネルギーの一種として説明していますが、後述するように出ている電圧は岩石の相転移によるものです。
ハチソン氏が述べているようにクリスタル電池は作るたびに電圧と電流が異なります。これは岩石内部でシリコンと酸素が結合している状態が異なるからだと考えられます。また、この電圧が違うという点が、地球内部では非常に重要な役割を果たしているのです。

相転移による電子の放出

岩石のほとんどすべてに含まれているのはシリコンと酸素です。SiとOが結合した状態によりいくつかの基本的成分が作られます。地上で見られる岩石の多くは、SiO2かSiO3にマグネシウム、鉄、カルシウム、アルミニウム、ナトリウムなどが複雑に化合して、よく見かける花崗岩、玄武岩などを構成しています。SiとOだけが結合した状態にはいくつかあることが知られています。
一般によく見かけるのがSiO2で水晶と呼ばれる結晶を成すことが多くあります。花崗岩でも小さな水晶が内部にちりばめられているのを見ることが出来ます。次に多いのはSiO3でケイ酸です。ケイ酸も非常にありふれた物質で花崗岩などにも含まれています。SiO4はカンラン石の成分です。カンラン石はマントルの主成分と言われていて、橄欖岩に多く含まれます。

マントル捕獲岩にカンラン石は多く含まれる
wikipediaより

その次にはSiO6、スティショフ石があります。スティショフ石は地上で見ることは珍しいのですが、マントルのさらに深い場所に存在すると考えられています。

シリコンと酸素の結合によって異なる石が出来る

スティショフ石、カンラン石、ケイ酸、石英と結晶構造が相転移するにつれ、密度が減少していきます。逆に言えば、体積が増えて行きます。マントルではそのほとんどをカンラン石が占めていると考えられています。また、地球内部には大量のメタンが存在することがわかってきました。

メタンは炭化水素で土星や木星の大気成分です。太陽系でも豊富にある分子の一つです。このメタンがカンラン石と反応することを考えてみます。
2SiO4 + CH4 -> 2SiO2 + 2H2O + CO2 + 2e(-)
火山ガスの成分は二酸化炭素と水蒸気です。海洋底の底では重金属を含んだ熱水が湧き出しています。マントルからマグマが発生するとき、体積が増えることも知られています。シリコンと酸素は共有結合なので、結合している酸素が減ると間にある電子が余るので放出されます。この電子が、マグマに流れる電流の原因なのです。ハチソンのクリスタル電池の原理でもあります。

地球膨張と海水

イタリアのMario Buildreps氏は世界各地の古代遺跡を調査したところ、遺跡の向きが5か所のポイントを指すことを発見しました。

https://mariobuildreps.com/  より

重要な古代遺跡は南北に合わせて遺構が作られていることが多く、その方角はかなり正確であることが知られています。マリオ氏は538の遺跡の向きを調べたところ、その方角を示す線が5か所で交わることを発見しました。
なぜ北を示す方角が5か所に分散されるのか? マリオ氏が検討したところ、地球が膨張したため、北極点が移動したのではないかという結論が導き出されました。さらに北極点が移動したのは、氷河期の間ではないかというのが彼の推論です。

気温が低下するときに北極点が移動した

この氷河期のたびに北極点が移動するというのは、地球はファラデーモーターであることと矛盾しません。モーターのコアになっている環太平洋火山帯のマグマの帯は、引っ張られる角度が変化しています。さらに何度かにわたって、引っ張られた痕跡も残っています。

地球膨張で北極点が移動したため、マグマの帯が引っ張られる角度が変化している

また、地球が膨張することにより、海洋底が拡大することで海水面が低下します。しかし、カンラン石の相転移により水が大量に発生するため、海水面は少しずつ戻ってきます。

14万年前から現在までの海水面の変化
Sea-level curve for the past 140,000 years, from Bard, et al., 1990

二酸化炭素とミュオン核融合

カンラン石とメタンは反応して、水と二酸化炭素を生みます。二酸化炭素は火山ガスなどを経て地表に放出され、大気を作ります。原始地球の大気は金星と同じように二酸化炭素だったと考えられます。火星の大気の主成分も二酸化炭素です。金星、火星の内部では地球と同じような反応が起きているはずです。しかし、地球の表面には大量の水が湧き出しました。水は二酸化炭素を吸収します。吸収された二酸化炭素はミュオン触媒核融合によって、次のような反応が起きていると予想できるのです。
CO2 + μ(-) -> C+O + O -> C(12) + O(16) + O -> N2 + 1/2O2
炭素は原子量が12、酸素は16です。合わせると28になり、これは窒素14の2倍です。
地球大気には無数の宇宙線が降り注いでいますが、宇宙線が大気分子にぶつかるとミュオンが発生します。ミュオンはマイナスの電荷をもつ粒子で地表には1cm^2あたり1分間に1個の割合で降ってきます。電子の200倍の質量をもつミュオンは原子と原子の間に入ると原子核を引き寄せて融合させることが知られています。ミュオン触媒核融合です。なぜ、水中でこの反応が起きるのかはまだ予想でしかありません。たとえば、大量の二酸化炭素をタンクに入れておいても窒素や酸素は発生しないことから、ミュオン触媒核融合は海水中で起きているのではないかと考えられるのです。
従来は、植物による光合成が酸素を作り出したと説明されますが、太陽光のない夜間に植物は酸素を取り込んで二酸化炭素を吐きだします。また、植物の遺骸が腐敗するとき、大量の酸素を消費します。これは海中でも同じです。光合成は余分な酸素を生まないのです。
また、海水からは大量の酸素が発生していることが知られています。窒素に関しても海中から大量の窒素が出てくることがわかっています。

https://www.nipr.ac.jp/info/notice/20201027.html

この図では窒素の循環となっていますが、海水への吸収と放出の割合は不明です。

雨は空中で合成される

二酸化炭素がミュオン触媒核融合で窒素と酸素に分解されるとして、その割合は2:1です。窒素と酸素は66%、33%となるはずですが、実際には80%、20%です。酸素の多くが何らかの理由で失われているのです。
私たちは雨は地上から水蒸気が出て上空に移動すると過飽和状態になり、結露した水が雨となって降ってくる、と教えられました。しかし、この動画を見てください。

局所的に大量の雨が降ってくるのがわかります。もし、雨が過飽和水蒸気から結露して降るのであれば、少しだけ降っておしまいになるはずです。過飽和状態が解消されるからです。この動画のように滝のように降ることはないでしょう。
スベンスマルク効果では、宇宙線が電子を発生させると低高度での雲の発生が増えます。大気の電離度が高くなると雲が発生するという理由からですが、スベンスマルク効果をさらに発展させて考えて見ましょう。
大気中には、いくつかの電離した物質が存在します。酸素が紫外線を照射されると酸素原子が3つのオゾンになります。電離層からは常に大気電流が地表に向かい流れていますが、電流の正体は水素原子です。大気中には数ppmの水素原子が存在します。また、先にあげた電子も存在します。電子は宇宙線からも発生しますが、地殻の奥から湧き上がってきます。
気圧は地表と電離層の電位差が作ることを説明しました。低気圧では、地表から大量の電子が上昇してきます。また電離層からは水素原子が降りてきます。地表と電離層の電位差が低くなるということは、電荷を持つ水素原子と電子が移動することです。
低気圧では、電子、水素原子、オゾンが合流します。
O3 + 2e(-) + 2H(+) ->H2O + O2
雨は空中で合成されるのです。降ってくる雨は地上から蒸発した水に加え、空中で新たに合成された水が含まれています。そのため、GPSによる計測では海水面が上昇しているという観測結果があります。

この報告書によれば、2008年の時点で最近の20年間海水面が上昇したことを示しています。上昇の原因は陸上の氷が溶けた結果と熱膨張によるものとしています。しかし、海面の上昇は地球上の水が増えたからであることはここまでの説明でわかります。先にあげた図で14万年前からの海水面の上昇を示しましたが、その上昇がまだ続いているのです。

大気も静電モーター

金星では秒速400メートル以上の猛烈な風が常時拭いていることが観測されています。スーパーローテーションの原因は不明です。いっぽうの地球では地表付近ではほとんど風は吹いていません。台風や竜巻が起きても秒速100メートル程度です。地表は自転により音速よりも速く移動していますが、その影響はなぜほとんどないのでしょうか?

火星では地球の貿易風の方向に猛烈な風が吹いている

金星の大気圧は90気圧あります。この気圧も地球と同じように地表と電離層の電位差によって作られます。金星大気は地球よりも高い電位差を持つことが観測で分かりました。

https://agupubs.onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/2016GL068327

地球と金星の違いは、大気の電位差のほかに、海がない、大気の成分のほとんどが二酸化炭素であることなどがあげられます。しかし、金星も地球も大気から大量のイオンが流れ出していることが知られています。

観測衛星あかつきによる

このイオンの放出がスーパーローテーションの原因です。太陽側から入ったイオンが反対に抜けて行くとき、金星大気を静電モーターとして駆動します。
一方の地球でも電離層から大気に太陽風のイオンが入ってきます。オーロラとして見られますが、地表には届かないようです。地球では、地殻内部から電子が上昇してきているからです。

夜間にはブルージェット、スプライトなどの放電現象が現れる

大気中を上昇する電子はブルージェット、スプライトなどの電離層に向かう放電現象として現れます。
地表から上昇する電子は周囲の大気を静電モーターとして自転方向に動かします。これが地表付近で強風が吹かない原因です。上昇する電子は上に行くにしたがって静電モーターの効果が薄れて行き、大気上層と電離層の間でのイオンのやり取りに移行していきます。大気上層では電離層から出入りする電荷が優勢になるため、自転と同じ向きに強い風が吹くことになります。

大気と水の起源がマントルにあるカンラン石とメタンであることを説明しました。カンラン石の相転移が大量の電子を放出して、マグマに流れることでファラデーモーターを構成しています。地球は巨大なバッテリーなのです。次回は地球磁場について解説します。

タイトル画像はマントルの成分、カンラン石です。

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