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【ジェイの才能探訪#12】子ども達をあたたかく包む“寺子屋方丈舎”(スクール訪問②)

 今回の訪問先は“寺子屋方丈舎”さんである。福島県会津若松市に位置している。昔ながらの建物を利用して、あたたかく子ども達を包み込んでいるスクールである。長年、代表を務めている江川さんにお話を聞いた。

〈 概要 〉
 1999年にスクールが開校し、25年も活動を続けている。受け入れている年代は、小学生〜高校生まで幅広く、現在18名ほどが通っている。中でも中学生が多いそうだ。
 小学校〜中学校の義務教育期間は、このスクールに通っている限り出席扱いとなる。たとえ学校に登校できなくても、自分に合ったやり方やペースでしっかりと教育を受けることができるのである。
 高校生に至っては、通信教育も完備しており、高校卒業の資格も得られる。その後、大学に進学している子達も多数いる。学校で学習していなくとも、安心して伸び伸びと自分の能力を高め、夢に向かって躍進できていることが分かる。


〈 施設 〉
 方丈舎の施設は非常に魅力的である。まず位置している場所が、野口英世青春通りで、ロマン溢れる雰囲気が良い。建物に入ると、温かみのある黒板アートとポップな看板が迎えてくれる。

 情緒溢れる木目の階段を登ると…

 屋根裏部屋のような、秘密基地のような空間が広がる。基本的に子ども達はここ2階で過ごす。初めてこの空間を目にした時、私も大人気なくワクワクしてしまった。子ども達なら尚更であろう。

 広くゆったりできるテーブル。奥には寝転がれるカーペット。漫画やゲーム機、ボードゲームなども豊富にあり。一日楽しく過ごすことができる。
 ちなみに1階には、事務所とテーブルスペースがある。

〈 理念 〉
 “方丈舎”では子ども達の意向をとても大切にしている。子ども達自身が何をしたいのか。どうなりたいのかという意向を聞き出し、その目標を達成するための具体的な道筋を示してあげているとのこと。決して押し付けることは無く、その子が望む将来に近づくための素材をそっと添えてあげているような印象を受けた。

 あくまでも子ども達自身の自己実現を叶えるための手段。それぞれの夢へアクセスするための媒体になりたいと、代表の江川さんは述べていた。その姿勢に私も大いに感銘を受けた。
 我々大人は誰しも一度は子どもを経験している。この勉強をしておいた方が受験に有利だ。この習い事をしていた方が後々仕事に役立つ。など、さも正解そうな事を知っている。故に子ども達に強要してしまうことがあるのではないだろうか。
 今後の社会は、より激動時代となることだろう。何が正解が分からない世の中になっていく中で、今を生きている子ども達の欲求に寄り添うことは、とても大事なことであると思う。

 話を聞いている中で、不登校は悪である、学校に通えないことは社会に適応できない証拠だ。と勘違いされていることが多いという話題が出た。この勘違いには私も意を唱えたい。学校生活がたまたまその子の肌に合わないだけで、その子自身の能力(才能)を捉えることができれば、誰しもがきっと輝くことができるのではないか。
 さらに“方丈舎”では非言語的な学びを大切にしているという。非言語的な体験活動から、子ども達それぞれの輝く才能を見つけることができるため、学習だけに捉われず、運動や職業体験、地域と連携しながら多くの体験活動を取り入れている。

〈 最後に 〉
 私が視察に行った際、たまたまスクールに通う小学生と遊ぶことができた。体育館で、ボール鬼、ドッジボール、バスケットボールでたくさん遊んだ。スタッフさんも理念にある通り、活動内容を押し付けることはせず、子ども達のやりたいことを尊重していた。また一緒に全力で活動していた姿が印象的であった。こういった徹底した姿勢が子ども達からの信頼を獲得できることだろう。

 不登校と聞くと、暗くて笑顔が少ない子を想像するのではないか。しかし、一緒に遊んだ子達は、笑顔に溢れ、礼儀正しく、たくさん話しかけてくれた。
 これはきっと“方丈舎”さんが、子どもの意向を一番に考えて、一人一人が生き生きと活動できるよう働きかけている証拠ではないだろうか。私もこのような働きかけをしてみたり、子どもが安心して過ごせる居場所を創ってみたいと強く思った。

https://www.terakoyahoujyousha.com/

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