【10年後の未来をつくるトーク#10】小さなゴミ拾いから始めるSDGs|中裕樹さん(グリーンバード監事)

第10回は、ゲストに“かっこいい”ゴミ拾いボランティアNPOのグリーンバードで監事を務めている中裕樹さんをお招きし、ゴミ拾いという小さな活動がきっかけとなり広がる多様な人のつながりや活動についてお話しました。

中さんが所属するグリーンバードは2002年に原宿表参道で発足したゴミ拾いボランティアNPOです。現在は国内外80チーム程が地域ごとに活動しています。「きれいな街は、人の心もきれいにする」ということをコンセプトに掲げ、ゴミを拾っている人が目立つ社会を作っていくことを目標に活動しています。

グリーンバードが活動していく受けで大切にしていることはオシャレでかっこいいゴミ拾いをすること。参加動機はなんでも良くて、朝合コンと呼ばれていた時期もあったとか。もちろん真面目にゴミ拾いを行うことも大事ではありますが、あくまでかっこよく、ポイ捨てをしてそうな人にも参加してもらえるような活動をしたいと考えています。

もう一つ大切にしているのが「できる限りでOK」ということ。ちょっとでも興味があれば活動場所にふらっと手ぶらで立ち寄れば道具も全て貸してもらえます(※現在、新型コロナウイルスの感染対策のため、事前に登録が必要になります)。参加を強制されることはなく、1回でも参加OKなのだそうです。ちょっと誰かと話したいから、朝暇だから、関われる居場所としても機能する、ゴミ拾いのハードルを最小限まで下げた入門的な団体を目指しています。

このゴミ拾いの活動はただゴミ拾いだけで終わらないのだそうです。例えば、1回でもゴミ拾いに参加した人はポイ捨てをしなくなると考えられています。また、ゴミ拾いに集まる人はSNSなどでつながれる同じ目的や志の人ではなく、多種多様な方々が急に集まる機会にもなっています。普段だったら話せないような人と話すことで自然と様々な立場の人と考えていることを共有することができるのです。

さらに、ゴミ拾いの活動を通じて、街の人とのつながりも自然にできてきます。いつもだったら気づかない街の道だったり、場所にも気づくことができます。そのような気づきやつながりが、街づくりにも関わってきます。現に今虎ノ門チームのリーダーを務める大学生の方は、虎ノ門の街づくりにも関わっているそうです。

また、一つ一つは小さな活動ではありますが、総体として大きな活動に参加しているという実感を得ることもできます。例えば、ラグビーワールドカップの際には、会場の入口で結ぶとラグビーボールになるという工夫を凝らしたビニル袋を配りました。ゴミ袋を使う観戦客の方にとっても配布を行った参加者の方にとっても有意義な活動になったようです。

最後に10年後に実現したいことを聞いてみました。中さんは、10年後、ゴミやポイ捨てという概念自体がなくなっていると良いと考えています。今ゴミだと考えているものがゴミではなく違うものに生まれ変わる資源になったり、そもそものゴミが出なくなったりすることでこれは実現できると考えているそうです。そうすると、グリーンバードの活動はゴミ拾いから、資源拾いになりますね。

ハードルをとことん下げたゴミ拾いから広がる周囲への関心、あなたも見つけてみませんか?

今後、中さんとグリーンバードの各チームの方による新たな配信企画も予定されています!お楽しみに!