アウシュヴィッツの聖人ゆかりの四つ星ホテル
Kolbe Hotel Rome コルベ・ホテル・ローマ
─ イタリア・ローマ ─
アウシュヴィッツの強制収容所で命を落とし、列聖されたマキシミリアノ・マリア・コルベ神父(以後聖M・M・コルベ)がローマの修練時代に寄寓していた修道院がホテルに変わっている。名前もずばりコルベ・ホテル・ローマ。聖M・M・コルベが1914年にポーランドからローマへ留学してから身を寄せていたコンベンツァル聖フランシスコ修道会(L'Ordine dei frati minori conventuali)の修道院だった建物だ。
聖M・M・コルベは、ローマに約5年滞在し、結核に罹り、療養生活をするために故郷ポーランドのザコパーネに帰った。
コンベンツァル聖フランシスコ修道会の修道院は1980年代に一部廃院となり、主にアメリカ合衆国からの学生たちのローマでの簡易宿舎として利用されていたが、2007年にホテルに改装された。建物の一部は今日も修道院に利用され、ホテル・ゲストの憩いの場ともいえる中庭も修道院時代のまま残っている。
現在も建物の一部がコンベンツァル聖フランシスコ修道会の修道院として利用されている。修道院棟には、聖M・M・コルベ記念図書館、修道院付属礼拝堂がある。図書館、礼拝堂はホテル予約時に訪問依頼を要請する必要がある。
修道院棟2階にある聖M・M・コルベ記念図書館には、関連書籍や世界各国で出版された無原罪聖母の騎士の冊子と共に、聖M・M・コルベが日本で出版した当時の無原罪の聖母の騎士の雑誌も展示されている。聖M・M・コルベの肖像画、胸像なども展示されている。
図書館の展示ケースの中には、聖M.M.コルベが身代わりになって犠牲となったポーランド人軍曹フランツェク・ガイオニチェク(Franciszek Gajowniczek)がアウシュヴィッツで着ていた囚人服、彼が聖M・M・コルベの列聖式に参加した際、同郷の教皇ヨハネ・パウロ二世と撮った記念写真などが展示されている。ガイオニチェクは幸運にもナチスから解放された後、終生聖M・M・コルベについて世界各地で講演活動を行っていた。
コルベ・ホテル・ローマは旧修道院を改装しているので、外観は落ち着いた雰囲気。ローマのショッピング街から離れており、ローマの喧騒からは無縁で、静かに聖なる都を満喫したい人には最適なホテルだろう。
近くに映画『ローマの休日』で有名になった真実の口のある聖マリア・イン・コスメディン教会もある。ホテルのアクセスは、地下鉄駅のチルコ・マッシモ(Circo Massimo 古代ローマ帝国時代の競技場の遺跡)から徒歩5分。
部屋のタイプはさまざまで、シングル、ツイン、トリプル、家族向けの部屋などもある。浴室は浴槽付とシャワーのみの2タイプがあるので、浴槽希望者は予約時にリクエストを入れるのが無難。四つ星ホテルなので、ツインで1泊約200〜300ユーロ、時期と季節により流動的。
ホテル周辺は、遺跡の宝庫。ローマ帝国時代の政治の中心地だったフォロ・ロマーノ(ローマの公共広場)、さらにカピトリーノの丘のアラコエリ(天の祭壇)教会(Basilica di Santa Maria in Aracoeli)、ミケランジェロが設計したカピトリーノ広場、カピトリーノ美術館(Musei Capitolini)なども徒歩5分で行ける。
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