14卒業論文

大沢正善 卒業論文 1998~2000 奥羽大学 記録尾坂淳一

1、文学研究とは
ある文学作品や作品群における個性を客観的説得的に論証すること。そしてその結論が新しい発見であるか論証が独創的であることが望まれる。

a文献学
書誌学=書物の形態的研究
本文批評=本文の形態的研究
b文芸学
作品論=本文の美学(美しいと感じるパターン)的研究
テクスト論=本文の言語現象論的研究(いきもののような捉え方)
c作品論
作家論=作品の個性を作家像に還元する立場
→モチーフ、動機「なぜ」
作品論=作品の個性を美学的に分析する立場、読者論的な立場とも考えられる
→テーマ、結果「これから」
d歴史社会学=作品の生まれた社会背景を考察する立場
e比較文学=作品と他の作家の作品を比較する立場

2、文学の飛躍
ある作品の感動は背景→構想→主題→表現→読書という生成過程から読書過程に至るまで偶然の機会を作者や読者が必然化する主体的な飛躍の体験において発生する。それぞれの飛躍の前後の着想と実現の関係は精神と肉体の相互作用あるいは受肉の関係に似ている。こうした関係はさらに飛躍の体験を論証する研究の過程においても発生する。逆に困難な飛躍を通過しないかぎりその作品も読書も論文もありきたりの常識をなぞるだけに終わる。それを通過した記憶が作者の、読書の、論者の、真のプライドを支える。文学は単なる感動する情報ではなく、その飛躍を作品から感じ、論文にする。

モチーフ/テーマ
=動機/主題

ストーリー/プロット
=作中の事件や出来事の起こる順序/どういう順序か
王妃が死んだ。王が死んだ。(時間的感情的)
王が死んだ。王妃が死んだからだ。(繋ぎ方の工夫)=作者の個性

3、論文の基本的手順10項
1作品とその周辺作品を読み込む
2書簡やエッセイから背景とモチーフを探る
3典拠があれば影響と独自性を探る
4作品自体の構造を分析
5作品の分析からモチーフを再検討
6作品の個性(テーマへの飛躍)を考察
7それぞれの段階(典拠・動機・独自性・テーマ)で着想や引用のメモをとる
8自分の論点と重なる論文を比較検討する
9論点と結論を整理し論の構成(目次)をたてる
10論述し軌道修正を繰り返しながら完成させる

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐1998年

4、原稿用紙の使い方


─副題─
所属・氏名∧∧
‐‐‐‐‐二字アケ

∧一章
一字アケ

∧本文を書き出す
一字アケ

∧∧引用文(注1)
二字アケ

句読点や括弧 。、「」は一字目にこないので欄外などに書くこと


注(1)著者名「論文名・書名」所収・出版元
注(2)~
注(3)~

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐1999年