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ビートレス(SF文学)の世界が現実化してきた

ビートレスとは、長谷敏司氏による日本SF小説です。単行本は2012年10月10日発売。高度な人型のAIが多数出てくる世界観で、最近その設定されている概念が現実化されてきたと感じるニュースが多かったので、まとめてみました。AI時代の世界観、価値観の想像力を鍛えられる、大変刺激的で面白い作品なのでお勧めです。
長谷さんが設定された世界観の内容は、Analoghack Open Resourceとして公開されています。

<ストーリー>
22世紀初頭、社会のほとんどをhIEと呼ばれる人型ロボットに任せた世界。21世紀中ごろに超高度AIと呼ばれる汎用人工知能が完成し、人類知能を凌駕、人類はみずからよりはるかに高度な知性を持つ道具とともに生きていた。100年あまりで急激に進行した少子高齢化により労働力は大幅に減少したが、その穴をhIEが埋めることで社会は高度に自動化され、生活は21世紀初頭よりも豊かになっていた。
そんななか、hIEの行動管理クラウドのプラットフォーム企業「ミームフレーム社」の研究所から5体のレイシア級hIEが逃亡する。「モノ」が「ヒト」を超える知性を得たとき、「ヒト」が「モノ」を使うのか、「モノ」が「ヒト」を使うのかといったテーマと、「ヒト」と「モノ」のボーイ・ミーツ・ガールを描く。

wikipedia

「国際人工知性機構」(IAIA:The International Artificial Intelligence Agency)

「国際人工知性機構」(IAIA:The International Artificial Intelligence Agency)は、アメリカのマサチューセッツに本拠を置く国際機関です。
 IAIAは、IAIA憲章に基づいて2054年に設立されました。
 超高度AIが人類の発展のために正常に管理されて運用されていることを監視することを、その設立目的としています。
 IAIA憲章に基づき、「超高度AIと人間社会の共存に関わる条約」を締結し、締結国同士の仲立ちを行い、必要な情報収集を独自に行うことを組織目的とします。条約については、正式名称ではありませんが「IAIA条約」で通ります。正式名称で呼ばれることが一般の場ではほとんどない条約名でもあります。
 IAIAは、人間に対しては独自の捜査権や逮捕権などを持つわけではありませんが、条約締結国の警察機関にそれを要求することができます。
 また、条約締結国において、超高度AIおよび高度AIに関わる調査を行う権利と、査察を要求する権利を持っています。
 超高度AI《アストライア》を運用しており、常に超高度AIの影響を監視し続けています。

Analoghack Open Resource

グテレス国連事務総長は12日、ニューヨークの国連本部で記者会見し、急速に進化する人工知能(AI)を管理するため、国際原子力機関(IAEA)に似た国際機関を設置するべきだとの意見に「賛同する」と述べた。

アナログハック

アナログハックとは、「人間のかたちをしたもの」に人間がさまざまな感情を持ってしまう性質を利用して、人間の意識に直接ハッキング(解析・改変)を仕掛けることです。 
 人間は、人間の〝かたち〟をしたものに反応する本能を持っています。たとえば〝笑顔〟を描いた絵や映像を見ることで幸福な気持ちになることができます。あるいは、警官の絵を描いただけの看板を見て、警戒心を呼び起こされて車のスピードをゆるめたりします。
 これは脳が持つ性質から、人間の意識が無意識にそう動くものです。
 ですが、この性質は、我々の感情や意識が、〝人間のかたち〟をつくことで接触可能な、悪用のおそれがあるセキュリティホールを持っているのだとも言えます。

Analoghack Open Resource

創設者で写真共有アプリSnapchat(スナップチャット)に180万人のフォロワーを持つ人気インフルエンサーのカリン・マージョリーのツイートによれば、利用者数は5月10日までに500%増加。23歳のマージョリーは、1分当たり1ドル(約136円)を支払ってでも彼女と仮想チャットを楽しみたい1000人以上のファンから、これまでに7万1610ドル(約970万円)超の収益を得たという。

ChatGPT とは異なる Replika は、感情支援のための AI を作ることに注力している会社だ。2016年にアメリカで設立された同社は、友人や恋愛相手の役割を担う看板商品を設計しており、英語が堪能な多くの中国人ユーザが、Replika と強い愛着を築き、Douban で恋愛遍歴を共有することに心を開いている。中国語版がないにもかかわらず、Replika は2021年上半期に中国で55,000回ダウンロードされ、2020年全体のユーザ数の2倍ととなった。

行動の一般化(AASC)

 hIEの協調行動は、「世界を箱庭とみなし、その内部をhIEからのフィードバック情報で詳細計算し、異常行動を起こさないよう人形(hIE)を動かす」というかたちで、保たれています。
 hIEがそれぞれセンサの集積体であることから、このフィードバック情報を元に「巨大な頭脳」が世界の模式図をイメージして、その内部に動かすべきhIEを仮想配置しているのです。このイメージはリアルタイム更新され、その中で共通の制御方式を持ったhIEが協調行動を執り行っていることを監視しています。
 これに失敗したデータが上がってきた場合は、すぐさま「巨大な頭脳」が自ら作った制御方式を再検証し、必要があれば即座に修正パッチを開発します。
 hIEの行動はネットワーク上にあるクラウドのプログラムで制御しています。このため、常に新しく起こる問題や変化に、あらゆる機体が最速で適応できます。
 「巨大な頭脳」=超高度AI《ヒギンズ》の能力に頼る方式ですが、hIEの行動制御方式としては、これが『BEATLESS』世界での他律方式制御の最先端です。
 この仕組みは行動適応基準レベル(action adaptation standard class=AASC)と呼ばれ、これが制御言語の名前としても取り扱われています。

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人類未到産物(レッドボックス)

人類未到産物とは、人間以上の知性を持つ超高度AIがつくる、現時点の人類では理解できない超高度技術の産物です。
 現時点では理解不能ですが、研究や理論の進歩によって人類にも将来理解できるようになるとされています。
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超高度AIが設計した超高度AIには、人類未到産物であるものが存在します。

Analoghack Open Resource

AIが自身を開発する能力について述べています。OpenAIの研究者たちは、AIが自身の学習アルゴリズムを作成することが可能であると発見しました。これは、AIが自己学習し、自己改善する能力を持つことを示しています。この進歩は、人間の介入なしにAIが新たなタスクを学ぶ能力を向上させる可能性があります。しかし、この技術はまだ初期段階であり、その可能性とリスクを完全に理解するにはさらなる研究が必要です。

各国のAI開発

ビートレスの世界では、世界各国が超高度AIを開発しています。

2023年6月現在、世界各国もAI育成に投資を始める動きをしています。

AI政治家

作品中にAI政治家の実験シーンが出てきます。
2023年4月、港区議選にAIが立候補されたそうです。

アニメサイト

現在、AmazonPrimeでも全話見ることができますね。小説だけだとイメージするのが難しかったため、アニメでイメージを補完しています。

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