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HR業界が今後ChatGPTでどう変わるか?2023/4/9

はじめに

ChatGPTのAIコーチが業務支援をしてくれたり、日報に対してアドバイス・問いかけをし、新人のオンボーディング支援や、チームのマネージメント支援をしてくれる「リフレクト」を提供している、リフレクト代表の三好です。

3/17 Keisuke Hondaさんが、HR業界が今後AIでどう変わっていくか?問いかけをされました。その際私が投稿をした内容をもとに、その後実際にリリースされたサービス事例を追加しつつまとめてみました。
※各社のサービスへのリスペクトの思いを持って紹介させていただいていますが、取り上げ方など間違っている場合は個別に連絡ください。修正or削除します。


「HR業界が今後ChatGPTでどう変わるか?」についての結論を先に言ってしまうと
Level1:2023年内は、各領域でのChatGPTが導入され、業務の自動化によるコストの低下、提供速度の高速化によるリアルタイムでのサービス体験が起き、さらにパーソナライズ化による利用体験の向上が起きる
Level2:2023年以降は、エンプロイーエクスペリエンスを高めるため、各領域のデータやサービスが連携をしていく
と考えられます。
最近のAI関連の開発速度が早すぎるので、Level2も今年中になる可能性もあります。


💒採用領域

<企業視点>
面接AIや採用管理AI
により面接、採用管理の業務がが自動化されていくと考えられます。自動化により、採用担当者の工数が下がり、対応キャパシティが上がります。

リブセンス社が3/29にリリースされたbatonnは、面接動画の文字起こしと共有ができます。

ケイズドットコム社が3/22に、β版のAI面接官KZさんをリリースされています。ChatGPTを使用して開発されたKZさんは、面接のサポートを行います。

今後は、候補者別に適したコミュニケーション(ヒアリング、口説き文句)も自動化していくでしょう。
採用面接は、企業や状況によって求める人材が変わるため、正しい答えを定義するのが難しいです。そのため完全にAIに任せるのは難しいと思われます。ただし、使い方によっては面接官の手間を大幅に減らし、偏見を減らすことができます(AIのバイアス問題は別途ありますが)。大きな流れで言うと、人間は戦略・計画の設計やコミュニケーションなどに特化していくと考えられます。

<従業員視点>
求職活動支援AI
により採用活動における作業(職務履歴書作成、検索、企業とのやり取り)が自動化されます。すると、転職活動時間が短縮化され、人材の流動化も早くなるかもしれません。

ファインディ社が4/5に職歴をまとめてくれるサービスをリリースされました。

Chott.inc社は、3/22にAI職務経歴書作成サービス【RESUMY.ai】をリリースされています。

今後は、個人データ(スキル、経験)やログデータを提供するほど、適正職とのマッチング精度が向上していくといいですね。
AIが人間の代わりに実行できるスキルが増えている今日、人間が持つ独自の意志や課題発見力、質問力、データ化されていないものを認識する力、素早く学び適応する力、教養、感性、そして広い知識の重要性がますます高まっています。

Level2の領域統合段階になると、採用した時点で、育成計画作成や、配置リコメンドなどができる様になるでしょう。


🌱人材開発領域

<業務視点>
育成計画作成AI
が個人の業務データやスキルデータから、パーソナライズされた育成計画を作り、研修AIが個人別の経験や知識に応じて、研修プログラムを自動生成し、スキルチェックもしていくと考えられます。
グロービス社が、3/3に対話型学習システムをリリースされています。

また、AIについての知識も必要になってきています。アイデミー社は3/27  ChatGPTについて学ぶコースをリリースされています。プロンプトエンジニアリングについての研修サービスも増えてきています。

プロンプトアーティストのShunsuke Hayahashiさんがプロンプトを学ぶためのコミュニティを作られていたり、学習プロンプトを公開されています。

Level2の領域統合の流れとしては、スキルの可視化もリアルタイムに行われ、人材配置と連動していくでしょう。

<従業員視点>
業務において、日常的に様々なAIに問いかけをしながら、学びながら課題解決をするスタイルになるでしょう。
AIを使いこなすため、自分から課題を見つける力、自分のやるべき意志を持つことが重要になります。
会社で身につけられない知識、体験はラーニングAIで個別学習していきます。

atama plus社は、4/7に英語学習の教材がパーソナライズするサービスをリリースされています。生徒一人一人が異なった教材になるとのことです。


🧩配置領域

<企業観点>
人事データと連携した組織課題発見、提言AIが組織課題を可視化、やるべきを経営層やマネージャーにアドバイスをする様になったり、
配置補助AIが個人別のスキル、適性、性格、上司との相性や職場のリソースを分析し、最適なポジションやチームへの組成のアドバイスをする様になると考えられます。
さらに進めば、採用システム連動で外部人材データを取り組み、プロジェクトに応じた最適人材組成を行える様になるかもしれません。
また、ジョブディスクリプション自動作成補助AIが業務データから職種に必要なスキルセットを定義することもできるかもしれません。

リンクアンドモチベーション社は3/8に組織改善アドバイザーをリリースされました。こういった組織診断データを参考に配置検討することも可能かと思います。

<従業員視点>
データに基づき、従業員が自分の能力を発揮できるポジションに配置される様になれば、従業員の成長が加速し、キャリアへの納得感も高まることでしょう。
それでも配置が合わなければ、社内外のキャリア相談AIに相談し、転職支援AIで転職するという流れも出てくるでしょう。


💰評価・報酬領域

<企業視点>
社員の行動や業務データをもとに、多角的な観点から自動的に、リアルタイムに評価する「AIドリブンな評価・報酬体系」が構築できる様になります。特定の職種には、AIからの評価が評価項目に追加され、その比重が上がるかもしれません。センシティブな領域ですが、AI活用することのメリットもあるため、評価者が膨大な業務プロセスデータをもとに評価をし、実験的に行い始める企業も出てくるかと思います。(既にあるかもしれません)。

Fusic社は4/5に、360度フィードバックの評価項目をChatGPTで作成できるサービスをリリースされています。

<従業員視点>
従業員は、自分自身の成長を加速させ、自己改善を取り組みやすくするために、フィードバックの回数を増やすことが大切です。
AIはいつでも何回でもフィードバックできますので、積極的にフィードバックを利用し学び・成長し続けるマインドセットが大事になってくるでしょう。もし報酬に不満がある場合は、転職支援AIを利用して新しいタイミングを探すことができます。また、AIをうまく利用することで、報酬が向上する可能性もあります。


👩‍🦰マネジメント支援領域

<企業視点>
AIコーチやAIアシスタントが、メンバーに対してフィードバックやコーチングをし、人間のマネジメントのサポートをしてくれる様になります。AIによる業務分析やプロジェクトマネジメントの自動化もされていくでしょう。人間とAIが協力することで、マネジメントの能力を向上させることができます。そして、ビジネスに関わるデータが増加していくと、AIマネージャーやAI役員が誕生していくかもしれません。

リフレクト社が3/7にAIコーチによるオンボーディング支援サービスをリリースしています。

プロジェクトマネジメント支援AIとしては、マイクロソフト社から発表されているMicrosot365 Copilotが活用できるかと思われます。既に、GithubCopilotはリリースされていますが、今後エクセル、パワーポイント、TeamsなどにおいてもChatGPT等LLMが実装されると、プロジェクトマネジメントの生産性が改善されるでしょう。

<従業員視点>
AIに補助をされたマネージャーが従業員のニーズや問題に迅速に対応できるようになり、従業員は課題解決力が向上し、働きやすくなります。


🌐労務領域

<企業視点>
労務管理AIにより入社、退社等手続きが自動化され、労働時間や休暇の管理が効率化され、適切な労働環境を整備しやすくなります。AI導入により、個別従業員の働く時間や働き方について柔軟性が増加してくでしょう。

3/27にHR Brain社が、社内の質疑応答の自動化サービスをリリースされています。

<従業員視点>
ChatGPT等LLMの進化によって、労働市場環境が変わっていきストレスが増えると考えられます。メンタルケアのニーズが必要になり、カウンセリングAIの活用が進むでしょう。

4/7にAwarfy社がデジタル認知行動療法アプリにAIを搭載されたリリースされました。

まとめ

各領域における想定される変化と、直近リリースされているサービス事例について紹介させていただきました。

「HR業界が今後ChatGPTでどう変わるか?」
Level1:2023年内は、各領域でのChatGPTが導入され、業務の自動化によるコストの低下、提供速度の高速化によるリアルタイムでのサービス体験が起き、さらにパーソナライズ化による利用体験の向上が起きる。
Level2:2023年以降は、エンプロイーエクスペリエンスを高めるため、各領域のデータやサービスが連携をしていく。
Level3:さらに次のレベルとしては、HR以外の業務データとの連携をし、サービスが進化していくと考えられます。

最後に
リフレクトは、既に大手企業、ベンチャー企業、大学などで利用頂いています。3/27にYahoo!ニュースでも取り上げて頂きました。
新入社員、中途社員のオンボーディングでお困りの方は、下記のページよりご連絡ください。2週間無料でトライアル利用可能です。


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