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OH!へんろ。親子の88か所巡り(79番札所):金華山 天皇寺(香川県)

わたしが、子どもたちと決めた今回のお遍路ルールは一つだけ。納経所で御朱印をいただくのは子どもたちの役割ということ。ちゃんと挨拶をして、御朱印をお願いし、最後はしっかり御礼をする、です。

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今日の煩悩:

最近は本当に物忘れが酷くて、人の名前が思い出せません。

どなたが書かれていたのか忘れてしまったのですが、中東方面でテレビ撮影のロケがあって、現地で調達したスタッフと日本人スタッフが砂漠でテントを張っていたそうです。日本人のスタッフが水の入ったペットボトルにマジックで自分の名前を書いていると、突然、現地スタッフが怒り出して「そんな人間とは一緒に仕事は出来ない」と出て行ってしまったそうです。日本人スタッフはきょとんとしていたそうです。

まあ、我が家ではプリンに自分の名前を書いて冷蔵庫に入れていても、いつの間にか子どもたちに奪われていますがね。

さて、「人間が生きていくために絶対必要というもの」を「社会共通資本」といいます。ソーシャル・キャピタルとも言いますが、その復権で、最近また宇沢弘文先生が注目されているそうです。

社会共通資本は、自然環境社会的インフラ、そして社会制度等が当てはまりますね。自然はわかりやすく、空気、空、海、土とかです。社会的インフラは、道路、電気、ガス、水道、通信などです。制度は、司法、警察などの行政、教育、医療などですね。どれも、誰かの個人の所有物になってしまうと、とても困るものです。

アーノルド・シュワルツェネガーさんの「トータル・リコール」という映画では火星の空気は売買の対象でしたね、たしか。

近年は外国の有名な水会社が開発途上国の水道経営権を買収したりして、民営化を進めています。もちろん、公共のものという制限はかけるのですが、企業ですからね、利益のためには水道管のメンテナンスの費用を削減したり、不採算地域からは撤退したりということも無いわけではないでしょう。開発途上国と言いましたが、日本にもその流れは出ていますね。

生きる為に必要な「誰のものでもないもの」は大切です。「その空気は私たちのものです。吸うためには料金を払ってください」。笑い話ではなくなってきていますね。宇宙の所有権まで主張し始める時代ですから。

この世にあるすべての資源は、フェアな競争の中で得られるべきものだという考え方があります。そして、権利でも何でも数値化して分割できる状態に変え、売買の対象にします。時間、空間、過去、未来、理屈では何でもありかもしれません。

話しは戻り、お水のボトルの話です。砂漠の民にとって「お水」は命です。なので、お水を必要としている旅人がいたら、いろいろなことはとりあえず置いておいて、お水を分け合うのが伝統的な価値だそうです。その社会で、社会共通資源である水のボトルに自分の名前を書き、所有をアピールしたということが「人として信用に値しない」と評価されたわけです。

「だって、ペットボトルの水だし、自分で売店で買ったものだし」というのは、それはそれでわかりますけど、その社会の外の価値観です。

小さな島国のパラオでは土地は大変重要で先祖代々の約束があります。パラオでは、土地は自分たちが死んで必要がなくなったら「神なるもの」に原状復復帰で返さなくてはならない掟があります。なので、大きく土地を変形させたり、元に戻せないくらい開発してはならぬのです。そして、子孫たちはまだまだ土地を大事に使用する必要があります。

そういうことです。

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御詠歌:

 十楽のうき世の中をたづぬべし 天皇さえもさすらいぞする

本尊:

十一面観世音菩薩

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創建:

天平年間(729〜749)

真言:

おんまか きゃろにきゃ そわか

歴史:

当地を訪れた行基は鉱石が豊富なこの地をカナヤマビメとカナヤマヒコの御座す山として「金山」と名付けました。そしてその中腹に薬師如来を御本尊とした金山摩尼珠院を建立しました。弘仁年間に空海が訪れ、朽ち果てた金山摩尼珠院を現在の79番札所の場に移動させ、金華山妙成就寺摩尼珠院として中興したそうです。

所在地:

香川県坂出市西庄町天皇1713-2

駐車場:

あり(無料)

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