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煎り酒

偶然、煎り酒という調味料の存在を知った。
煮切り酒に鰹ぶしと梅干しを合わせたものらしい。

醤油がまだできていない江戸時代に流行った調味料らしい。

マグロの大トロが築地から届いたので、この調味料を自分でこしらえてみる気になった。

枕崎の本枯れ節があったのでこれを削りながら、更に昆布を加えたらどうなるだろうと考えている。
準備ができたので去年漬けた梅干しを探し出してきた。

酒は料理酒しかないので適当に鍋に入れて煮切っておいた。

冷ました煮切り酒に昆布を入れ、少し温め、取り出した後、鰹節と梅干しを入れた。中火で温めながら、梅から種が剥がれるのを待ち冷ました。

煎り酒は、飴色に仕上がり香りは上品な感じがする。梅の香りが微かにする。梅はもう一粒入れても良い感じだ。

早速、マグロのトロにつけて食べてみた。

これは、マグロには合わないかも。
スズキやヒラメのような白身に合う上品な味だ。

そういえば、江戸時代の人はトロは食べなかったと聞いたが、理由が理解できた。
この調味料「煎り酒」は本当に繊細で、食品の味を引き立たせてくれる。
マグロの生臭さが強調されてしまうのだ。

マグロは醤油に限る。妻は残った刺身を『漬け』にしながら、そっと「煎り酒」も追加している。彼女も食いしん坊に違いない。

食べ物の味覚を楽しむことができる日本人に生まれて本当に良かったと感謝している。

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