【国外犯の規定】指定暴力団神戸山口組系組幹部の1千万円恐喝容疑

神戸山口組系組幹部がマレーシアのクアラルンプールで1000万円を恐喝した事件で、刑法3条国外犯の規定が適用された。

刑法3条国外犯の規定とは、日本国外で発生した犯罪で、日本国民に適用するものである。すべて犯罪が適用されるわけではなく、以下の犯罪が適用される。

第3条
この法律は、日本国外において次に掲げる罪を犯した日本国民に適用する。
第108条(現住建造物等放火)及び第109条第1項(非現住建造物等放火)の罪、これらの規定の例により処断すべき罪並びにこれらの罪の未遂罪
第119条(現住建造物等浸害)の罪
第159条から第161条まで(私文書偽造等、虚偽診断書等作成、偽造私文書等行使)及び前条第五号に規定する電磁的記録以外の電磁的記録に係る第161条の2の罪
第167条(私印偽造及び不正使用等)の罪及び同条第2項の罪の未遂罪
第176条から第181条まで(強制わいせつ、強制性交等、準強制わいせつ及び準強制性交等、監護者わいせつ及び監護者性交等、未遂罪、強制わいせつ等致死傷)及び第184条(重婚)の罪
第198条(贈賄)の罪
第199条(殺人)の罪及びその未遂罪
第204条(傷害)及び第205条(傷害致死)の罪
第214条から第216条まで(業務上堕胎及び同致死傷、不同意堕胎、不同意堕胎致死傷)の罪
第218条(保護責任者遺棄等)の罪及び同条の罪に係る第219条(遺棄等致死傷)の罪
第220条(逮捕及び監禁)及び第221条(逮捕等致死傷)の罪
第224条から第228条まで(未成年者略取及び誘拐、営利目的等略取及び誘拐、身の代金目的略取等、所在国外移送目的略取及び誘拐、人身売買、被略取者等所在国外移送、被略取者引渡し等、未遂罪)の罪
第230条(名誉毀き損)の罪
第235条から第236条まで(窃盗、不動産侵奪、強盗)、第238条から第240条まで(事後強盗、昏酔強盗、強盗致死傷)、第241条第1項及び第3項(強盗・強制性交等及び同致死)並びに第243条(未遂罪)の罪
第246条から第250条まで(詐欺、電子計算機使用詐欺、背任、準詐欺、恐喝、未遂罪)の罪
第253条(業務上横領)の罪
第256条第2項(盗品譲受け等)の罪

これにより、日本人の凶悪犯罪は海外でも適用され、日本の法律で裁くことが理論上は可能だが、現地への捜査依頼が必要など簡単ではない。

恐らくだが、容疑者は国外犯の規定については知らなかった可能性がある。ただし、国外犯の規定は日本の警察の捜査が及ばないことから、難しい面もある。

今回、逮捕まで可能だったポイントを挙げてみる

購入した容疑者から組員幹部に依頼された
1000万円の銀行振り込みがあった
防犯カメラの映像があった

これらの証拠を元に逮捕が可能になったと考えられる。警視庁からはマレーシアへの捜査協力もあったと想定している。

私の経験上、国外犯の規定は、相手が暴力団関係者だと、警察も協力的だと感じている。

国外犯で逮捕例は他にも以下の事件がある。


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