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サッカーと、時間を刻む。(2024.7.10 天皇杯 藤枝MYFCvs鹿島アントラーズ)


1.痛恨のルヴァン杯敗退と意外な形でJ1とホームで対戦

藤枝総合サッカー場(藤枝MYFCホームスタジアム)にJ1がやって来る。
およそ5ヶ月前に今年からレギュレーションの変わったルヴァン杯の組み合わせを見て、
藤枝MYFC(以後、藤枝)が一回戦のFC琉球(J3)に勝てばJ1のガンバ大阪(以後、G大阪)との試合をホームで出来るとわかり、
妻の影響でG大阪の試合を比較的見ていた私はあの大迫力応援が藤枝総合に来ると勝手に盛り上がっていた。
結果、藤枝は下位カテゴリーの琉球に敗れ藤枝総合にG大阪を迎える夢は潰えた。
その後、琉球がG大阪を破りそのあとさらにホームでセレッソ大阪を迎えて試合を出来たことを考えると逃した魚は大きかった。


藤枝が琉球に敗れて4ヶ月、意外な形でJ1チームと藤枝総合で戦えることになった。
J2が参戦する二回戦の栃木SCを破りJ1の鹿島アントラーズ(以後、鹿島)と対戦することになった。
ただ、この対戦が決まった直後は過去の通例から上位カテゴリーのホームグランドで試合をすると思っていたので、
まさかの藤枝vs鹿島戦が藤枝総合で行われることが決まった時には飛んで喜んでしまった。

2.管轄が変わりいつもと違う雰囲気の藤枝総合サッカー場

そして試合当日。
仕事終わりで行ったので藤枝総合サッカー場に着いたのは18時過ぎ。

天空の城 藤枝総合サッカー場

スタジアムに到着しスタジアムが見えた頃には藤枝サポーターのいつもより気合の入ったチャントが聴こえてくる。
藤枝サポーターの体質上、J1チームをリスペクトしてはいると思うがそれでも食ってやる!という気概を感じる応援の声と拍手。

とりあえず軽く夕飯を買おうと思ったがいつもスタジアムグルメ(通称スタグル)を売っている広場に人っこ一人いない。

スタグルで普段は人で溢れる広場に誰もいない
普段の広場、人とお店で賑わう。


そういえばここに来る前に天皇杯を勝ち上がってるとあるチームの関係者と会った時に、
「天皇杯当日の準備がある中、アポ取ってしまってすみません。」
と言ったところ、
「天皇杯は管轄違うから我々やることなくて、
普通の観客として観に行きます。」
と返されたのを思い出した。
管轄が違うとここまで違うのかと夕飯を諦め持って来たバナナでお腹を満たした。

3.スタジアム内へ、鹿島のいつものチャントが響く

スタジアムに到着するとちょうどフィールドプレーヤーがウォーミングアップに出て来るところであった。
遠方平日アウェイにも関わらず多くのサポーターが気合の入ったチャントを歌う。

遠方平日アウェイにも関わらず多くの鹿島サポーター


電光掲示板に映る藤枝と鹿島の並びに感動する。

鹿島vs藤枝


キックオフが近づくに連れ鹿島サポーターがお馴染みのチャントを歌う。

相手チームの名前のところ語呂が難しいけどどうするのかな?と思ったら
「藤枝FC(ぶっとばせ〜)」
にしていました。


そのあともお馴染みの「ロール」「ロール3」を藤枝総合で聴けただけで感動、
本当に鹿島が藤枝総合に来たんだと実感する。


4.鹿島相手に藤枝が堂々の戦い


盛り上がりも最高潮になり試合開始。

試合は藤枝が鹿島に対して堂々と自分たちのサッカーを展開して鹿島相手に攻め込む。
藤枝FW中川風希が二度左足でのシュートチャンスを迎えるがミートし切れずこの日初先発の鹿島GK山田がキャッチ。
対する鹿島も奪ったボールを異次元の速さで繋ぎシュートチャンスを迎える。
両チーム同等にチャンスを作り出す中、24分に藤枝が連続攻撃からPKを奪取しアンデルソンが決めて先制。

PKの判定に抗議する鹿島の選手


その後も藤枝が堂々と戦い前半を1-0で折り返す。

電光掲示板に刻まれる【鹿島0-1藤枝】の文字

5.本気の鹿島とがっぷり四つ

後半から鹿島は、鈴木優磨、安西、名古。
後半途中から師岡とGK早川を除きリーグ戦の先発を飾る事の多いベストメンバーに切り替え。

鹿島サポーターも「行け!」というメッセージを込めて長いロールを歌う。


鈴木優磨を中心に攻撃を組み立て70分にビルドアップのミスを誘い最後はチャブリッチが同点ゴール。
それでも藤枝は下を向かずに再度点を獲りに攻撃に移る。
中川風希の抜け出しからのループ気味のシュート、フリーキックは可能性を感じるものだった。
対する鹿島も鈴木優磨からの絶妙のスルーパスを名古が抜け出しGKと一対一になるも藤枝GK内山が止めて逆転を許さない。

このあたりから前が見えないほどの大雨が降り始める。

屋根のあるバックスタンドで観ていたが時折吹く強風で雨がかかりびしょ濡れになる程。
選手たちも前見にくいだろうなと思いながらもこの大雨で鹿島の選手のボール扱いのコントロールの上手さが露呈する。
そして89分、鹿島がコーナーキックのこぼれ球を船橋がダイレクトでシュートしそのボールを仲間がテクニカルに合わせて勝ち越し。
6分あったロスタイムに藤枝FW矢村がチャンスを迎えるも決められずこのまま鹿島が2-1で藤枝を下した。


6.蹴球都市、サッカーと時間を刻む。


藤枝にもチャンスはあった。
ただ、ワンプレーの精度、スピード、判断は鹿島が上だった。
この差は急には埋まらないがこの差を体感した事で変わることはある。
藤枝というサッカー都市はこれまで藤枝東高校、藤枝明誠高校、藤枝順心高校とどちらかといえば高校サッカーが中心であった。
それがここ数年、藤枝MYFCも話題になる事が増えホスピタリティの高さから多くのファンを抱えるようになった。

鹿島サポーターもだが多くの藤枝サポーターもこの豪雨の中、ずぶ濡れになりながらも応援し一緒に一喜一憂してくれるようになった。
サッカーと時間を刻み、新しい時代を迎えるであろう藤枝の今後が楽しみになる試合だった。

ずぶ濡れになりながらも勝った鹿島イレブンを讃える
鹿島サポーター


おじゃ

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