見出し画像

満身創痍から見出した活路

2023年10月21日14:00
横浜Fマリノスvsコンサドーレ札幌


Jリーグシーズンが始まる前に行われるチーム編成。
各チームの思惑やフォーメーション、思想、監督の哲学に基づき、
限られた登録枠の中で各ポジションの人数をある程度割り振りその年のチームを編成する。

今年のマリノスも例年通り、ほぼ全てのポジションに2〜3人ずつ選手を置きポジションを競わせる。
今年も昨年に続きハイレベルなポジション争いを制したメンバーがレギュラーを掴み、
それはシーズン中も継続して高いレベルでの競争が続くハズだった。
何の因果か今年は例年以上に怪我人が相次ぎ更に数ヶ月単位の重傷を負う選手も少なくなかった。

久しぶりの日産スタジアムでのデイゲーム

この札幌戦の前には復帰したばかりのCB(センターバック)角田選手が顎の大怪我をして再び離脱。
2枠あるCBの枠の5人のうち4人が怪我で離脱している状況。
この日のCB2枠には本職の實藤選手と本来MFの喜田選手がCBに入った。
喜田選手は過去にもCBの経験があるものの本職ではなく攻撃に特色のある札幌相手に前半は攻撃に晒され続けた。

それでも1発のカウンターから宮市選手のゴールが決まり前半は1-0で折り返す。


後半は慣れないポジションで出場していた選手が試合感に慣れて来たのか躍動。
マリノスに入って初のリーグ戦先発に入った植中選手が何度もチャンスに絡み札幌ゴールを脅かす。
札幌も後半は更にギアを上げてチャンスを作るもマリノスGK一森選手が神がかった好セーブを見せて試合は終盤へ。

79分に3ヶ月ぶりの出場となる杉本健勇選手が交代出場すると試合は一気に動く。
84分にヤンマテウス選手のクロスを杉本選手が合わせて追加点。
さらに90分にはこの日は途中出場のエウベル選手が独走しダメ押し。
93分に札幌田中選手が決めて一点返すも96分に杉本選手が起点となりエウベル選手のラストパスを植中選手が決めて4-1で勝利。

攻撃サッカーを掲げるマリノスが7月2日湘南戦以来の4得点で勝ち点4差で追う優勝戦線に留まった。


この日のマリノスの布陣は文字通り「満身創痍」。
CBがその顕著な例ではあったがそれ以外のポジションでも多くの欠場者がいて、
調子を落として先発落ちをしたメンバーもいた。
それでもここまでそれほど出番のなかった杉本健勇選手、植中選手が結果を残し、
不安だらけの守備陣も札幌の強烈な攻撃陣を最後の一点に抑えた。

チーム編成の思惑が外れた満身創痍シーズンにはなったが、
結果的に高いレベルでの競争の中で得られた層の厚さとポジションの柔軟性が今年のマリノスにはある。
停滞したチームを救った救世主が出て来たことによりシーズン最終盤に望みを繋いだ。
残り4試合、逆転優勝のためには勝利を続けることが必須となったが、
それを可能に出来るであろうメンバーと舞台は整った。


OJA

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?