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『Metro: Exodus』の名銃「ティハール」がホラーゲームの常識を変えた話

 皆さんはホラーゲームをプレイするだろうか?

 ホラーゲームは主人公が脅威から逃げる、或いはギリギリの所で対抗するというデザイン故に、走れない、すぐ死ぬ、弾薬が少ないなど、主人公が他のゲームよりも虚弱に設定されがちだ。まぁ、せまりくる異形や亡霊をロケットランチャーでぶっ飛ばしてはホラーもへったくれもないので、当然の仕様だろう。

 ところがこのホラーゲームのデザインには、ある欠点がある。それは戦闘がつまらないという点だ。これも当たり前の話だが、主人公側を虚弱にする、或いは敵側を圧倒的に強くすると、戦闘で連戦連勝といかなくなる。

 この、「ホラーゲームとして戦闘は避けて欲しい」が、それでも「戦闘」というビデオゲームにおいて最も普遍的なファクターを抜くわけにいかず、結果的につまらない退屈な戦闘を延々と楽しむことになるのは、ホラーゲームのちょっとしたジレンマだ。

 そのため、古来より様々なゲームでこの「戦闘を楽しませたいけど、同時にプレイヤー側のパワーを落としたい」ジレンマを解決する手法が模索されてきた。それは大体、以下のアプローチにまとめられると思う。


1:初期銃がめっちゃ強いパターン 例:『Dead Space』、『MGS』(ホラーではないが)等

 ……正面から戦闘を避けて欲しい場合、一番よくあるのが初期銃だけは強いというパターンだ。初期に拾える銃は当然火力が控えめな一方、弾薬は拾いやすいと初心者にも慣れ親しんでもらいやすい。一方、初期銃が強すぎて「初期銃さえあれば全クリできる」となり、せっかく用意した他の銃がほとんど使われないというパターンにありがち。


2:近接武器がめっちゃ強いパターン 例:『バイオハザード』、『The Last of Us』等

 最近の特に海外製ステルスゲームにありがちな仕様。銃は弱いけど、近接武器が強いよというパターン。1のパターンと比べて、射程が短いという欠点があり「全部これ一本でいける」とはなりにくいものの、「弾薬が不要」というメリットを合理的に解釈すると、「他の銃は弾薬を使うからもったいない」となり、やはり他の武器が陳腐化する。


3:うるせえ、もう好きな武器使えよパターン 例:『Alan Wake』、『F.E.A.R.』等

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