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『デモンズソウル』を思い出す

『デモンズソウル』は筆者にとっても、そして多くのソウルファン・フロムファンにとっても「神ゲー」として記憶されている。今や押しも押されもせぬ、日本を代表する『ソウル』シリーズその原初がこの『デモンズソウル』だからだ。

PS3を買って間もない頃、どのゲームも映像美ばかりで内容はピンと来ないぞというゲーマーに、このゲームはぶっ刺さった。特に発売当初の2009年のオタクたちは、暇さえあれば「ニコニコ動画」を見ていたので、そこで有志たちによって頻繁に「デモンズ動画」が投稿された影響も大きいだろう。

では思い出の中にある『デモンズソウル』は今遊んでも本当に神ゲーなのか、それとも単に懐古しているだけのマイナーゲーなのか。PS5ローンチタイトルとして起動した『デモンズソウル』を通じて、我々の思い出はどこまであてになるのか考えてみよう。



デモンズソウルの特徴①:ソウル傾向

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『デモンズソウル』の魅力=古き良きフロムの変てこさ、みたいなところがある。その際たるものがソウル傾向だ。これは5つの各エリアで設定されたパラメータで、プレイヤーが生身状態で死ぬ等すると黒くなり、逆にボスを倒すなどすると白くなる。基本的に白いほど難易度が下がるが、黒ければアイテムが手に入ったり悪いことだらけでもない。

今ではすっかり「ちょっと硬派なゲームを作る会社」として有名なフロムソフトウェアだが、『デモンズソウル』前のフロムといえば「まともに動かすだけでもキツいロボットゲーム」とか「アメリカ大統領が何故か人型ロボットに乗り込むゲーム」とか、ひたすら変なゲームを量産する企業というのがゲーマーでの専らの評判だった。

ソウル傾向はその最たるものだ。このゲームは死にゲーである。にも関わらず、死ぬと敵が増えて難易度が上がるもちろんもっと死ぬ。一体何がしたいのかよくわからない。難しい、ではなく理不尽でしかない。

特にソウル傾向が「最黒」になった場合、各地に強力無比なモブが現れるのだが、その中でも印象深いのが「嵐1」に登場する「サツキ」だ。彼はスポーン地点から数メートル先に陣取り、圧倒的な火力で瞬殺してくる。しかも体力を全回復するアイテムを平然と使い、一度倒した後は復活した瞬間から攻撃を仕掛けてくる(いわゆるリス狩り)を平然と行ってくる。

このソウル傾向は、良くも悪くも当時のフロムらしい「変なゲーム」さを強調する要素で、今遊ぶと新鮮味があるだろう。


デモンズソウルの特徴②:マラソン

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