日記

 いらない子になった。世間からいらない子になった。

 良い子でいたかった過去が私にもある。私は、すでに十代のころに失格を言い渡されていたので、半分諦めていたのではあったけれども、挽回の機会があるなら、それを生かそうと思って居た。しかし、私は結局いらない子になったらしい。

 何からいらない子とされたかと言うと、世間一般の常識的な人間からいらない子とされたようだ。彼らは冷酷で判断力に優れ、一般的じゃない人間を排除する能力に長けている。すぐに感知し、一般的じゃない人をじわじわ追い詰め、じわじわと排除していく。そういう風に私の目には映っていた。それが私が社会に出て、得て、感じることができた唯一の成果としていいだろう。

 そのほかには成果というか、苦渋をいただいた。自分の病のこともあるし、自分の招いた結果から休職ということになったのだけれども、明日がすごく不安である。

 明日、出社しろと言われたらどうしよう。

 明日、働けといわれたらどうしよう。

 そればかり考えてしまうので、気を紛らわすために音楽を聞き、人と話し、詩を書き、日記を書いている。未だに寝付けずこの日記を書いているのも、明日の不安があるからであろう。

 寝付ける明日がある人たちへ。

 連続した今日の続きを過ごす人たちへ。

 私の明日はもう連続しない今日である。絶ち切ったつながりを惜しいとは少しも思わない。いくらでも起きていていい。明日さえ乗り越えれば、もうこれからの連続する明日を不安に思うこともないだろう。

 おやすみ、世界。

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