ぼくはこどもの頃、下校時に空ばかり見ていた。
田舎の平野で育ったぼくは、その空を天蓋のプラネタリウムのようだと思った。まわり360度、どこを見ても空が見える。雲がゆっくりと流れていく。西に沈む夕焼けを眺めながら一人佇んでいた。
その時間だけがぼくはホッとできる時間だった。あとはなんやかんや煩わしいこともあり、息を抜く時もあまりなかった。
それもあの曲を知ってからはあまり空を見なくなった。それがこの曲。
この曲を聴くと、涙が出そうになるからだ。こどもながらに泣くのは御免だ、と思った。これほど惨めなことはない。
だから空をゆっくり眺めることもなくなった。
*
大人になって、ある曲を知り、また空を眺めるようになった。それがこの曲。
キンクス「ビッグスカイ」
この曲はキンクスの名盤「ビレッジグリーンプリザベイションソサイエティ」の中の一曲で、空についてこう歌っている。
この曲に出会い、子供の頃、空ばかり見ていたことを思い出した。
未来は輝いているなんて想像もできなかったぼくは、学校の帰り道、ひとりとぼとぼとあるきながら、時に立ち止まり、大きすぎる空を飽かず眺めていたんだ。
*
出雲神話に登場する英雄スサノオは高天原に居場所がなかったのかもしれない。母に会いたくて、毎日のように泣き暮らしたという。スサノオもこの大きすぎる空を飽かず眺めていたのだろうか。
そう思うと、なんだかスサノオにも親近感がわいてくる
スサノオは須佐神社で静かに眠っている。もう泣き暮らすこともないだろう。お疲れさま、スサノオ。
ゴゴゴゴゴッ
でたな、ヒトコトヌシ!
*
今回も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
よかったら須佐神社にもいらしてください。
スサノオも髭を長くしてお待ちしていますよ ♪
ゴゴゴゴゴッ
(また、スサノオ様?)
こちらでは出雲神話から青銅器の使い方を考えています。
よかったらご覧ください ↓ ↓ ↓