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空ばかり見ていた

ぼくはこどもの頃、下校時に空ばかり見ていた。

田舎の平野で育ったぼくは、その空を天蓋のプラネタリウムのようだと思った。まわり360度、どこを見ても空が見える。雲がゆっくりと流れていく。西に沈む夕焼けを眺めながら一人佇んでいた。

その時間だけがぼくはホッとできる時間だった。あとはなんやかんや煩わしいこともあり、息を抜く時もあまりなかった。

それもあの曲を知ってからはあまり空を見なくなった。それがこの曲。

この曲を聴くと、涙が出そうになるからだ。こどもながらに泣くのは御免だ、と思った。これほど惨めなことはない。

だから空をゆっくり眺めることもなくなった。



大人になって、ある曲を知り、また空を眺めるようになった。それがこの曲。

キンクス「ビッグスカイ」

この曲はキンクスの名盤「ビレッジグリーンプリザベイションソサイエティ」の中の一曲で、空についてこう歌っている。

 僕らが大きな空を見上げると大きな空も僕らを見降ろすよ
 僕らがそこいら中で押し合いへしあいしてるのを見降ろすよ
 大きな空は泣いてる子供を見ると悲しくなるんだ
 だけど大きな空はとても大きいからそんなことでは落ち込まないよ

 大空は泣くには大きすぎるんだ
 大空の居場所は高すぎて
 君や僕のことなんか見えないんだ

 いつか僕らは自由になる
 気に病むことなんてないさ 分かるだろう?
 その日が来るまでへこまずにゆこうよ

 世の中が僕の手に負えないと感じたら
 僕は大空を思うんだ
 そうすれば何の心配もなくなるからね

 大きな空は厄介事を抱える人たちを見降ろすよ
 意気消沈して頭を抱えて泣いてる人たちのことをさ
 彼らは手を突きあげて大きな空を仰ぎ見るけど
 大きな空はとても大きいから同情なんかしないんだ

 やりたいことをするには
 大空は忙し過ぎるんだ
 心の中では残念だと思ってるけど
 大空は泣くには大きすぎるんだ

 いつか僕らは自由になる
 気に病むことなんてないさ 分かるだろう?
 その日が来るまでへこまずにゆこうよ

 世の中が僕の手に負えないと感じたら
 僕は大空を思うんだ
 そうすれば何の心配もなくなるからね

この曲に出会い、子供の頃、空ばかり見ていたことを思い出した。

未来は輝いているなんて想像もできなかったぼくは、学校の帰り道、ひとりとぼとぼとあるきながら、時に立ち止まり、大きすぎる空を飽かず眺めていたんだ。



出雲神話に登場する英雄スサノオは高天原に居場所がなかったのかもしれない。母に会いたくて、毎日のように泣き暮らしたという。スサノオもこの大きすぎる空を飽かず眺めていたのだろうか。

そう思うと、なんだかスサノオにも親近感がわいてくる


スサノオは須佐神社で静かに眠っている。もう泣き暮らすこともないだろう。お疲れさま、スサノオ。



ゴゴゴゴゴッ


でたな、ヒトコトヌシ!

ワシはスサノオじゃ!
ぼく:えーーーーーーっ!
スサノオ: お前、適当にワシが空ばかり見ていたなんて書きやがって、わしはお前と違うわ!
ぼく:すいませーーーん(平身低頭)
スサノオ: それからいつもいつもワシが泣き虫だったことをほりかえすんじゃない!!
ぼく:はい、すいませんでしたっ(平身低頭2)
スサノオ: それと大国主命のことなんか書かずに、もっとワシの英雄伝説を書きなさい!!
ぼく: (なんだかんだいって大国主命のこと、気にしてたのね) 


今回も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。  

よかったら須佐神社にもいらしてください。

スサノオも髭を長くしてお待ちしていますよ ♪



ゴゴゴゴゴッ

(また、スサノオ様?)

ヒトコトヌシ: ワシじゃ、ヒトコトヌシじゃ
ぼく: もう、やめてくださいよ。スサノオ様だすなんて反則ですよ
ヒトコトヌシ: (小声で)しかたないのじゃ、スサノオ様はでしゃばりでのう・・
ぼく: ヒトコトヌシさんもスサノオ様の前ではおとなしいですね
ヒトコトヌシ: うるさい! 今回も一言だけ言わせていただく!
ぼく: はい?
ヒトコトヌシ: お前、今日のサッカーブラジル戦が見たいから、早く書いただろ
ぼく:ドキッ・・・・


こちらでは出雲神話から青銅器の使い方を考えています。

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