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出雲神話小説「骨の消滅」

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ぼく(中山圭吾)、20歳。2浪してなんとか入った鳥取の大学生活の中で知り合った友人と出雲神話の旅に出る。そこで知ることになる出雲神話の真実とは? そしてその後に待ち受ける二人の運… もっと読む
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【小説】 骨の消滅 ー神話の中の哀しみー

プロローグ 「圭ちゃん、本当に大切なものは目に見えないんだよ」 あれはいつ頃のことだ…

「骨の消滅」 第一章 出会い 

ぼくは中山圭吾。この春、二浪の末、鳥取のTK大学に入学した。 TK大学は故郷の新潟から…

「骨の消滅」 第二章 神話への旅路 

早いもので、もう近所の桜は散ってしまい、周りの山々も新緑が目立ち始めた。 最初の頃は慣れ…

「骨の消滅」 第三章 あくびをするような蒼い洞窟

ぼくらは大山が見えてきたあたりで、いったん休憩を入れた。 休憩に立ち寄った「道の駅・大山…

「骨の消滅」 第四章 ぼくは神話探偵

「もしも」ということばは歴史では禁句だが、もし神庭荒神谷遺跡の発見がなかったとしたら、出…

「骨の消滅」 第五章 神殿への鎮魂歌

早朝、夜が明ける少し前に小野さんはシジミ漁にでていった。そして翔子さんは朝食の用意をして…

「骨の消滅」 エピローグ 【手紙】

俊太へ あれから4年の歳月が過ぎた。 順当にいけば、君は高校生になっているころだね。今も出雲神話の真実を追求しているのだろうか。 今まで、ずっと連絡を取らなかったのは、ほんとうに悪かったと思っている。君に出雲さんのことを、どう知らせていいのか迷っていたからだ。 新聞やテレビのニュースで騒ぎになっていたから、君も知っているかもしれないが、君たちと別れてすぐに出雲さんが謎の失踪を遂げた。警察や刑事が大勢来て、大学や自宅、その周辺になんども足を運んだが、結局、何の手掛かりも