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「常識」ってなんだろう。「正しい」ってなんだろう。

【読書録】哲学的な何か,あと化学とか

世界の見え方が変わる。こう言うと少し大げさだけど、そんな本。

学者でもなんでもなく、普通に暮らしている人からすると、「哲学」も「科学」も、なんだかとっつきにくいもの。
この本は、難しい数式も専門用語もいっさい出てこず、科学や哲学の面白さを伝えてくれます。

トピックスとして下のようなものがあるんです。

・物体が光の速さに近づくほど、時間の流れが遅くなり、長さが縮む
・光は波であり、粒子である
・人間が観測することで物質の状態は決まる
・すべての物質は『あらゆる可能性が重なった波のような存在』である
・昨日の自分と今日の自分ははたして「同じ自分」なのか
・右半身と左半身に分かれたとしたら、どちらが「本当の自分」なのか

ん~~~???ありえないでしょ、なんでそうなるのー!?と頭がこんがらがる部分もあるけれど、先人達が、その謎や矛盾についてどう考え、何を正しいとしてきたか道筋的なところを示してくれているから、面白い。自分の中の「常識」が大きく揺さぶられます。

「正しいとは、何か」。これがこの本の大きいテーマ。
科学も、哲学も、「正しいもの」を追い求める人間のツールなんだということがよくわかりました。
それで出た結論が、「正しい」を証明することなど出来ないという衝撃。

今の科学の役割は、実験結果となるべくぴったり合う、ツジツマのあった理論体系(数式)を提供すること、らしいのです。

一般に「科学」と言えば、「明らかに正しいもの」「間違っていないと確認されたもの」というイメージを持ちがちであるが、実はそうではない。面白いことに、「科学」であることの条件とは、「間違っていると指摘されるリスクを背負っているかどうか」なのである
つまり、科学理論とは、
「うるせぇんだよ!とにかくこれは絶対に正しいんだよ!」
という人間の<決断>によって成り立っており、そのような思い込みによってしか成り立たないのだ。
そして、それは、すべての理論体系(哲学、倫理、宗教)について、当てはまることである。

なんと、高校までで習っていた科学は「古典科学」といって、とっくの昔に反証されていて、正しい理論じゃないらしい。
読んでるときの頭の中、「?」「!?」「……!???」っていう感じ。今までの常識がガラガラくずれていくのは、快感でもありました。

そして、アインシュタインとか、世界の偉人は常識というものにとらわれず、自分で世界の見方を変えていったんだよなぁと思うと、やっぱりすごいと思ったり。

「正しいとはどういうことか」「物質とはなにか」「自分とはなにか」

こんなことを自分なりに真剣に考えることは、面白いです。


#読書メモ #読書録

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