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セルバン白雲館でゲーム会

 友人の田中桂がデザインし、販売しているTRPG、「カナンRPG」を、「デザイナーの田中桂によるマスタリングで、長野県にあるセルバン白雲館さんに宿泊して夜通しプレイしよう!」という趣旨のイベントに参加した。
 イベントは14日~15日で、須坂駅まで宿の方が迎えに来てくださるとのことだったので、私は高速バスで前日の13日に出発し、長野に前泊しておくほうが当日が楽だろうと考えた。で、松本まで高速バスで行き、昼間は松本で過ごしてから電車で長野へ行って、快活クラブに泊まる――という計画を立てた。


【13日】
 バスがやや遅れて、14:30すぎに松本に到着。
 前々から松本市美術館で企画展の「山田貴の世界」を見るつもりでいたのだが、たまたま前日見た『タクシー運転手さん美味しい店に連れて行って』という番組で、たまたま松本の変わった蕎麦屋さんが取り上げられてて、「ぜひ行こう!」という気になってしまったので、まずはそっちから……と。
 駅の西側、徒歩20分くらいかかるところにあって、往復とも歩くと美術館が閉館してしまう可能性が高い。といってバスも遠回りで結局半分くらいは歩くみたいなので、諦めて往きは駅の裏(綺麗になっててびっくり!)からタクシーに乗った。
 「近くですみませんが、野麦路というお店に行ってもらいたいんですが……」と聞くと「ああ、あそこは美味いよね」とタクシー運転手さん。おお、番組みたいだ。
 で、昨日、こちらの駅の運転手さんがテレビに出て紹介していたのだ――という話をしてみたが、運転手さんは番組を知らないみたい。
 野麦路は、自動車の販売店の一階に隠れ家のようにあるお店。この道、通らなくもなかった道だが、まったく知らなかった。

どう見てもスズキのお店
入り口は裏にある


 で、昨日の今日だから、てっきりお店は大混雑かと覚悟していたのだが……。
 テレビ東京の放送だからか、翌日に松本まで来る人はいなかったようで、昼飯時も終わっていたので店は空いていた(通し営業なので助かった!)。
 ていうか、客は私一人。
 テレビで見た「とうじそば」を注文。奈川村のそばの食べ方らしい。また、細くてしっかりしてつるつる食べられる感じの独特の蕎麦なのも奈川村のそばの特徴らしい。
 小さくまとめられた蕎麦が並んで乗っているザルと、汁と具が煮立っている鍋と、お椀が来て、蕎麦を小さなザルに入れて汁の中でシャブシャブする。で、お椀にとって、汁や具もお玉で入れて、食べる。

しゃぶしゃぶして……
上げる!


 なんかもう、感動するくらい美味かった。蕎麦の独特さといい、汁との取り合いといい。最高だ。しかもそんなに高くないし。
 止まらなくてガンガン食べてしまう。そして、テレビの運転手さんがやっていたようにおじやにするには、メニューになにも書いてなかったので聞いてみると、ごはんと卵を別に頼むとわかった(メニューにはない。250円)。
 ただ、ごはんが大量に来たので半分にしておけばよかった。それでも美味くて、食べちゃったけど。

入り口を入ると潜戸があるので注意。


 で、腹ごなしに駅まで歩き、美術館までのバスを探したが、ちょうど出たところだったので、歩いたほうが早いとわかり、駅を通り越して今度は東へと向かう。駅前の大通りを15分ほど歩き、ぎりぎり16:30に美術館に到着。
 「山崎貴の世界」は、主に撮影に使われた模型が展示されていた。私は山崎監督の作品を、だいたい半分くらい見ていることがわかった。要するに、べつに見なくても良さそうなものは観てないってことだな。たぶん。


 今度のゴジラがどうなるか不安ではあるが、観には行くつもりだ。
 で、行きに見かけていた大通り沿いの銭湯「菊の湯」で、ひと風呂浴びていくことにする。荷物は駅のロッカーに入れてしまって手ぶらなので、レンタルのタオルセットを借りたが、意外と安かった。ボディーソープやシャンプーのセットは小さな袋に一回分が入っていて、これ自体もレンタルなので安かったのだろう。二階に休憩室があったりして、なかなか良い銭湯であった。


 その後、「珈琲美学アベ」も試してみたかつたが、とっくに閉店(16:30かよ早っ)。
 しかたなく、電車で長野へと向かう。考えてみると、県内の二つの大きな都市を結ぶ路線が、けっこうローカルな感じなのは不思議だなあ。どちらも東京との結びつきが別ルートで存在しているからなのかも。
 長野駅で、「ふらっと立ち食いそば」という番組でドランク塚地が食べていた立ち食い蕎麦屋さんに行こうと思ったが、もう閉まっていた。
 改札を出たところにある立ち食い(ここは前の場所にあった長野オリンピックのときに食べたことある)も、ぎりぎりで閉店。残念。
 で、しかたなく駅前のスターバックスに腰を落ち着けて夕食をどこにするか検討。地元の友人に薦められた信州味噌の味噌ラーメン屋さんが少し待ちそうだったので、同じく信州味噌ラーメンの店、「佐蔵」で肉味噌ラーメンを食べてみた。佐蔵の松本店で「せっかくグルメ」の日村がやたら美味そうに食べていたので。
 実際、かなりマイルドな味噌ラーメンで大変美味かった。
 その後、長野電鉄でひと駅だけ移動し、近くの快活クラブへと向かう。
 歩いても行ける距離なんだけど、明日、須坂まで乗る路線なので下見しておきたかったのだ。長野に地下鉄があるとは知らなかった。
 快活クラブは、出発前に23時からの鍵付き個室を予約していた(9時間パックで2400円くらい)ので、それまではオープンシートで二時間ほど過ごしてから、鍵付き個室へ。フラットタイプだと十分に寝られる部屋だ。

土間はすごい狭い
寝るには十分な広さ


 初めて利用したが、初めに「店で注文した食べ物やドリンクバーの飲みものは部屋に持ち込めず、買ってきたものは持ち込んで良い」という謎のルールを説明される。何か、営業上の法律関係のしばりだろうか? よくわからない。
 近くにデイリーストアがあって助かった。
 部屋の広さは問題ないんだけど、空調が暑すぎていまいち眠れなかった。
 しかし、これは便利だ。


【14日】
 翌朝、八時にはチェックアウト。
 須坂で13時の待ち合わせなので時間がありすぎる。
 とりあえず、ゆるゆると長野駅まで歩く。
 朝が早くてチェーンじゃない喫茶店はまだ開店していない。結局、昨日と同じ駅前のスターバックスに入って、しばらく待機。
 朝食は、昨日閉まっていた「ふらっと立ち食いそば」に出ていたホームの駅そばを食べに行った。「鉄道の日だから、お客が朝から多くて~」なんて店のおばさんが言っていた。なるほど。確かにカメラを手にした人を見かける。


 そうそう。鉄道の日と気づいたのも12日のことで、この期間はバスより鉄道のほうが安かったのだ。乗り放題だし。失敗したよなあ。18切符の時期ではないから油断していたんだよなあ。
 と、思いつつ駅構内に戻ったら、鉄道記念の日だけでなく、長野駅は135周年のイベントもやっていた。
 そして、少し物足りなかったので、改札外の立ち食い蕎麦屋さんでもかけそばを食べる。こちらのほうが出汁の香りが良かった。この香りは覚えがあるので、たぶん長野オリンピックのときに待合室にあって食べた店だと思う。
 なんてやっている間に10時を過ぎたので、長野電鉄で須坂駅へ。
 20分くらいで行けるので、11時半くらいには須坂駅に着く。もちろん、。駅周りは初めて来たところ。
 コインロッカーがなくて困ったが、どこかにないかと聞きに行った観光案内所で「こちらで預かっていますよ」と聞いて、ぜひにとお願いする。
 セルバンさんでの食事、何食かは持ち込み予定だったので、かさばらなくてサッと食べられてゴミも出ないものを……と考えて、駅のそばのイオンで買うつもりでいたので、荷物があると大変だったので。
 で、買い物はあとでいいか……と、パソコンだけ持って駅周りをうろついていたら、観光案内所の入っているビルの一階にカフェを発見。なんだか、明るいオープンキッチンがあって、子供の遊び場やら勉強室やらいろいろあるコミュティカフェという感じの作り。
 コワーキングスペースもいい雰囲気だったので、ここで時間を潰すことにした。一時間300円だったが、利用すると珈琲が100円になるので割とお得だ。それに、こっちは一時間くらい待ちたかったところだったので、ちょうどいい。
 なんか、ここまでの流れで須坂市にとてもいい印象を持った。
 駅の近くに図書館がある茅野市のときのような感じ。
 こういうとこ、真面目な長野県の良さを感じられて好きなのだ。
 その後、イオンで「おやき」を何食分か買い、味噌汁の素も買っておく。これで済ませればいいだろう、という考え。
 そうこうするうちに、イベントのGMである田中桂が到着。
 迎えのセルバンさんも到着して、もう一人の参加者(狐火さん)も来て、須坂駅から30分ほどの山田牧場へと向かう。

 セルバン白雲館は山田温泉のさらに山の上にあるホテルだ。
 前にも一度訪ねていて、ゲームがたくさん用意されているロビーが懐かしかった。

スキー客がくるところなんだと思う
右下、ドールのお泊まり会もやっていたので並んでる


 イベントも色々と受け入れてくれる宿で、TRPGの集まりだけでなく、LARPの会場になったり、マーダーミステリーの会場になったり、ドールとか、ミニ四駆とかの趣味のお泊まり会なども行われる、稀有な宿泊施設である。普通のお客さんが減っていて経営が厳しいらしいので、応援したい貴重な宿だ。
 到着して、一休みしてから、さっそく「カナンTRPG」の開始である。
 プレイヤーは宿のオーナーのセルバンさんを含めて四人。あとで本人から知らされたのだが、そのうちの一人は、なんとマイミクのたぬきさんのお兄さんだった。びっくりだ。
 キャラクター作成を終えたところで、宿にいらしているコノスさんの特製ディナーの時間に。
 コノスさんは、カナンRPGの通販も請け負っているゲーム屋さん。でも、料理も本格派で、メインの「ダチョウのオイルフォンデュ」を始め、お刺し身も小鉢も大変美味しく、堪能した。現状、厳しい状況にあるセルバンさんでは食事が提供できず食事は持ち込みOKにしている状況なのだが、コノスさんの出張料理に助けられた(キャラクター作成中にも、スコーンを注文したりできた)。

凄すぎる夕食。コノスさんはゲームの販売会社ですぞ


 食後、いよいよゲーム開始。
※この日のカナンRPGの内容は別日記にまとめます。



 1つ目のシナリオが終わったところで、風呂に入った(と思う)。
 こちらの湯は、源泉かけ流しで硫黄の香りが強い。いかにも「温泉」というタイプ。金属は持ち込むと黒ずんでしまうくらい。
 露天は、気温が低くて湯もぬるくなっていたので入れず残念。
 だが、ちょうどいい温度の湯で身体を癒す。


【15日】
 日が変わっても、カナンRPGのキャンペーンふたつ目のシナリオをやってから、就寝。
 そして昼前くらいに起床。
 買っておいた、おやきと味噌汁を食べる。
 たぬきさんのお兄さんは、すでにセルバンを去っていた。
 コノスさんの鹿肉ハンバーガーを食べつつ、ゆるゆるとゲームを開始。
 今回は、同時にドールのお泊まり会で、ドールのコレクターさんたちが集まって、各自のコレクション(といっていいのか、もっときちんとした呼び名があるのか)を並べ、記念撮影を行っていたのだが、そちらの参加者の方を誘って「ドブル」をやったりして。
 その後、余裕があったらやろうと思って持ってきた「群雄割拠」を、セルバンさんと田中桂と私の三人でプレイ。
 やはりサクッと終わるし、戦国武将の気分も味わえるし、歴史にない戦いが見られるので、面白いゲームだ。セルバンさんの織田信長+常備軍というリアルなやつで尾張からがっつり上洛と摂津に大都市まで作るものすごさに圧倒されつつも、九州を常に堅持しつつ飛び地も確保して南蛮貿易と足利義昭を持っていた私が、なんとか勝ち逃げた。
 その後、カナンから派生したシステムでやる、アニメ『リコリス・リコイル』がモデルの「彼岸花RPG」を、田中桂のGMで、セルバンさんと私がプレイヤーでプレイ。

紳士服でも来てそうな暗殺者少女


 プレイヤーが二人とも原作アニメを見ていないので、いまいちノリがわかっていなかったけど、なかなか面白かった。ただ、もう少し状況が描写される必要があるかも。
 これは、私がアニメのほうを知らないので、脳内で補完できる量が少ないのだろう。カナンでは平気なのは、知識があるからか。だとすると、昨日のカナン、他のプレイヤーは結構補完しきれなかった可能性がある。この辺は留意すべき点かも。
 この日の夕食もコノスさんの出張料理で、キムチ鍋。美味しく頂いた。
 その後は、録り溜めた録画を見たりしてダラダラ過ごした。
 飲み会には参加しなかったので様子はわからないが、チラッとのぞいたときにダチョウのレバ刺しを少し頂いた。これは初めて食べた。
 あ、入浴はかかさず、朝と晩に入っていたので記録しておこう。


【16日】
 最終日。
 10時に出発の予定だったが、コノスさんの鹿肉マフィンを頂いてから出たので、11時ごろになる。
 セルバンさんに須坂駅まで送ってもらって、長野電鉄で長野まで移動。
 新幹線で帰る田中桂とも、ここで別れ、私は高速バスへ。
 硫黄臭い身体で、グーグーと眠って過ごし、途中のSAでお土産を買って(すっごい並んでて、他に飲み物も買えずにギリギリでバスに戻る羽目に!)、意外と早くに千葉まで帰り着いた。
 駅に、4日分の駐車券を巻き付けたスクーターを待たせていたので、駅からの帰りも楽ちんだった。

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