マルチバースオブマッドネス

※作品の内容や背景の説明等は、ちっとも書いてません。ごめんなさい!


 五日に、京成ローザで吹替版を観てきた。

 実に面白かった!

 ただ、今回の作品の場合、私の感じた「面白さ」はこれまでのMCUの映画の面白さとはだいぶ異なる部分での評価が大きい。少なくとも『スパイダーマン・ノーウェイホーム』とは全く違う面白さ。
 もう、最初から最後までいくつものシーンで「ウヒヒヒー」と笑っては、バンバン膝を打ってしまった。そういう面白さ。

 でも、Twitterであれこれつぶやかれるまではそこまでの興味はなかったのだ。
 だって、MCUの中ではドクター・ストレンジはそれほど好きなヒーローではないんだもの。前にも日記に書いた気がするが、どーも後から来て上から目線の設定がイラッとくるんだよね。まあ、嫌いってわけじゃないんだけども。
 だから「スパイダーマン・ノーウェイホームにストレンジ出てきたし、まあ観ておくか~」程度の感じだったのだ。
 ところが……。
 TLをチラチラ見てて、どうやら監督がサム・ライミらしいとわかってきた。
 しかも、サム・ライミ好きが「サム・ライミの映画だ!」と絶賛している。
 俄然「こりゃ見なくてはっ!」となった。
 だって、私もサム・ライミ作品大好きなんだもの。「死霊のはらわた1・2」や「キャプテン・スーパーマーケット」が大好きだし、あのノリが生きている「スペル」とかも大好きだ。監督はしてないけどリメイクの「死霊のはらわた」もノリがわかってていいんだよね。あ、キャプテン・スーパーマーケットの続編は途中までしか見てないけど。

 で、その期待が全く裏切られなかった、というわけ。
 ていうか、この映画は、MCUのふりした、死霊のはらわたかキャプテン・スーパーマーケットでしょ。そのぐらいサム・ライミのやりたい放題――って感じなのだ。
 私みたいな人は絶対に(たとえアベンジャーズのこと知らなくても)見に行くべきだと思う。サム・ライミが監督した「スパイダーマン」よりも楽しめるはず。
 独特の「くるぞくるぞ~ほ~らきた~っ!」な盛り上げ感とか、ぐいぐい動き回る感じとか、もう完全にサム・ライミ映画。
 あと、サム・ライミ映画で私の好きなとこのひとつが「散々怯えまくった女性が、『ふざけんな!』ってぶちきれた瞬間、勝てそうにない相手を派手にぶちのめして、見てるこっちが引くぐらい無双する」ってやつ。
 ヒロインがそうなることが多いんだけど、今回の場合は、出てきた女性の大半がそれやってて、もう最高だった。
 敵は敵でどこまでもえげつないくらい執念深く、追って追って追い詰めてくる辺りもサム・ライミ映画。
 封じるだの、探して切り札にしようだのしているアイテムが、もうもう、完全に死霊のはらわたでしょ。
 そして、あのすばらしい反撃の仕方ったらないよ! ストレンジが打った最後の大逆転の手が、もうもうもう、最高~! あのために序盤からしっかり伏線張ってるんだから、どう考えてもやりたい放題でしょ。
 キャプテン・スーパーマーケットが、アベンジャーズの一員になりかねない勢いだよ。ていうか、なって欲しいくらいだけど。いやダークマンでもいいよ。
 でも、それだけやりたい放題やっといて、決着の付け方はきっちり我に返ったかのようにまとめてきたのも職人芸だなと思ったけど。

 ただ、本当にやりたい放題すぎて、MCU的に大丈夫なのか? って、心配になるぐらいのショックな展開も多くて心配になった。そのシーンもサム・ライミ好きとしては「ウヒヒヒー」って笑い転げたけれど、MCU好きとしては「うわー。いくらなんでもひどくない? そんな戦いしていいの? あの人たちがそんな目に?」って、ショックが半端なかったから。

 あと、ブルース・キャンベルがちゃんと登場してて、そこも感動もんだった。
 ほんっとにサム・ライミ好きのためのサム・ライミ映画だよ。
 細かいネタバレ言い出すときりがないから、「観て!」としか言えない。
 そうじゃない人が観てどう思うか――については、どうしたってサム・ライミ的に観てしまう私には、なんとも言えない。

 ほんと、キャプテン・スーパーマーケットがアベンジャーズに入ってくれないかなあ。
 ワンパンマンのキングみたいな立ち位置で。

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