エターナルズの感想

 京成ローザで観てきた。

 原作がいつ頃作られたもので、他のマーベル作品とどう関わってきたのかをよく知らないので、映画のMCUを通してのみの感想になってしまうが、どうしてもこういう新シリーズの打ち出しかたは好きなタイプではない。もちろん、単体映画としてのお話はなかなか面白くて楽しめたし、キャラクターも良かったけど、なんていうか棲み分けを無視した「後発だから強いですよ。すごいですよ」感がどうも苦手なのだ。
 ここまでの作品で形作ってきたことを、さらに俯瞰した世界観で再構築するのはべつにいいんだけど……イラッとはくるよ。それはもう私はグレートマジンガーや仮面ライダーV3が登場したときからそうだから、どうしてもそういう気持になっちゃうんだよ。
 アベンジャーズでがんばってまとめていたところを踏まえて、整合性についてはこれから追々きっちりさせるんだろうと信用しているが、やっぱりポッと出のキャラと言われないように「僕らは実は紀元前からいました、これまでのことには手を出してないだけです~」なんて設定持ち出してまで上から目線で先輩面するのはずるいよ、って思っちゃう。空飛ぶ怪力サイクロプスとか、そりゃないでしょ、とかね。
 アベンジャーズでは、ソーやハルクみたいのがいながらも、キャップやアイアンマンが遜色ないようなバランスのとり方が素晴らしかっただけに、なんだかな~ってなっちゃうんだよね。
 あと、こんな設定で殴られたら、同じユニバースの話として新章からスタートを切った「テンリングス」なんか、やたらとかわいそうになってきちゃうぞ。
 私が勝手に悲観して勝手に苛ついてるだけなのはわかっちゃいるけどさあ。

 でも、インドでスターになっていたあいつは実によかった。一番好きだ。007ぽい。精神を操る人は004っぽいし。加速装置な人もいる。
 009の天使編みたいだとTwitterで言われて、たしかにそれに近いと思った。その辺の面白さも良かった。戦う相手が天使なのかブラックゴーストなのかは微妙なとこだが。

 あと、サノスが死んでから「実はあいつがあんなことはしたのはさぁ」ってのが色々と語られることが多いよね。べつにいいけど、そればっかりやっていると、「アベンジャーズ・エンドゲーム」での感動はなんだったの? ってなるからね。この辺もまだまだうまく落としてない気がするな。

 というわけで、単体の映画としてはとっても面白かったが、MCUの新展開要素としては今後の流れを見てから評価しよう。
 今のとこは、ちょっとイラッとした、感じだ。

 最後にこれだけは言っておかねば。
 ヒロインのジェンマ・チャンが、麻生久美子にそっくりすぎ。
 麻生久美子がハリウッドデビューして大活躍しているようにしか見えないのがすごい。

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