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思考のしおり

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#小説

「おすすめの本」問題

趣味は何か、と聞かれれば読書と答える。出費の多くを本に向けているのは事実であり、「読書とは何か」などといった説明も必要ない。しかし、ではどんな本を飛んでいるのか、さらにはおすすめの本は何かと言われるの返答に困ることになる。 ひとくちに本と言っても内容は千差万別である。相手に告げる本を決めるには、まずジャンルを絞らなければならない。そう考えると、気軽に手に取りやすく、専門性が低いものを選べるという点で小説が抜きん出ている。 問題は小説自体がさらに多種多様であることだろう。歴

小説の書き方と読み方

図書館で『小説読本』なる本を見つけた。著者は三島由紀夫。内容は小説についての考察がいくつか収録されたものであった。三島の作品には他に『文章読本』というものもある。こちらも似た内容だが、小説以外の形式にも触れている。 彼の生きた時代も小説家を志す青年は多かったらしい。インターネットという発表の場が増えた現代では、その数は当時と比べ物にならないかもしれない。私が本を手に取ったのも同じ理由ではある。 誰だったか覚えていないが、ある作家が「小説は見たものを書く」仕事だと言っていた