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#18 小説『メディック!』【第3章】3-3俺×同期 はじまりの予感

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* 

 ――数日後。

 就寝30分前。勇登はベッドに張り付いていた。
 身体中の筋肉がパンパンで、ちょっとの時間も休ませたかった。

 結局ベッドの位置は、右奥から剣山、宗次、左奥からジョン、吉海、勇登になった。
 ジョンと勇登が並ぶとケンカになるという理由で、剣山が決めた。彼は四大卒で入隊し、何度も試験を受けていたがなかなか合格できず、今回年齢制限ギリギリで合格していた。唯一の妻帯者で、新隊員教育の班長も経験していて、親分肌だった。

「写真を撮りましょう!」
 勇登の横で寝転がっていた吉海が、起き上がると突然いった。

「めんどくさ」
 ベッドに突っ伏していたジョンがすぐに答えた。
 
 吉海は負けじと、その素晴らしさについて語り出した。
 吉海曰く、これから毎回同じスタイルで写真を撮って肉体の成長を見たら面白い、というのである。確かに、1年でどれだけ成長するのかは気になるところだ。

 吉海はしゃべりすぎて時々うざいが、ムードメーカーで人の懐に入り込むのがうまかった。疲れていた皆をちょっとやってみたいという気にさせたが、誰も動こうとはしなかった。最終的に、学生長剣山の「やろう」の一声で皆が重い腰を上げた。

 しかし、やるとなったらみんな乗り気で、まずは撮影場所でもめた。ただ、今問題を起こすとまずい、という宗次の意見が採用され、1枚目の写真は居室内となった。

 場所が決まった途端、発案者の吉海が全裸になった。それを見て勇登、宗次、剣山も脱ぎはじめた。しかし、ジョンは全裸は嫌だといって洒落た迷彩柄のハーフパンツを取り出した。

「おい、ジョン。なんでお前だけはいてんだよ!」
 すかさず、勇登がいった。

「だって、そこはもう成長しないだろ」
 ジョンはしれっというと、ハーフパンツに着替えはじめた。
 その言葉に皆沈黙し、宗次が申し訳なさそうにトランクスをはきはじめると勇登、剣山も続いた。

「お前はいいのか?」
 動こうとしない吉海に剣山がいった。

「あ、俺はケツ筋が自慢なんで、バックショットで決めます」
 簡単に自分を曲げた三人は、宗次は訓練用の海パン、剣山はその時偶然はいていた黒のジャージ、勇登は作業服のズボンになった。狭い居室内で、それぞれが思い思いの格好、ポーズでカメラを見た。

 1枚目の写真は、はっきりって皆ばらばらでまとまりがなかった。だけど、それが逆に何かのはじまりっぽくて、皆ちょっと笑顔になった。

 第4章へつづく
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☆年齢制限:職種により入校の年齢制限がある場合がある。変更もあるので希望者は都度確認が必要。

※この物語はフィクションです。実在の人物、団体、組織、名称とは一切関係ありません。

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