気圧と歯痛の関係
今年もまもなく台風シーズンが到来しますが、台風まで発達していなくても低気圧が近づいてきて気圧が低下した時に、もしかしたら歯が痛くなったという経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか?
なんと気圧の変化は歯痛を引き起こす原因になることがあります。
高気圧は、空気の圧力が高いので、外から体にかかる空気は重たくなります。反対に、低気圧は、空気の圧力が低く、外から体にかかる空気は軽くなります。この文言を見ると、重たい圧力の高気圧のほうが、体の不調を引き起こしそうですが、反対です。低気圧になると体にかかる圧力が軽減されるため、体の内側から外へ押し出す力が大きくなります。
歯の内部には「歯髄腔(しずいくう)」と呼ばれる神経が通る空洞があり、また鼻の両サイドには「上顎洞(じょうがくどう)」と呼ばれる空洞があります。台風や発達した低気圧などによって短時間に空洞の外の気圧が下がると、急激な変化に対応できずに空洞内から圧力がかかり、一時的に歯痛が生じることがあります。これを「気圧性歯痛」と言います。また、飛行機に乗って上空に上がると急激に気圧が下がるので気圧性歯痛と同じように歯痛が起きることがあり、これを「航空性歯痛」と呼びます。さらに、高山への登山でも気圧の変化によって同様に痛みを生じることがあります。
このような歯の痛みは、健康な歯や適切に処置された歯ではほとんど起こり ませんが、むし歯があったり治療途中の歯があったりする場合には歯痛が起こる可能性が高まってしまいます。むし歯や治療途中の歯がある方は、そのまま放置せず痛くなる前に早めの受診をおすすめします。
むし歯がない方も定期的に歯科検診を受けるようにしましょう。定期健診を受けていることでむし歯の予防と早期発見につながり、気圧変化などでの急な歯痛を防ぐこともできます。