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Vapeという沼


#ハマった沼を語らせて というお題が出ているのでVapeという沼について語っていきたい。と言っても沼が広大かつ深いのでどこから語るべきだろうか。

代替喫煙具としてのVape


Vapeはタバコに替わる喫煙具であるが、テクノロジーの進化と共に出現した新しいカルチャーでもある。喫煙習慣から脱却できない人の欲する部分というのはいくつかの要素に分かれるのだが、まずニコチンの摂取、しかし必ずしもニコチン中毒とは限らず、口寂しい、手持ち無沙汰、そして煙を吐き出すのが好きなどもあげられる。私の場合はどれだろうと考えたときに、ニコチン摂取そのものよりも煙を吐き出す心地よさだと考えた。

上記いずれの理由だったとしても、Vapeに乗り換えるメリットはある。ニコチン・リキッドを使ってニコチン摂取も出来るし、Vapeのデバイスを使うことでの手持ち無沙汰や口寂しさは回避できるし、煙(Vapeの場合は煙ではなく水蒸気なのだが視覚的には同じに見える)を吐き出す心地よさも味わえる。

Vapeと加熱式タバコの違い


Vapeは電子機器で液体(グリセリン、香料など)を加熱し、水蒸気を発生させ、それを吸引する。IQOSなどの加熱式タバコとは異なり、タバコ葉は使わず、グリセリン、プロピレングリコール、香料、そして好みによってニコチンを添加するだけ。その液体をアトマイザーと呼ばれる容器に注入して加熱する。熱源はバッテリー駆動で、懐中電灯に使うようなバッテリー、または内蔵バッテリーで駆動するものもある。

デバイスの種類


デバイスにも、トレンドもあるし初心者向けから通好みまで様々な種類があり、デバイスの種類も増え続けている。最近のトレンドは手軽なPod型と呼ばれる、小型で携行利便性も高く、知識や技術も必要なく、決まった形の本体と指定アトマイザーを使い、アトマイザーごと消耗品として使い捨てる(使い方にもよるが1週間程度で使い捨てる)に人気が集まっている。現在私が使っているのはこの辺り。

Podデバイス

AspireはVape業界の中では大手メーカーで、数々のヒット商品を生み出していて、このPodデバイスもお得感のある価格と品質、本体も使い捨てのPodも入手しやすい安定供給なので2色持っている。

Podのトレンド初期からヒット商品をいくつも出しているLost Vapeはカラバリも豊富でデザイン性が高いモデルも多い。

猫の写真じゃなくて葉巻型のPodデバイス。スタビライズトウッドが美しい

ボトムフィーダー

スコンカー、ボトムフィーダーと呼ばれる、リキッドボトルを装着して少しずつアトマイザーに送り込む形のMod。スタビライズド・ウッドのモザイク柄の色味が気に入っている。

ボックスモッド

スタンダードなボックスモッド、こんなものにAlexaついててどうすんの?と突っ込まれそうですが、Alexaスピーカーを使ってRadikoやSpotify聴いたりKindle読み上げてもらったりするの、意外に便利です。壊れたら買い直したいけどもう入手困難になっているので大事に使ってます。


私物写真。リキッドは、廃業してしまったVape Wildのテクノ・マンゴー、大のお気に入りで常飲してました。英国のDinner Ladyは今もよく買ってる。

アンバー・カラーはVape Modにとてもよく合う色。アンバーがあるモデルは迷いなくアンバーを買ってます。



アトマイザー

リキッドを充填する部分、アトマイザーには使い捨てのPod型(個人差個体差あるものの、1週間程度保つ)、中のコイルを使い捨てるこういうタイプ

そしてワイヤーとコットンを取り付けるところからDIYするRDA(リビルダブル、自分で再構築出来るという意)、ドリッパーと呼ばれるタイプもあり

このRDAが深い沼になっている。ワイヤーの種類、太さ、コットンの種類、コットンを詰める量、更にどう巻くか、どう組むかで味や水蒸気の量が変わってくるのでハマった人の多くは自分で巻く派になっていく。そこに沼があるからというだけでなく、いちばん経済的で無駄のない使い方がそれだからというのもある。

しかしRDAで吸う味は美味しいと私も思うものの、細かい作業が面倒なので手巻きするよりもただパチンとはめてコットン差し込むだけの簡単タイプを使っている。WotofoのProfileシリーズがそう。

コイル交換で済むタンクタイプのものと、RDAはProfileシリーズを買い増ししつつ、今はメインではPodデバイスを使っているので私は楽をしたい派。楽をしながら楽しめるならその方がいいというタイパ重視の人も、最終的に毎月のタバコ代をどこまで安く切り詰められるかに挑戦したい人も、Vapeはそれぞれに合った楽しみ方がある。

ただ、Vapeを吸い始めると最初に「自分探しの旅」に出ないといけないので最初から安上がりにはならない。なにしろ沼だし、新しいカルチャーだから自分が求めるものがなんなのか、実際に日々使って、吸ってみないとわからない。手に持った感触、吸った時の水蒸気の量、持ち歩きの利便性か、素材の高級感や重厚感が優先されるのか、更に、リキッドの味の好みだって、吸い始めてみないと「実は自分が求めていたのはタバコ味ではなかった」になるし、「甘いものが好きだからスウィーツ系リキッドは好きなはず」と思って手を出すと「1日吸い続けてると飽きる」となったりして、最終的に辿り着いたのは「フルーツ系の中でも特に酸味の強いタイプ、グアバ、ライム、クランベリーなどを基本にしたものが毎日吸っても飽きない。それと気分転換にスウィーツ系、カスタード+酸味の強いフルーツのもの、ルバーブ・クランブルとかレモンパイも常備する」に辿り着くまでいったい私は何種類のリキッドを試しただろうか。

現在は先述したPodデバイスを中心に使っているが、Modとアトマイザー、そしてドリップチップ(吸い口)は凝り始めると本当に沼だ。色、素材、質感、デザイン、目移りするほど様々なものが出ているし、デザインが気に入っても実用性(吸ってみたら味の出方に満足感が足りないとか、液ダレしやすいとか)に不満があったり、実用面では手堅いんだけどデザインがそっけなくて使ってて楽しくないとか、使ってみて初めて実感することがたくさんあるため、ついつい流浪の民になってしまう。

Ambition Mod+Smok TFV 8 Big Babyのアトマイザー、リキッドはRedsのメンソール入りグアバ・アップル。


リモワのトランクっぽさがあるけど本体はポリカーボネイトじゃなくてアルミ製。アトマイザーは使い捨てのTeslacigs。


使い捨てアトマイザーはリキッドが漏れないしかわいいカラーが多いのでハマる。


Teslacigsのボックスモッド。3色全部買い揃えるくらい気に入っていた。生産終了なので壊れた後買い直せなくて悲しい。リキッドは米国のCoastal Cloud。デザインが好き。


なぜかLEDスクリーンにスクリーンセーバーがついてたJoyetechの、好きな写真をアップできるので猫写真を入れていた。

英国のサイトから購入した、使い捨てペン型デバイス。レモンタルト、レモンシャーベット、フルーツミックス、イチゴなどのフレーバーでニコチン入り。


パイプの形で吸うってやっぱりしっくりくるものなのでパイプ型は集めている。リキッドはアップル・ルバーブ・クランブル味。


これもJoyetechのパイプ型なんだけど、メカメカしているところがレトロモダン。

加熱式タバコ、プルーム・テックをパイプ型Modにつけて吸ったりも出来る。


パイプ型をたくさん持っていたのでスタンドが必要になりました。


メリケンサック型からInnokinの手榴弾型まで、いろいろ持ってます。ドクロのドリップチップも実用面でも遜色なく良い。長めのドリップチップが好み。


リキッド

リキッドは大きく分けてタバコ味、ドリンク(飲料)味、フルーツ味、スウィーツ味などがある。詳しくは別記事で書く。リキッドはフレーバーだけでなく、ニコチン・リキッドの添加をするかしないか、メンソールを入れるか入れないか、グリセリンを多めにするか少なめにするか(グリセリンの増減で水蒸気量が変わる。グリセリンを多くすると爆煙が楽しめる。グリセリンを減らしてプロピレングリコールを多くすると味がクッキリすると言われている)、味重視なのか水蒸気量重視なのか、その組み合わせだけじゃなく、Modのパワー(出力、主にワッテージや温度という単位で調節する)やアトマイザー抵抗値(主にΩ、オームを使う。0.15Ωなどその数値は細かく、低抵抗は爆煙向き、2Ωなどの高抵抗は味重視でリキッドが減りにくくModの出力も抑えめで使うからバッテリーの減りも早くなく水蒸気も少なめの吸い方になる)など

「どのリキッドを、グリセリンその他材料をどんな含有量で混ぜたものにして、どんな出力のModで、どんな抵抗値のアトマイザーを使い、具体的にいくつの出力で吸うか」になるのだがもはや無限に考えられてしまう。

以前気に入ってたリキッド。サッパリ系のフルーツ。

リキッドを自作する

リキッドの香料とニコチンリキッドを並行輸入で取り寄せて、VG(グリセリン)とPG(プロピレン・グリコール)と混ぜて、しばらく寝かせて、という工程を踏んで自作していた時期もある。常飲していたリキッドが売り切れていたり、いつも買っていたメーカーが米国のFDAの設定したルールの異常な厳格化で廃業に追い込まれたりして、好みのリキッドが入手できなくなった時期に、それなら自分で作ってみようと、ネット上にたくさんある、CockpadのVape版みたいな自作リキッドのレシピを公開するSNSがいくつもあるので、生産終了してしまったフレーバーの再現レシピを参考に自作し始めて、だんだんコツも掴めてきたが、そうしている間にメーカーもので好みのリキッドを再発見してからは自作が面倒になって最近は作っていない。たまには作ろうかなとは思っている。

VG/PGを混ぜるだけで出来上がるセミ・ハンドメイド的なリキッドもある。


パフォーマンスとしてのVape

最近はポリコレが進んだ結果、映画の中でタバコを吸うシーンはほぼ見かけなくなったし、格好良く見える喫煙シーン自体が撮ってはいけないものになってしまったが、昔は映画の中に格好いい喫煙シーンというのがたくさんあった。喫煙する姿というのは格好いいものなのだ。それを「格好いいと興味を持たれること、そこから既に悪」みたいな方向に社会が進んだ結果、喫煙者は格好良く吸ってはいけなくなった。しかし、格好いいものは格好いい。Vapeはそれを更に、一歩進めたパフォーマンスに進化させた。


Vape Trickと呼ばれてるこのパフォーマンスはコンテストも各地で開催され、Vaperにはスポンサーもついたりしていて、カルチャーとして確立されている。Vapeは断種に追い込まれつつある喫煙者たちが新しく生み出したカルチャーとして、デバイス製造メーカー、リキッド製造メーカー、禁煙外来を持つ病院、コンテストに集うパフォーマーや主催者など、多岐にわたる業界と人々によって支えられている。



見るなさんの私物写真もひたすらかわいいのでVape Modの美しさかわいさを堪能してください。


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