STREET FIGHTER Leagueの想い出~2020・2021・2022~
【前編】↓ の続き。今回は少しだけ試合内容も多めに。。。
2020
🌟ストリートファイターリーグ:Pro-JP 2020
ライセンスを取得したももちさんがリーダーとして2年振りに参戦。
前年度、EVOやその他複数のプレミア大会で優勝するなど活躍していたボンちゃんにもリーダーとして参戦の打診があったそうですが、この年は競技以外の活動に専念するため残念ながら不参加でした。
◆スケジュール・賞金・ルール
スケジュールは前回までと同じ2か月間。
賞金も前年と同じ。
ドラフト配信はなくSFL開催発表時にはメンバーも全て決まっていました。
裏ではドラフトのようなものがあったらしく誰がどういう経緯でそのチームに加入したか、それぞれの個人配信などでチラっと聞いたくらい。
1つのコンテンツとして人気があったドラフト会議。
今回、配信がなくて残念という声をたくさん見聞きしました。
ルールとして大きく違っていたのは今回から1チーム4人となり、リザーブ制度が導入されたこと。
何かの事情で3人揃わなかった場合は先鋒戦が不戦敗というルール。
選手は前半後半1回ずつ出場しなければならないという規定がありました。
BAN制度も健在で、前半対戦したチームでBANしたキャラは後半同チームとの対戦の際にはBAN不可というルールも追加され、より戦略が重要に。
前年末にギル、この年の初めにセスが追加され調整などもあり誰がどのキャラをサブに持ってくるのかというのも楽しみの1つでした。
◆ときどさんが伝えたいこと
この年は全チームの紹介VTRが用意されていて、そこでトキドフレイムのリーダーときどさんの言っていたことが、すごく印象に残っています。
私は、大会でも普段の個人配信でもプレイの前後、プレイ中、プレイの合間、そして勝負が決まった瞬間のプレイヤーの表情に魅力を感じていてそれをとても大事にしています。
ふとした瞬間の表情が大好きで、それも込みで楽しんでいるのでプレイヤー側のときどさんがこう思ってくれているということが、うれしくてたまりませんでした。
個人配信でも割と大きなワイプでハッキリと色んな表情を見せてくれるときどさんに、いつも楽しませてもらっています。
◆プレシーズン大会
この年からSFLのメンバーが参加するプレシーズン大会というものが開始。
まずは、リーダー以外のメンバーによる選抜戦が行われました。
しばらく競技シーンを離れていたハイタニさんの久しぶりの参戦がうれしかった。。。
板zさんに勝利したのに1P2Pを間違えていて再試合になった後、負けてしまったり、現役の頃のような目立った活躍こそなかったものの、最後に映えるプレイを見せてくれて満足でした。
ここで勝ち上がった選手+別の大会で参加権利を獲得した選手とリーダー達との決戦が行われたファイナルトーナメント。
フードガイヤのリーダーふ~どさんは奥さんの倉持さんと一緒に配信しながら参戦。
優勝には手が届かなかったけど1度負けた後の3位決定戦を制し3位入賞。とってもうれしそうで私もうれしかった。。。
この大会は全選手ディスコを繋ぎながら参加していて自分の試合の時はミュートにすることになっていたらしいんだけど、ふ~どさんがミュートをし忘れて応援している倉持さんの声が筒抜けになっていたそう。
「ふ~ちゃん、かっこいいよぉ。」
「いいよぉ、セクシーだよぉ。」
「よっ、重戦車!」
こんな声がディスコで選手たちに届いていたらしく、マゴさんが藤村さんに『さすがに?』というLINEを送っていたという後日談を聞きましたw
SFL: Pro-JP 2020 プレシーズン大会 ”オープン予選”で優勝しプロライセンスを取得したと同時にこの大会への出場権を得たひぐちくん。
この時期所属していた忍ismの宣材写真。
ひぐちくんの不遜感が存分に溢れ出ていて、もうめちゃくちゃ好きでした。
この時、若干19歳。10代とは思えない貫禄です。
一時期学業で活動休止をしていたひぐちくんは、この年から本格的に復帰して個人配信を開始。積極的に練習配信をしたり配信をしながら色んな大会へも参加してくれていました。
藤村さん、ふ~どさんという強豪を倒し決勝にコマを進めたひぐちくん。
決勝はウメさんとのガイルミラーマッチに。
3先1発勝負の試合で2-0に追い込まれて、やっぱりきついのかなぁ…と思っていたら、、、
追い込まれていることを感じさせない堂々とした粘り強いプレイで逆転勝ちを決め優勝!
本当にひぐちくんの試合はいつ見ても、すごく心に響いて引き込まれてしまいます。特にウメさんとのミラーマッチは格別です。
この後、インタビューでひぐちくんの強みについて聞かれたウメさんは
「メンタルが強い」と一言。
本当に気の強さに満ちていて「引かないぞ!」って聞こえてきそうな、でも要所で様子見をして引いたりと老獪な部分も持ち合わせたプレイでいつも楽しませてくれます。
若手の快進撃を体感したウメさんは、どことなくうれしそうに見えました。
スパーリングパートナーとしてトッププレイヤーを陰で支える存在だったひぐちくんが、トッププレイヤーと肩を並べ大会でもたくさん活躍するようになったきっかけでした。
この日もそうだったけど、ひぐちくんは配信しながら大会に出て、そこで優勝したり活躍することも多くって、本人も「配信すると調子がいい」とよく言ってくれていました。
声援が届いているような気がしてすごくうれしかった。
◆本節開幕
今までと変わらずエンタメ要素もまだしっかり残っていて、和やかな雰囲気で開幕。
今までもリーグ予選が収録だったことはあったけれど、この年は配信される数週間前に収録があったそうで、配信された時点でもうだいぶ結果が決まっていたようです。
なので、既に結果を知っている選手側とそれをまだ知る由もない視聴者側でかなりの温度差があり、声援を送られた選手がどこか気まずそうだったり明らかに元気がないという状況も多々ありました。
この年ほぼ毎日配信していたときどさんが毎回視聴配信もしてくれていて私は主にそれと本配信を2窓で見て楽しんでいました。
個人・チームともに終始順調だったときどさんは誰よりも楽しんでいるようで、それがさらに見る楽しさを何倍にもしてくれました。
◆ユニフォーム
今年はプロチームに所属していない選手に加え、3人目4人目の選手も大会指定のユニフォームを着用することになっていました。
指定ユニにはこの時の大会スポンサーだったKADOKAWAと再春館システムの文字が大きくプリントされていました。
この年、忍ismは新体制となり不動からデザインを一新したとっても素敵な新ユニフォームがお披露目されましたがコロナの影響で大会もなく目にする機会がほぼありませんでした。
なので、SFLでハイタニさんジョニィさんの2人がそれを着ている姿を見れなかったことが本音を言うとすごく残念でした。
選手によっては自チームのロゴなどが入ったキャップを被り、しっかりアピールする姿も。さすがです。
身に着けるものも大事だけれど、選手をよりかっこよく見せてくれるヘアメイクも私は重要視していて、この年の選手のヘアスタイルがナチュラルな中にちゃんとオシャレ感が出てて毎回いいなと思い、ヘアメイクさんに感謝しながら見ていました。
私がお気に入りだったのがももちさんのレアなゆるパーマ。自然な感じを残しつついい感じにセットしてくれていてすごく似合っていたと思います。
後日、藤村さんから聞いた話によると自分のセットが終わって横を向いたらパーマ姿のももちさんが座っていて「パーマかけられたんだけど…😳」と、恥ずかしそうにしていたんだそうw
◆勝ちにこだわるブレない姿勢
CPTトーナメントなどの個人戦の安定感とは異なり、これまでのリーグではチーム成績が振るわず苦戦していたトキドフレイムのリーダーときどさん。
前回のドラフト会議での個別面接で、久保さんに対しチーム戦に対する想いを語っていました。
「取り組みをチームで共有していきたい」「ついてこれるか」
そう語るときどさんの言葉にはかなりの力が籠っていて、チーム戦に対する意気込みと勝ちたいという気迫に満ちていました。
今回ときどさんのチームに加わった久保さんの出番は最低規定回数の2回。
久保さんの試合をもっと見たいという声もたくさん目にしましたがチームとして勝つことを第一に最善と思われるオーダーを毎回組んでいたそう。
勝負の世界の厳しさを改めて感じました。
ただ、久保さんはブレーン、参謀として大いに貢献していたようです。
ときどさん自身はリーグ予選で全10試合全てに出場し9勝1敗。文句なしの仕上がりと結果にチームの士気も上がったのではないかなと思います。
それぞれがそれぞれの役割を果たしチーム一丸となって優勝をめざしている印象を持ちました。
ちなみにこの時ときどさんに唯一の土をつけたのは同い年の良きライバル、ふ~どさん。ミカをまだメインに据えていた時期。
◆無慈悲、BANルール
このルールが導入されてから色んなプレイヤーの苦戦している姿を見て来たけれど、中でも苦戦を強いられていた印象だったももちさん。
複数のキャラを器用に使いこなすことで有名だったももちさんはBANルールに強いだろうと参戦前から噂されていました。
この年にメインとして使い始めたセスがBANされることが何度かありましたが前評判とは異なりサブのコーリンは振るわず…。
チームも負けが続き波に乗り切れなかったのかメインのセスを使用してもなかなか勝ちきれない様子でした。
改めてBANルールの過酷さを感じました。
◆面倒見全一の根本さん
登場シーンで毎回ハメコさんが叫ぶチームのキャッチフレーズ。
その中でも一番のお気に入りだった、ネモオーロラのこのフレーズ。
2018年のネモブラックオーロラでの久保さんポジションとして、この年奮闘していたのはキチパさん。。。だと思って見ていました。
回を増すごとに本当に帝国といった感じがしてきて、毎回2人のやり取りやチームの雰囲気を楽しんで見ていました。
ネモさんは当時、ジョンくんと同じLiquid(リキッド)という海外のチームに所属していました。
普段から少し抜けている所のあるジョンくんを色んな面でフォローしサポートていたというネモさん。
前回、ドラフトで指名したジョンくんを今回は選ばなかったことについて疑問の声も多く、その理由について一語一句覚えているわけではないけれど
「ジョンの今の実力では、もし自分が今後リーダーじゃなくなった時にどこのチームにも取ってもらえないかもしれない。サブで始めたコーディーをしっかりと仕上げて力をつけていく必要がある。」
たしかニュアンスとしてはこんな感じのことを言っていた記憶があります。
目先のことだけでなく選手の将来を見据えた選択をしたネモさんを見て、「こういう人が業界にいてくれると安心だな」そう思いました。
かつてのネモオーロラの一員だった奥村さん。
格ゲー業界での活動継続を望んでいた奥村さんは以前ネモさんからCPTのミラー配信を提案され、それを実行していました。
その甲斐もあってか、この年のSFLのリポーターや公式CPT中継のゲストに呼ばれたりと大役を任されるまでに。
ネタでブラックとか色々言われたりするけれど、実際は若手を支える本当に頼もしい存在です。
◆それぞれの魅せ方・取り組み方
この年、チームによってだいぶ魅せ方が違っていたことが印象的でした。
ウメハラゴールドは基本チーム練習配信をすることはなく「各々でやっている。」と、ウメさんの口からそれとない方針を耳にしました。
そしてそれは、リーグ予選で敗退してしまったマゴスカーレット、モモチスプラッシュもほぼ同じでした。
ただ、マゴスカーレットは全てが終わった後、振り返りやそれぞれの想いなどを特別配信の中で発信してくれました。
最後に応援してくれたファンに向けて
「ありがとうございました。そして本当にごめんなさい。」
と深々と頭を下げ感謝を伝えた上で、
リーダーのマゴさんから「次回こそは…」という意気込みを聞いた時、ファンの人達の無念が少し晴れて、また応援したいという気持ちにきっと繋がったんじゃないかなと思いました。
ふ~どさんはこの時期新しく出た他ゲーと並行して練習配信をチームメイトとディスコを繋ぎながらやってくれたりしていました。
GrandFinalに進めなかったのは残念だったけど、終わった後にメンバー達と一緒にお疲れさま配信をやってくれて、そこで「どういうコンセプトのチームだったのか」という話や応援する人達への感謝の言葉など聞くことが出来ました。
この年、先に書いたようにときどさんがほぼ毎日ストV配信をしてくれていました。たまにチームメイトのりゅうせいくんと練習配信をしてくれてサブキャラのユリアンが仕上がっていく過程を見れたのがうれしかった。
そして、ネモオーロラのメンバーも個人・チーム練習配信をしてくれることが多く、この2つのチームに対する応援熱が自然と上がりました。
この年、色々なことが重なって配信を見ることがつらいと感じる時期もあったけど、最後まで楽しんで見続けることができたのはこの2つのチームの人達のおかげです。
ネモオーロラは序盤調子よくGrandFinalへの進出が濃厚でしたが後半失速しギリギリ3位で滑り込み。
最終節にGrandFinal行きが確定した後のインタビューでキチパさんがキャップをおもむろに取り
「絶対に勝ちます」と神妙な面持ちで力強く意気込みを語った瞬間、
両脇のメンバーがなぜかちょっと笑いを堪えていたのを見てほっこり。
「結果ありきでのオーダーになるのはしょうがないですか」との質問に厳しい表情のまま、コクンと無言で頷くネモさんを見て「やっぱこのチーム好きだなぁ…w」と改めて思いました。
◆GRAND FINALS
年度末にドミニカで開催される予定だった世界大会はコロナの影響で中止となり、その分の賞金が上乗せされました。
この年もオフラインLIVEでの開催。(選手はオンライン参戦)
まずは準決勝、ウメハラゴールド vs ネモオーロラ
7pt先取した方が勝利しGrandFinalへ進むことができるというルールの中、
ネモオーロラが7-1(1ptは2位のアドバンテージ)で完勝。
1巡目の先鋒戦、サブキャラのかりんでカワノコーリンに惜しい所までいったけど負けてしまったガチくんが、大将戦、メインのラシードで決勝行きを決めた瞬間、本当に本当にかっこよくってめちゃくちゃ感動したのを今でもハッキリと覚えています。
GrandFinal1巡目先鋒戦は板zさんとキチパさんのアビゲイルミラー。
それを制したのはキチパさんでした。
試合が決まりカメラが切り替わった瞬間、感無量といった感じのこの表情。
その後よっぽどホッとしたのかうれしかったのか、にっこにこでw
緊張感あふれる舞台とキチパさんのワイプに映る生活感溢れる家電に緊張と緩和を感じました。
中堅戦、お互いメインをBANされてサブキャラ対決に。
この時、1R目の開始から勝負が決まるその時まで終始感動しっぱなしで…。
この前の年から色んな人のサブキャラの試合を見て来たけど、どの試合よりも一番この試合が見ていて胸が熱くなり記憶に残っている一戦。
それはきっと、苦労しながらもサブキャラをこの日に向けて仕上げようと取り組む姿をずっと見ていたからだと思います。
4-5で迎えた3巡目の中堅戦はりゅうせいくんとネモさんのユリアンミラーマッチに。
ときどさんと切磋琢磨しながらユリアンを磨き上げたりゅうせいくんが勝利してネモオーロラに追いつき最終試合に繋ぎます。
5-5で迎えた最終試合は、ときどさん対sakoさんのベテラン対決。
勝った側のチームが優勝という緊張の一戦。
メインの豪鬼をBANされていたときどさんはユリアンを使用。
この年の夏、SFLの開幕直前にマゴさん、ときどさん、ももちさん、藤村さんの4人でスパーリングをしていた時、ときどさんはユリアンを触り始めたばかりで他の3人から「このユリアン(大会に出して)大丈夫?」と冗談混じりに言われるくらい仕上がりが想像できない状態でした。
そんなときどユリアンはSFL開幕後からみるみる仕上がっていって、時にはメインの豪鬼がBANされていない場面でも起用するほどに。
実況陣から「メインに匹敵するほどの力を得た」とまで言われていました。
でも、sakoメナトには分が悪いということなのか開幕から攻め攻めの動きで、いつものどっしりしたときどさんの動きとは明らかに違っていました。
「もう、やるしかない!」と言っているような気迫に満ちたプレイで、
”何が何でも勝ちたい”という想いが伝わって来ました。
sakoさんもいつもの華麗なプレイで応戦し一進一退の攻防が続いてフルセットフルランドに。
最後本当にどっちかが技を当てれば勝ちという状況までもつれた末、sakoさんが勝利を掴み、、、
ネモオーロラ優勝!
この映像の4人を見た瞬間、心からおめでとうの気持ちでいっぱいに…。
ただ、すぐに負けてしまったときどさんのことを想ってすごく複雑な気持ちにも。。。
ときどさんはインタビューで
と、いつも通りの爽やかな表情で清々しいコメントをしてくれたけど、心の中は本当に悔しいなんてもんじゃないだろうな…そう思って見ていました。
ウメハラゴールドのインタビュー
まちゃぼーさんの
「勝ち上がったら決勝でナウマンに出てもらう予定だった。せっかく練習してもらったのにバトンを渡せなかったことが…。」と、選手だからこそわかるチームメイトの悔しさについて触れた言葉が胸に刺さりました。
リーダーのウメさんからはこんなコメントが。
そして、優勝インタビューではガチくんが
というコメントを。
「自分達も意見していかないといけないなって途中から思って…」
と、言っている時にキチパさんが大きく頷いていたのが印象的で、
経験に差のあるメンバーが手を取り合ってやっていくことの難しさとそれを乗り越えた4人の苦労や葛藤を想像し、さらに胸があつくなりました。
本当に最高のチームだったなと思います。
4人全員がプレイの面でも活躍してくれたのことも、すごくうれしかった。
それぞれのチームの感想を聞いてチーム一丸となって戦うことの重要さを再認識しました。
この年は自分自身も色んなことがあったけど、改めて最後まで楽しませてくれたチームとそのメンバー達に特に感謝をしたいです。
2021
🌟ストリートファイターリーグ:JP-Pro 2021
2019年に小野さんがアナウンスしていた地方と企業が関連するSFLがこの年実現し東京・埼玉・名古屋・熊本が拠点の8チームが参戦。
◆スケジュール・賞金・ルール
今回は本節リーグ全56試合と2か月以上に渡るスケジュール。
賞金は優勝500万円、準優勝200万円、3位100万円の総額800万円。
今回から新しく導入されたホーム&アウェイ 事前オーダー制。
アウェイ側が先にオーダーを公表しホーム側がそこに1戦ごとに被せていくというルール。そして、この年からBANルールは廃止に。
このルールのおかげでお互いがしっかりと対策した、より洗練された試合を見ることが出来たのがとてもうれしかった。本節開始前、一部の選手からも
「今年は仕上がった、いいものをお見せ出来ると思う。」という言葉が。
◆ドラフト会議
参加資格はプロライセンス保有者のみ。
この年はトライアウトが8回開催されて優勝・準優勝の選手にライセンスが付与され計28名の選手が参加。
この年は、チームによっては既に4人全員メンバーが決まっていてドラフトに参加したのは3チームのみ。残り枠は各チーム2名、計6名分でした。
ドラフトに参加した再春館SOL熊本のリーダーネモさん。
不敵な笑みを浮かべ鋭い視線で鋭い質問を投げかける姿は、もうお馴染みといった感じ。
そして、その再春館から指名を受けたのは若手プレイヤーのヤナイくん。
ヤナイくんは、いつからかどのトッププレイヤーの配信を開いても対戦相手として見かけるくらい高モチベな若手として有名でした。
指名された瞬間「信じられない…。」といったリアクションを取るヤナイくんを見て、がんばりが報われて本当によかったなという想いに。
まだ大会で安定した成績を残せるほどのプレイヤーではなかったかもしれないけれど、若手のやる気と実力を見込んでメンバーに迎えたネモさん達の判断がすごくうれしかった。
本節開幕直前番組で今までほとんどお見かけしたことのないチーム代表のお偉いさん達からのメッセージ動画が流れ、いつもとは違うちょっと固い雰囲気を感じましたが
見慣れたお馴染みのこの2人の登場のおかげで私の中の緊張がほどよく解けました。本当に今見ても安心する🥹
◆プレシーズン大会
今シーズンからこの大会の結果がリーグポイントに加算されるルールで本節が始まる前からどの選手も本気モードに見えました。
そんな中、優勝したのはときどさん。
試合に臨んだその額には、、、
あのハチマキが。。。滲んだ文字が3年の年季を感じさせます。
そして準優勝は若手のジョンくん。
かつてネモさんに仕上げるよう助言されていたコーディー。
この頃には、ジョンくんのメインキャラとしてチームに貢献するほどに。
この結果、FAVが2pt、DNGが1ptのアドバンテージを背負い、本節の幕が開けました。
◆ユニフォーム
今シーズンよりみんな右肩にSFLのロゴが入った各チームのSFL仕様ユニフォームを着用。
ももちさんがいつもの白基調のユニじゃなく忍ismのユニのデザインと同じものを着ているのがすごく新鮮に感じました。
やっぱ全員お揃いがチーム感出てていいなって思います。
個人的にカタカナ文字がユニに大きくプリントされてるとちょっとコミカルな感じになっちゃうなぁ…と少しだけ残念に思っていましたが、
このツイートを見てメガネスーパーさんとユニがすごく好きになりましたw
応援する選手やチームをサポートするスポンサーさんには改めて感謝!
この年は、各チーム個性のある色んなカラーのユニが用意されていてとても華やかでした。
◆本節開幕
今回本節は初めてのオンライン。
今まで作戦会議や応援ガヤの姿を見て楽しんでいたので、それが見れなくなっちゃうのかなぁと悲しんでいたところ、、、
なんと試合中ワイプやガヤの声を入れてくれて…本当にうれしかった。。。
各選手自宅からの参戦なので色んな事情があって一部の選手が表情どころかパッと見どこにいるかもわからない感じになっていたけど
ちゃんと途中で調整してくれて一安心。
みんなで作っていくものだから、こうやって試行錯誤して努力してくれたことが実はめちゃくちゃうれしかったんです。
試合中のメンバーの声も配信に乗せてくれたり『SFLReACTION』で、配信に乗っていなかった声や顔を届けてくれたり
少しでもオフに近い形で楽しませてくれようとしている運営側の想いが伝わって来ました。
今回からはスタッツも試合後に出してくれて、それも楽しみのひとつに。
対戦相手やキャラによって全く違うのが、ほんとおもしろい。
今までと同じように陽気な登場シーン
「水分補給しとこうかな。」とか言ってスポンサーさんの商品をしれっとアピールするももちさん。
ウメさんがCPTで優勝してCC行きを決めた時のスタイルでBeast戦に臨んだ名古屋OJAのオチャメな面々。
こんなエンタメ要素も健在で和やかな雰囲気は一部あったものの節が進むにつれてどんどん張り詰めた雰囲気に。
企業を背負って戦うということの重みを感じました。
どのメンバーの配信を見ても成績に関係なくつらそうで苦そうにしている姿もたくさん目にしました。
◆若手の苦悩
特に、このシーズン苦戦を強いられていた印象だったのは若手達。
立川くんは他タイトルの格ゲーメインになってからストVの大会で見ることがなくなってしまっていたけど、この年古巣のDNGのメンバーとして参戦。
幼馴染の大谷くんとお互い勝ち星なしで迎えた一戦でも勝ちに辿り着けず…
この時のお相手の大谷くんも6戦出場し勝利したのはこの1勝のみでした。
そして、2019年から4シーズン連続出場のシュートくんも12戦1勝と振るわず。
個人戦ではCPT予選で優勝するなど活躍していたひぐちくんも初参戦のリーグで用意したものが出し切れず、本人も満足がいっていない様子でした。
◆やっぱりブレないときどさん
そんな若手の苦戦をよそに勝利街道を爆走していたベテランのときどさんは勝利数3位、大将戦で勝つことも多く獲得ポイント1位の好成績。
この頃すっかり仕上がりメインキャラとして定着していたときどユリアン。
ただ、武器はこれだけではありませんでした。
第3節のウメさん戦で突然バイソンを被せ配信のチャット欄が騒然としていたことを覚えています。
しかも基本トレモステージを選択することが慣例だった中、相手にとって見にくいとされるステージをピックし見事勝利。
私が一番見て楽しいと思うものは、それぞれの選手がキャラ対策をしっかりしてバキバキに仕上がったキャラ同士の対戦。
相手が想定外のキャラを出すことでそれを見ることは出来なくなってしまうけれど、だからといってつまらないということは全くなくこれもまた一興。
こういう予想もしていないことが起こるから格ゲーってほんとおもしろい。
ここまでサブキャラを仕上げるのは簡単なことではなかったと思います。
周りに何と言われようがブレない、このときどさんの勝ちに貪欲な姿勢も私がときどさんを好きな理由のひとつです。
◆Mildom Beast-背水の逆転劇-
ベテランの餅さん、若手のもるとさんを引き連れ参戦したこのチーム。
第10節までなんと1勝のみ。第12節までプレイオフのボーダー下を彷徨っていました。
安定した成績でチームをなんとか支えていた、ふ~どさん。
終わってみれば個人勝率1位の好成績だったけど、、、
チームが負ける度、ふ~どさんの配信に心配する声や時には叩きや煽りなど厳しいコメントが集まるように…。
この年、第一子が誕生したばかりのふ~どさんは子育てしつつよく配信をしていて赤ちゃんを抱っこしながら練習したり、作戦を練ったり、コメントと向き合ったりと本当に大変そうでした。
そんなふ~どさんが言っていた印象的な言葉、
「アンチに何言われてもいい。ファンが泣きながら殴ってくる方が効く。」
”泣きながら殴ってくる”これは”応援してるからこその厳しい意見”の比喩。
そういえば、ふ~どさんと同学年のときどさんとももちさんも以前配信で
「厳しい意見は期待の裏返し」
そんなことを言っていて、これくらいの実力と経験を持った選手にもなると相手の言葉の意図を汲み取って自分の中でちゃんと消化しているんだなと感じました。
ふ~どさんの話を聞く度いつも「きっと、大丈夫。」と、自然と安心することが出来ました。
Mildom Beastは途中から練習方針を変更。ウメさんはチームの合同練習から離脱して1人練習に籠ることに。
ふ~どさん達3人はそれまで通りチーム練を続けた結果、、、
第11節から怒涛の4連勝で最終節目前にボーダーに食い込み最終順位3位でフィニッシュ。
この奇跡を目の当たりにした経験が
「リーグは最後の最後まで何が起こるかわからない」
という今の気持ちに繋がっていて諦めずに応援し続ける力になっています。
◆ベストバウト
ルールを知った時に期待した通り、互いに極まった名試合が沢山あった中、FAVのボンちゃんがベストアウトに選んだ試合
vs 忍ism藤村戦
負け試合にも拘わらずベストバウトに選んだボンちゃん。
この時の自分のプレイにあのプレイをぶつけてくるなんてさすがだよなー…そんなことを言っていました。
この噂を耳にした藤村さんが「ボンちゃんみたいに意識が高いプレイヤーにそう言ってもらえるのはうれしいね。」と言っているのを聞いて敵味方関係なくお互いをリスペクトしているプレイヤー同士の関係性が本当に素敵だと思いました。
私の中の本節ベストバウトはその藤村さんの
vs Mildom Beastウメハラ戦
勝負が決まった瞬間実況大和さんから「これぞ匠の藤村!」というコメントや試合を観戦していたトッププレイヤー達からも
「まじかぁ…。」「やるなぁ藤村。」「藤つえぇ。」「今のは震えるね。」
と口々に賞賛する声が。
ボンちゃんが
「ここに来てキャミィでオンリーワンされるときついんだけど…w」
と苦笑いしながら一言。
どのキャラを使っても誰もやっていないオンリーワンのプレイを魅せてくれる藤村さん。そのプレイにずっとずっと何年も楽しませてもらっています。
◆プレイオフ
このシーズンから導入されたプレイオフ。
結果は、本節2位3位でフィニッシュしたFAVとBeastが抜け、1位抜けだったG8Sが待つGrandFinalsへ進出。
FAV vs 魚群で最後にGrandFinal行きを決めたのはボンちゃんのかりん。
本節の藤村さん戦と同じキャミィ戦。マゴさんのキャミィとの激戦も本当に見所があってめちゃくちゃ心に響きました。
ワイプで大きくガッツポーズする姿が見えた直後、この表情が映ってw
ボンちゃんはいつもプレイだけでなく全身で楽しませてくれます。
◆GRAND FINALS
2年ぶりのSFLオフライン。登場シーンから懐かしい感じにワクワクしっぱなしでした。
初戦Mildom Beast vs v6プラス FAV Rohto Z!でFAVが勝利しGrandFinalへコマを進め
迎え撃つは本節を1位で抜けたGood 8 Spuad
7pt先取のルールでG8Sが6-2、優勝にリーチをかけます。
ここまでのG8Sの勢いと得点差を見るともうFAVはかなりきつそうって思ったけど、
3巡目の先鋒戦でボンちゃんがかりんとサガットで勝ちをもぎ取り
バトンを受け取ったりゅうせいくんも勝利し次にバトンを繋ぎます。
3巡目大将戦。ときどさんがフルセットフルラウンドの状況から勝利!
次のマッチが優勝決定戦に。
最後に誰が出るか。作戦会議の様子が映り緊張感が走ります。
リーダーのsakoさんもすごく悩んでそうでした。
そのsakoさんから申告されたのは、
『ときどユリアン』
最終戦に向けての意気込みを語ったときどさん。
本当に悔しいのが痛いほど伝わってきた1年前のあの日。
大会終了直後もう一度試合を見返したかったけどアーカイブがすぐに見れない状況だったのでCFNを開くと、ときどさんはストVを起動していてランクマッチをやっていました。
言葉に違わず、本当にその日からこの瞬間に向けて準備をしてきたときどさん。
その言葉を受けて笑みを浮かべながら何度も小さく頷くG8S大将ガチくん。
去年、栄光を手にした選手とその裏でこれでもかというほど悔しい想いをした選手。その2人の戦いを前にして、去年と同じようにどちらが勝ってくれてもいい、どっちもがんばれ、という想いに自然となっていました。
2先のマッチ。
1-1の状況から勝利を手にしたのはときどユリアンでした。
v6プラス FAV Rohto Z!優勝!!
試合が終わった直後、ときどさんの目が潤んでいるのを見て昨年のことを思い出し祝福の気持ちでいっぱいになったけど、
次の瞬間このシーンが映り何とも言えない気持ちに。
前に別の記事に書いた想いが、正にこの時込み上げてきました。
そして、心の中での労いの気持ちをツイートにしたためました。
2022
🌟ストリートファイターリーグ:JP-Pro 2022
この年、Mildom Beastがチーム解消となり新たに広島を拠点とするチームiXAが加わりました。
◆スケジュール・賞金・ルール
試合数は昨年と同じで基本週2回と余裕のあるスケジュールになった代わりに4ヶ月に渡る長期戦に。
前年同様の賞金額。
ホーム&アウェイ事前オーダー制はそのままでホームチームのリザーブ決定のタイミングが変更された他、
今シーズから引き分けが廃止され延長戦が追加されました。
◆ドラフト会議
今回、6つのチームにそれぞれ1つドラフト枠があり、こんな古典的な方法でそれぞれのチームの選手が決定していきました。
◆ユニフォーム
規定は前年と同じでしたが、この年名古屋OJAの傭兵として参戦していたウメさん、ふ~どさんがいつもとは違うスポーティなユニを着ている姿がすごく新鮮でした。
この年、選手の宣材写真の様子がおかしくて話題に。
色んな配信で取り上げられ、動画がこぞってアップされました。
2020年のSFLで選手の髪型がかっこよかったことがうれしかったと綴った通り、やっぱり少しでも選手達をかっこよく魅せてくれることを望んでいるので、その後修正してくれてホッとしました。
そしてこの年は選手だけでなくストV内のキャラにもユニフォームが。
それぞれのチームのイメージカラーの他、様々なコンセプトを基にしたカラーがチームの個性をしっかりと表していました。
ミラーマッチになった時にどっちがどっちのチームか一目瞭然なのもいい。
◆選手を陰で支える人達
開幕前にTwitterのスペース機能を使った各チームのインタビュー番組が配信されました。
音声のみのラジオ番組みたいなものでしたが司会のなないさんの声がほんと聞き心地が良くって内容も充実していて聞き入ってしまい、あっという間に終わりの時間を迎えました。
他にも、各チームが舞台の裏側の様子を発信してくれたり、応援熱がアップするようなかっこいい映像を届けてくれたり。
本当にちょっとしたことが、ありがたくてとてもうれしかった。
そしてこういうイベントでは欠かせない存在の実況解説陣。
選手とプレイの魅力を最大限に引き出し伝えてくれる人達です。
大和さんはオレモという名で活動していた時期にアールさんに弟子入り。
本当に最初はたどたどしくて数年前のリーグでもまだ試合中に起こっていることを言葉にするのが精一杯といった感じでした。
それだけでも十分すごいんだけど、まさかこんな立派な実況者になるなんて思いもしなかった。
選手以外の躍進の軌跡もこのコミュニティの見所の1つです。
◆プレシーズン大会
このシーズンの優勝者はふ~どさん。
そして3位まで本節のポイントが加算されるルールの中、準優勝、3位に輝いたのは全てG8Sの選手でした。
ポイントを獲得した4名中3名がパパゲーマー。これは本当に素敵なこと。
◆本節開幕
まず、すごくすごくうれしかったのは前シーズン表情によるネタバレに配慮して勝負が決定間近になると消されていたワイプがラグの調整によって最後まで見れるようになっていたということ。
聞いたところによると運営側が会議を重ね視聴者の意見を参考に改善・改良し続けてくれていたようです。本当にありがたい限りです。
前年と同じようなヒリついた雰囲気。どのマッチを見てもプレッシャーと緊張感が伝わって来ましたが、選手のいつもと変わらないふとした時に見せる表情に癒されることも。
今まで目にしたことのない光景を見ることが出来たり新たな楽しみもあって見所いっぱいでした。
この頃、ときどさんの個人配信の頻度は以前と比べるとかなり少なくなっていて練習配信を見ることはほとんどなくなっていたけれど、試合がない日は今まで通り同時視聴配信をして楽しませてくれていました。
ときどさんの他にも色んな人達が視聴配信をしてくれていたので閲覧機能を駆使しつつ楽しませてもらっていました。
他のチームの試合を見ながら一喜一憂するリーガー達の姿はオフラインの時のそれと同じで本当に見ていて楽しかった。
試合後すぐに配信で感想戦や次節についての意気込みを語ってくれたり、動画で振り返りをしてくれたり、選手によって伝え方は様々でしたが、どんな方法でもその想いが聞けることがうれしかった。
本節期間中に各チームのメンバー達が本拠地や他の地方を訪れる
「ファン交流キャラバン」が開催されました。
藤村さんのレクチャーを受けた小さな女の子。「どういうことをしたいですか?」との質問に「コンボがしたい!」と元気よく答えてくれたそうです。
性別、年齢、経験値関係なく訪れた人達が選手と交流する貴重なイベント。
選手側もきっとファンの人達から力を貰ったのではないかなと思います。
そんなこんなしているうちに本節が終了。
G8Sは第3節から首位をキープする安定感を見せつけ1位抜け。
去年の雪辱を果たそうとする強い意志を感じました。
◆若手の躍進
全シーズン勝ちに手が届かなかった立川くんは今回G8Sのサポート役として参戦するかたちに。
『専属スパーリングパートナー』という新しいプレイヤーとしての可能性を示していました。
立川くんは色んなキャラを使いこなし他のプレイヤーの癖を見抜いたり、プレイをコピーしたりするのが得意で、昔からたびたび名スパーリングパートナーとして話題に。
中でも記憶に残っているのは2019年のCAPCOM CUP。
前年CC覇者ガチくんとのミラーに挑み勝利したジョンくんのスパーリングをしたのは立川くんだったそう。
チームやリーグにどんな影響をもたらすのか楽しみでした。
去年1勝に終わったシュートくん。今年は傭兵としてではなく再春館へ移籍し同チームで参戦。『修羅の子』という二つ名は私のお気に入り。
シュートくんはときどさん、ふ~どさん、ももちさん、マゴさんなどベテランの強豪選手を倒しチームメイトのひぐちくんとともに勝利数堂々の1位に。
ひぐちくんはこの年のSFL開幕前に6年在籍した忍ismから再春館へ移籍。
「今まで慣れ親しんだ環境から離れ、甘えられない環境に身を置くことで自分を成長させたい」という言葉の通り成長した姿を見せてくれました。
◆絶対ブレないときどさん
SFLが開幕する3か月前のTOPANGA CHAMPIONSHIPⅣの意気込みを語る動画でときどさんはこんなことを言っていました。
が、その翌日のジョンコーディーとの対戦で圧倒され負けてしまいます。
さらに数日後のももちコーディー戦で開幕ピックしたのはなんとユリアン。
「ルークの方が強ぇんじゃねぇのかよ!w」と思わずハメコさんも突っ込みを入れてて…wときどさんらしいなと思いました。
SFLでもコーディー戦に2度ユリアンで挑み負けてしまったけど、
後半戦、しっかり仕上げたルークで見事勝利。
一見ブレているように見えますが全ては勝つための選択。
勝率1位、獲得ポイント3位と今まで通りの安定感で何度もチームのピンチを救っていました。
◆マイベストバウト
第13節 Day2 大将戦 ときど vs ももち
本節も残り2試合となった大事な局面、忍ism0ptで迎えた大将戦。
1セット先行されたももちさんは痛恨のCA漏れのミスをしてしまいます。
今まで見たことのないようなももちさんには珍しいミスから相当なプレッシャーが伺え、ワイプに映るももちさんの表情からは「やってしまった…。」という心境が伝わって来ました。
大きく体力差が開き残り時間もわずか。タイムアップ間際の攻防に定評のあるときどさんを相手に誰もがこのラウンドでこのまま終わると思ったら…
「さあ、この逆境!どうする百地祐輔!」というアールさんの声が響いた後ジリジリと体力差を縮めて残り4秒で逆転!
「これがももち!まだ終わらない終わらせない!」そんなアールさんの声と「天才っ。」「まぁじでぇ!?」という普段の豊富な語彙力を一瞬失ったハメコさんの絶叫がさらにプレイを引き立ててくれました。
ワイプに映るももちさんがいつにも増してかっこよかったぁ…。
この後、ときどさんがラウンドを取り粘り勝ち。勝敗関係なく本当に心に響く素晴らしい試合でした。どっちもかっこよかった…。
◆それぞれの事情を抱えて
昨シーズンから名古屋OJAのリーダーとしての重役を任された兼業プロゲーマーのあきらさん。
私があきらさんの存在を認識したのは忍ism主催のこのイベントでした。
最終メンバー決定戦で見事勝ち抜き参戦することになったあきらさんが藤村さん、ももちさんとVCを繋ぎながら練習している風景を見て、
”よくしゃべる真面目そうな人”というイメージを持ちました。
真面目そうという予想は的中していて個人配信でもそれが故に苦悩する姿を目にすることもよくありました。
普通に仕事をするだけでもめちゃくちゃ大変なのに、お仕事が終わった後に練習をして作戦会議をして…「自分には絶対無理だな…。」と、あきらさんの配信やツイートを見る度思いました。
スパーリングに付き合ってくれた人達に地元広島の名産を贈るという律儀な行動からも真面目さが伝わって来ます。
あきらさんのトレードマークのクリスマスコス。
このプレイヤーはこのコス!っていうのがあるのって、なんかいい。
14歳中学2年生の時にももちさんに弟子入りしたヤマくんも、もう大学生。
理系は比較的忙しいことが多く、私も同じような境遇で大学生活は本当に苦労した時期が多かったので学業とSFLとの両立がどれほど厳しいか想像し、心配していました。
課題に追われたりテスト期間中は膨大なテスト範囲の対策に追われたり…
SFLのような過酷な大会との長期に渡る両立は正に試練だったと思います。
このシーズンは魚群とG8S以外のチームに1人は兼業の選手がいて、その苦労はかなりのものだったかと。
専業でもオーナー業や子育てなど融通の付きにくいことをこなしながら参戦していた人達もいて、みんな私達の目には見えない苦労を抱えながら参戦していたんだろうなと思います。
◆プレイオフ
本節2~4位で終えた4チームの決戦。その中で一番思い出深い心に残っている試合。
ときど vs ヤマグチ
1巡目では本節でチームを引っ張ってきたももちさんがときどさんに圧倒されて敗北してしまい、あと1敗でもするとSFL敗退という状況での大将戦。
申告前からこのヤマくんの姿を見て誰もが察した通りヤマ大将のコールが。
モニター前に足を運んだ後も終始落ち着かない様子でプレッシャーに押し潰されそうなヤマくんの想いが嫌というほど伝わって来ました。
そこで師匠のももちさんから声がかかり、、、
激励を受けます。配信に声は乗っていなかったので内容は後日知ったけど、アドバイスというより”自信を持って行け”と背中を押すような言葉でした。
声をかけられたヤマくん、師匠譲りの凛々しいどっしりとした顔付に変わっていました。
3-1で見事勝利!その表情は最後まで気迫に満ちていました。
6年前、中学生の頃にあどけない表情とまだ声変わりもしていない声でボソボソと言葉少な目にしゃべる姿を思い出し、本当に立派になったなぁと思うと自然と涙がこぼれました。
そして前シーズンSFLを制したFAVはプレイオフで敗退。
最後を託されたのはやはり、ときどさんでした。
長年のよきライバル、同学年のふ~どさんに最後はやられてしまいます。
ここでまた悔しい想いをしたときどさんは、きっと来年リベンジに燃え活躍する姿をたくさん見せてくれるんだろうなと、この時思いました。
◆GRAND FINALS
初戦 再春館SOL熊本 vs 名古屋OJA
70pt先取のルールの中0ー50で迎えた2巡目中堅戦、ひぐちくんの出番が。
意気込みを語っている途中相手サイドから笑い声が聞こえてきて、そちらを指さし「余裕そうですね。」と一言。
これでさらに火が付いたのか勢いのあるひぐちくんらしいプレイであきらキャミィを撃破。
再春館が巻き返し40-50の状況で再度この2人の対決に。
あきらさんがガイル使いのウメさんにセット間アドバイスをもらっている姿を見て2年前の個人主義だったウメハラゴールドの時代からウメさんも随分変わったなと改めて思い胸が熱くなりました。
フルセットフルラウンド、ドット勝負まで縺れためちゃくちゃ見所のある試合をあきらさんが制して名古屋OJAがリーチをかけます。
絶体絶命のピンチを救ったのは本節で何度もチームを救ったシュートくんでした。ふ~どさん、ウメさんを倒しGrandFinal行きを決めます。
渾身のガッツポーズがワイプに映るともに「よっしゃあああああ!!!」という声が響きます。全身で感情を表現する選手は本当に見ていて楽しい!
スポットライトと声援を浴びることを力に変えてくれるシュートくん。
応援しがいのある選手でファンの人達は本当に幸せだろうな。
GrandFinal G8S vs 再春館SOL熊本
再春館サイド先鋒は仙人の異名を持つ40代のベテラン兼業プロの餅さん。
その餅さんに20代の若手達がアドバイスをする姿を見て格ゲーの魅力を改めて感じました。
餅さんは分が悪いとされるラシードに長年の相棒ダルシムで勝利しチームに勢いを付けます。
同点で迎えた大将戦に出たカワノくんのキャラ「ルーク」の発表に会場がどよめきます。
相手はシュートくん。本節でも、ときどルークを倒すなどルーク戦は慣れていて得意そうなシュートくんに短期間で仕上げたルークが通用するのか正直疑問でした。
そんな想いを払拭するかのようにカワノくんらしいプレイでシュートくんを撃破!予想外の展開に驚いた人も多かったのではないかと思います。
2巡目先鋒戦、傭兵ながら本節から安定した勝率と独特のプレイスタイルでチームを支えてきたどぐらさんがここでも1勝をあげチームに貢献します。
60-20で迎えた3巡目先鋒戦
あと1勝で優勝という場面で再度どぐらさんの登場。お相手はひぐちくん。
1巡目2巡目と負けてしまったにも拘わらずここで出てくるメンタルの強さはかつてウメさんに称賛された、ひぐちくんの強みです。
この局面で大役を引き受けたひぐちくんを見てプレイオフで同じ状況に立ったヤマくんを思い出しました。
中学生の頃、弟子として世に出てきた時にこんな大舞台で活躍する日がくるなんて思いもしなかった。。。
ひぐちくん、堂々とした負けん気の強さあふれるプレイで見事勝利!
ひぐちくんのプレイは本当にいつも心に響きます。
60-30優勝に王手をかけたまま迎えた3巡目中堅戦
出てきたのはぷげらさん。意気込みをこのように語りました。
前シーズン、ユリアン相手にポイント的にも全く同じ状況で負けてしまい、そこから相手チームの勢いを止められず準優勝に終わったあの日。
悪夢といってもいいその記憶を最高の結果で払拭したいという想いが伝わって来ました。
対するは再春館のリーダーネモさん。
ネモさんもまた2020年優勝した翌年本節で予選落ちした無念を晴らしたいという想いがあったのではないかと思います。
私がユリアンのコスでデザインカラーともに一番好きなネモさんを象徴するネモユリアンコスで登場。
あとほんの少しでネモさんが勝ちそうな場面もありましたが
ぷげらさんが粘りフルセットフルラウンドまで縺れます。そして、、、
お互いギリギリの白熱した試合の結果、勝利を手にしたのはぷげらさん。
G8S悲願の優勝達成!!
優勝インタビューで印象に残っているのはカワノくんのこの言葉。
コメントの後半言葉にならない声を振り絞って「がんばりました」と言ったカワノくんを見て、3年前のこのつぶやきを思い出しました。
前シーズンGrandFinalのチームのツイートに書いてあった
”来年挑戦者として頑張ります”という一文に籠められた想いを感じました。
3年振りの開催となったWORLD CHAMPIONSHIPでは、プレッシャーから解放されたのか、みんな終始楽しんでいるように見えました。
◆優勝のジンクス?
プレイオフで敗退後、G8Sのスパーリングに付き合っていたときどさんが、こんなことを言っていました。
よくよく考えてみると優勝したチームにはある共通点が。
2020年から優勝したチームの要となったメンバーは、いずれもその前のシーズンで準優勝に終わったチームのリーダーでした。
偶然かもしれないけれど無念や雪辱が勝利への執念をより強くさせ、それが結果に繋がっているような気もします。
ということは、、、
この年一番悔しい想いをしたであろうネモさんのGrandFinalでのコメント
最後に声を震わせながら”この悔しさを来年にぶつけたい”と言った言葉がまた、今後の結果に繋がっていくような気がしています。
魅せることと応援することの難しさ
こうやってSFLの長い歴史を振り返ってみると大会の雰囲気も選手それぞれの取り組み方や魅せ方もだいぶ変わってきていることを実感しました。
配信で練習風景を見せることの是非について、ここ数年は毎年議論を見聞きすることがあるけれど正解はないんだろうなと個人的には思っています。
取り組みを見せてくれることで自然と応援熱が上がり、たとえ望んだ結果に辿り着かなくても、やってきたことを労い応援してきてよかったと思わせてもらえるのも事実です。
そして取り組みを見せることができないまま結果が出なかった時、見ている人達の心に残りにくいというのもまた事実。
でも、人によって事情や集中できる状況などが違っていて、特にチーム戦は自分だけのことではないので見せたくても見せられないことも沢山あるのではないかと、、、
そして結果が振るわない時期にこちら側としては応援したい一心で送る純粋な言葉が逆にマイナスに働いてしまったり…
これは選手側だけでなく応援する側にとっても悩ましい問題。
私達にとってはエンタメだけれど選手にとってはお仕事。
『勝つ』ということが最も重要な使命で、最大のパフォーマンスを発揮するためにそれぞれ形は違えどみんな必死になって取り組んでいるのだと思っています。
感謝の気持ちと願いを込めて
色々事情はあるけれど、様々な形で自然と応援したいと思わせてくれる選手とそのチームに改めて感謝をしたいと思います。
シーンを見続けていく中で自分でも予想していない望んでもいない心の変化が起こることはあるけれど、心に響いた過去の記憶はちゃんと色褪せずに残っていて、それは今でも私の宝物です。
「この人を応援したい」「この人を応援してよかった」と思えるようなプレイヤーでいて欲しいと思うと同時に、プレイヤー側にも
「こういう人に応援されたい」と思ってもらえるような応援をしていきたいと思います。
お互いが”画面の向こう側に人がいる”ということを忘れずにいたらきっと、それが叶うような気がします。
これからもずっと応援したいと思う気持ちが続き、大好きな選手とチームに声援や労いの声を届け続けることがどうか出来ますように。
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