箱根本箱②(書籍編)
前回も投稿で扱った箱根本箱は、名前の通り、箱根のブックホテルです。
このホテルには、ロビー、廊下、階段、ラウンジ、部屋のいたるところに、大人が興味をそそられる本が、ちりばめられています。
ジャンルも、小説、文芸書、啓発本、実用書、アート本、洋書と様々です。
タイトルを眺めているだけでも、多種多様な世界を垣間見られるような気がして、迷いに迷いながら、限られた時間を最も快適に過ごさせてくれる本は何か?思いを巡らせました。
そして、圧倒されそうな数の本の中から、手に取った1冊目は、
『非読書家のための読書論』でした(笑)
この本には、親近感はもちろん、興味を持てた点が2つありました。
① エッセイストの医師という肩書。医師国家試験をストレートで合格するほど頭脳明晰で、書くことにも長けた著者の読書癖が始まったのは、大人になってからのこと。
② アウトプットからインプットを思考している。著者がこの本を書いたきっかけは、『ものを書くことについて考える』という本を出したこと。
私自身も(威張って言うことではありませんが)小中学生時代はあまり読書は得意ではありませんでした。思春期の悩み多き年頃は、人生の真理を求め、ヘルマン・ヘッセや聖書にはまった時期もありましたが(そういえば、共感できる節にハイライトしてましたっけ)同世代の読書好きと比べると、読書量は少なかった覚えがあります。
大学で英米文学科に進んだのは、英語の勉強を深めたかったからです。文学自体に興味がなかったことに気づいたのは、なんとも鈍感なことに、留学から帰ってきて、大学を卒業する間近のことでした。
この本は面白そうだったので、電子書籍で帰りの電車で読んでみることにしましたが、結局、仕事の準備と重なり、ブログを書くのに忙しくなってしまい、まだゆっくり大事に読み進めています。
先日、私は、断捨離で歴史漫画と一握りのコーヒー等の趣味の本以外は一掃したという投稿をしました。面白いほどにすっきりし、処分して後悔した本は、今のところ、ありません。
でも、もっと読書をして、人の思考を瞬時に理解し、一発で自分の想い、(通訳するときには)人の想いが伝わるよう、カラフルな表現を吸収したいと思っていますし、思考停止になってしまわぬよう、日々異なる考え方に触れて、心の柔軟性を向上したいとも思っています。
だからこそ、「好きなように読書をしてよい」という著者の懐の深さに惹かれつつも、それを鵜呑みにしてよいものか、読み進める中で慎重に答えを見つけていきたく、あえて読むペースをコントロールしています。
2冊目に手にとったのは、『飲まない生き方:ソバーキュリアス』でした。
ホテルで4 glassのワインペアリングを頼んでおいて、この本を読むのも矛盾していますが、以前、『しらふで生きる』という町田康さんの本が大変面白く、その後は、しばらくお酒を飲まなくなった覚えがあったため、町田さんの本と比べて、この本が私の飲酒癖をどのように変えるか、あるいは、変えないか、試してみたくなりました。(町田さんの本は↓です。)
結果?
・・1ミリも、変化は、起こりませんでした・・(笑)
町田さんの自虐的な鬼気迫る文調と比べると、この著者のはっちゃけぶりがいささか中途半端な気がするというか、おしゃれな女性ジャーナリストの域を超えないのです。
だから「お酒やめると、ひょっとして、こんないいことがあるかもしれませんよ♡」とスマートに訴えられても、「はい、そうかもしれませんね・・」と、心拍停止後の患者の心電図みたいに、私の心の反応は、終始フラットなままでした。
というわけで、最後までざーっと読んで、今回の禁酒は断念し、ソローっと本棚に戻しました。(かといって、町田さんの本を買いなおす気もなし。そもそも禁酒などする気がなかったのでしょう・・笑)
さて、ラウンジから部屋に戻って目についたのが、オオニシ恭子さんの『簡単!生命のスープ』でした。特に20代~30代の頃は虚弱体質だったこともあって、以前から薬膳の勉強はしてみたいと思っていました。
また、最近、知り合いに初期のガンが見つかったこともあって、ますます食事療法に対する関心は高まってきたところでした。
オオニシさんのことを調べてみると、80代で現在は奈良にいらっしゃいますが、ヨーロッパ生活が長く、ベルギーを拠点に薬膳の伝道活動を行っていたようです。薬膳教室で初級から上級までオンライン講座も展開されており、症状に合わせたレシピづくりも学べるようです。こちらは、次に必ず電子書籍で読む本として、ブックマークをさせていただきました。
他にも「読むべき本」は沢山あったのでしょうが、仕事の合間に疲れをいやすのが今回の旅の目的だったため、頑なにライトな本ばかりを選びました。
次に箱根本箱に来る時に、自分はどんな本を手に取るのか?また一つ楽しみが増えました。
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