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箱根本箱①(ホテル編)

先週、先々週とハードワークが続き、体調が落ち気味だったため、「仕事の合間をぬって、命の洗濯をしよう!」と思い立ち、箱根本箱というブックホテルに行ってきました。

こちらの記事では、日々の仕事に疲れていて、「1日程度なら休みは取れるけど、長期休暇は取れない」「疲れてるんだから移動で疲弊する弾丸旅行はまっぴら御免!」「つかの間で良いので非日常空間で一人の時間が欲しい!」という読者にお役に立つ情報をお届けします。

箱根本箱は、以前、雑誌か何かで紹介されていた記憶がありました。私は仕事でやむを得ず、普段からニュースを追ったり、資料に目を通すことは多いものの、到底「読書家」の部類には入りません。ですが、図書館で過ごす静謐な時間は大好きです。

もちろん「箱根」にはやや注意が必要です。皆様にも、円安の勢いが止まらない今、箱根には外国人観光客で落ち着かない印象があるかもしれません。

しかし、私が桜の時期に京都で観光した時に学んだ、「少しややこしいルートを経由して手間をかけないとたどり着けない場所には観光客は少ない」法則に従えば、ここでワサワサ感に悩まされる可能性は低いはずです。しかも日本人受けする本が一杯でしょうから、海外の方への魅力は薄いはず。

その根拠もない確信と、「露天風呂付の部屋」「ワインのペアリングサービスあり」という謳い文句に背中をどんと押され、心身の疲れを癒したかった私は躊躇なく「ポチ」しました。

その予想は半分は的中し、箱根本箱の最寄駅である中強羅の周辺は、特に今の時期の平日、周辺を歩いている人は、片手で数えられるほどしかいませんでした。むろん、私が都内で業務を終えたのが3時前で、そこから電車に飛び乗り、ホテル到着が6時過ぎだったこともあるかもしれません。

箱根本箱の入口は目立たない作りで、「これは・・・さすがに違うかな?」と素通りした結果、反対側の車道まで出てしまい、慌てて引き返して、勇気をもって、その門をくぐることにしました。

扉を開けると、雑誌で見た通りの図書館のようなラウンジが眼前に現れ、いかにも読書好きそうな落ち着きのある素敵女子が即座に私を迎え入れ、部屋まで案内してくださいました。

部屋に入ると、その部屋にしかない一揃いの本、部屋からガラス越しに見えるシンプルな蓋つきの露天風呂(24時間保温機能つき)、レストランの出入りOKな館内着が、出迎えてくれました。

ガラス越しに露天風呂。余計なものは一切ありません。

通常このホテルの料金は1泊4万円~5万円はするようですが、今回はひとり割という珍しい割引を受けることができて、夕食込みで32,230円でした。これにワインの4 glassのペアリングをつけて7,200円+、入湯税で150円+でも、4万円を切る値段です。

ラウンジには無料のコーヒーやお菓子のサービスがあり、部屋にも自社製みかんジュースやお菓子が備え付けられています。また、早めにチェックインすることができれば、キッチンツアー、ウェルカムドリンク、ウェルカムスイーツとそれはもう至れり尽くせり( ;∀;)です。(私はチェックインが遅かったので、ウェルカムスイーツは夕食後に包んで頂きました。)

さて、私のようにゆっくりチェックインする人のために19時半に設定された夕食を頂くまでには、少しまだ時間がありますので、大浴場に立ち寄ることにしました。浴場には私以外誰もいません。また、森林浴をしながら、強い風に飛ばされてきた雨の粒を浴びる体験は、子供の頃の遊び心をよみがえらせました。

大浴場から部屋に戻り、本を選んで、いざキッチンへ足を踏み入れると、若手の料理人たちが勢ぞろいで待ち構えています。コの字のカウンターに並んだお客さんは、予想に反して半数が外国人で、その中でもアジア系、西欧系が1:1といった比率でした。

まず出てきたお料理は、野菜の皮を煮だして作った優しい味のスープ。アミューズは竜田揚げ、スッポンの煮凝り、鮎のカッペリーニ。ここまでは、日本酒のスパークリングとペアリング。一つ一つキッチンスタッフがマイクでDJのように由来や材料を解説してくださいます。

ちはやぶる。竜田川にかけて竜田揚げ。
小麦粉の白が水を、茶色が紅葉を表現。
スッポンの煮凝り。山椒が入っていました。
醤油の前任という名前で江戸時代に使われていた
煎り酒と梅のエキスで塩味をつけています。
ナチュールスパークリング。栃木県の作り手さんのお酒。

お次はフェンネルとパクチーの花がのった豆腐のスープ。ハーブに合わせて、ハーブ、パッションフルーツ、ジンのカクテルが登場しました。

奥に見える山椒みたいのは、パクチーの実です。
沼津のクラフトジンがベース。

白身魚のグリルには小布施ワイナリーの白ワインを合わせてきました。ホワイトクリームとの相性が良いようです。ブドウ品種はソーヴィニヨンブラン、プティマンサン、リースリングで、酸味とフレッシュさのバランスが取れていました。

イシナギという白身魚のグリル。
ミディアムレアが締まった魚の身を強調します。


主菜第二弾は、黄カブと赤身の牛肉、添えてあるのは黒ニンニクのソース。牛肉は江戸時代に食べることが禁じられていたので、徳川家康は薬という名目で食べていたみたいです。

黄カブの塩釜焼き。手前のソースは黒ニンニク➕レモン。
ピノノワールに似たルビー色の赤ワインと合わせましたが、
品種名を失念。確かスペインの固有種です。

締めは二八そばに海老味噌の付け合わせ。

桜エビに海老味噌という憎い演出

デザートには御餅、バニラアイス、浜納豆のクッキーが本当に少しずつ出てきました。スギの風味がお茶に合いました。

奥のお皿の食べ損ねたウェルカムデザートの
チーズタルトは帰りに
包んでくださいました。


それぞれ少な目にお願いしたものの、それでも50代に突入した私の胃には一杯一杯で、お部屋の露天風呂に浸かる前は、少しラウンジで本を読みながら、お腹を落ち着かせ、その後、幸せな眠りにつきました。

今日はかなり書いたので、肝心の本のご紹介はまた今度にします。

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