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同時通訳の仮置き表現

今日は同時通訳を止まらずスムーズに行いたいと思っている方に向けて、少し実用的な投稿をしてみます。

具体的には、私が普段同時通訳の時に流れを止めない策として使っている表現を例を用いて記載します。必ずしもこれらの表現がすべての文脈にフィットするわけではないですが、都度、話の流れによって調整します。

また、このケースは原稿が手元になく、トーキングポイントも事前に受け取れていない、事前打ち合わせもできない、それでも同通オーダーというベストエフォート案件と想定してください。文末に、軌道修正の実例も加えていますが、訳出、修正の仕方に唯一無二の答えはありません。

ただ、実例を見れば、私がどのあたりで判断して訳出しているか、苦肉の策でどのように修正しているか、ご理解いただけるかと思います。

想定:会社の社長さんがプレスに語り掛ける場面
【想定で出す】
①「本日はお足元の」
Thank you for coming (all the way)…(天気のことはあとで付け加えるがall the wayで「わざわざどうも」感をまず伝えておく)
②「XXXの発足に伴いましてCEOに」
I became the CEO upon the launch of XXX(なったというはず、話者の背景情報を調べておくと躊躇なく出せるところ)
③「どうぞよろしく」
Thank you. (とりあえず。場面により言い換えあり)
④「XX全体が4月1日付で持ち株会社制度」
On April the 1st, XXX introduced a holding company system…  (これも背景情報に依存)
⑤「当社は確実に」
We'll make sure that..(確実に何かをすると宣言するんだろうと予測)
⑤「我々、従前から」
We have (traditionally)…
⑥ 「我々が大事にしていく」
We have cherished/cultivated…
⑦「~によって」
This results in/ This will result in (文脈によって予測)
⑧「そしてあと」
Let me also mention…
⑨「まずは、会社の競争力自体を強化する戦略」
First, a strategy for becoming a more competitive business…(体言止めだと予測が外れても修正がききやすい。ただし体言止めを連発すると聞きづらいので、使用頻度は調整する)
⑩「この5年間、このスライドにあるようにピラミッド構造で」
Over the last five years, as you can see in this slide, we have adopted a pyramid-based….

【④、⑤、⑩の軌道が外れたので、修正する】
④「XX全体が4月1日付で持ち株会社制度」
On April the 1st, XXX introduced a holding company system…  
「を導入するはずでしたが、1か月の遅れが生じ」
Well, that was our plan, but there was a one-month dealay…
⑤「当社は確実に」
We'll make sure that..
「毎年3%ずつ売り上げを伸ばすと申し上げましたが、昨年は6%成長」
we will grow our sales by 3% every year, which was our committment, but last year saw a 6% growth …
⑩「この5年間、このスライドにあるようにピラミッド構造で」
Over the last five years, as you can see in this slide, we have adopted a pyramid-based….
「ブランド戦略を展開することにいくつかの障害がありました」
brand strategy, well, that was our hope [or vision), but there were several impediments.

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