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130 エキストラで日本のテレビドラマを経験する。(1)

リアルな高校生役で。


当時はなんで合格したのかわからなかったけど、とりあえず第一志望の大学に進学できることになってほっとしていた頃、娘は日本のテレビドラマの現場を経験することになりました。

大好きな若手俳優さんが主演のドラマで、高校生のエキストラを募集していると知って喜んで応募したら、テレビ局から参加OKのメールが届いたんです。

高校の終業式か何かのシーンのため、大勢のエキストラが必要だったよう。
もちろん出演料などはありませんが、大好きな俳優さんを間近で見れるかもしれないということで、大喜びでした。


都外の、うちからは電車で数十分のところにある学校の体育館を借りての撮影で、土日の2日間。
現場に行くと、まず用意された紺の制服に着替えて。
娘の学校の制服は紺ではないので、普通の高校生っぽい制服を着れたのが、まずめちゃくちゃ嬉しかったそうです。

そして、他のエキストラはというと、なんとほとんどが俳優の卵など仕事として来ている人たちで、一般の高校生はあまりいなかったそうなんです。
どうやらエキストラの応募者が少なく、人手が大幅に足りなかったよう。

体育館で整列したまま撮影の準備を待つ時間、そういう人たちは、自分はどこの事務所だとか、次の仕事は何だとか話していて、明らかに高校生ではない、大人の人たちもいたそうでした。


憧れの俳優さんがすぐそばに。


やがて俳優さんたちが登場すると、彼らの立ち位置は何と娘のすぐそば。
おそらく、娘のようなリアルな高校生がカメラに映りやすい位置に必要だったからでしょう。

「〇〇くんが、一日中半径1m以内にいるんだよ!!
あんまりジロジロ見るわけにもいかないし、もう緊張した〜!」
と1日目が終わって帰ってきた時、大興奮していました。


その俳優さんは、背が高くてかっこいいのはもちろん、中身もイメージ通りのステキな人だというのが、待ち時間に他のキャストと楽しく談笑している様子からわかったそうです。

そして、休憩時間にトイレに行った時には、ちょうど彼がトイレから出て来たところで、娘が
「(わぁぁぁっ!)」
となってると、にっこり微笑んでくれたそうなんです。

俳優さんとは話さないように言われていたので、「ファンです!」とか何も言えなかったそうですが、それだけでも娘にとっては夢のような経験でした。


監督に選ばれる。


まずは卒業式で生徒が並んでいるシーンを撮った後、続いて壇上での重要なシーンを撮ることに。

すると、監督がエキストラのところにやって来て、壇上に上がる生徒数人を選んだそうなのです。
その中に、娘が入っていました。

「きみはどこの事務所?」
と聞かれ、
「えっ、いえ、事務所とかじゃありません。」
と、一般人であることを言うと、
「あ、そう。」
と、とりあえず壇上に上がるように指示され。

これもおそらく、リアルな高校生が他にあまりいなかったからでは。
なんとドラマの最終回のクライマックスシーンで、しっかり映ることになってしまいました。

(次回に続きます)


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