見出し画像

Uni Zone という価値観

昨日は、まおい学びのさとメンバーの山内と、Uni Zone さんを訪問させていただきました。UniZone さんとは、株式会社植松電機さんの持つ、就労継続支援A型事業所です。

2020年9月5日、はじめて植松電機さんの植松社長の講和を生で聞かせていただいたとき、一番わたしの心が反応した内容が、UniZone さんに関するお話でした。行ってみたい!この目で見てみたい!!と、ものすごく強い衝動にかられました。

わたしの息子は、現在9歳と8歳。ふたりとも、5歳の時に保育園の先生のすすめで発達検査を受け、発達障がいであり自閉スペクトラム症という診断が出ています。このことで、わたしは同じく「発達障がい」と子どもが診断を受けた保護者さんから、色んなお話を聞く機会があるのですが、その中で保護者さんから一番多く聞く悩みが「将来就職先があるのだろうか・・・」という不安でした。

子どもの個性を受け入れたい・・・でも、それを受け入れ、身体障がい者手帳や、療育手帳を発行してもらったり、養護学校へ通うことを選択すると、その先の就職先が限られてしまうのでは?と不安に襲われている保護者さんたち。

16年ほど前に働いていた職場に、車椅子が必要不可欠な同僚がいました。彼は、「僕は働いているのに、支援を受けているわけじゃないのに、なぜ給料が低く設定されなくてはならないんだ。」と言っていました。彼は車椅子がないと移動できないので、雪のある札幌では、冬場はタクシー通勤が必要な日もあり、むしろわたしたちよりも「働くためのお金」が必要となります。しかし、障がい者枠での雇用は、一般枠よりお給料を低く設定している企業もあるのです。

当時の職場があったビルはバリアフリーでしたし、車いす用のトイレも設置されていました。彼のために新設したものはありませんでした。障がい者枠での雇用であれば、会社側は国からお金が出ます。そのお金を、彼のタクシー代にあててください!と、会社に抗議したことがありました。「そんな前例はない」といわれましたが、では、なんのために会社は国からお金を受け取っているのですか?彼の助けになるためにではないのですか?納得できません!説明してください!と反論しました。しかし現実には、今も当時とほぼ何も変わっていないのではないでしょうか。

わたしはこの時はじめて、障がい者支援制度というものが、必ずしも障がいがある人の助けになっているわけではないということを知りました。「支援」というのは、支援される側の人が主体でなくてはならないはずなのに。

彼は、通勤時の支援さえあれば気軽に働ける人は、もっともっとたくさんいるはずなんだと言います。そもそも、遊び外出のためにサポートしてくれるヘルパーさんは頼めるのに、通勤するためのヘルパーさんを頼むのは対象外という意味もわかならないと言っていました。(ごもっとも!)障がい者枠での雇用も最長2年間のみです。なぜ2年間のみなのでしょう。こんな状態だからこそ、自分の子どもが「障がいがあります」と言われると、漠然とした不安感に襲われてしまうのではないでしょうか。自分の知らない未知の世界で、我が子は生きていけるのか!?と、子どもの個性を受け入れることへの足かせになってしまっているのではと感じます。

そんな状況の中、希望となるのが Uni Zoneさんのような存在です。

画像1

「能力を活かして働けます」この言葉!言えるのがまずすごいと思うのですが、この言葉を掲げているということは、働く人の能力を伸ばしたり、活かしたりしようと努力してくれる人が居てくれる職場ですよということです。

わたしなら、一般企業そっちのけで、子どもにここで働いてもらいたいなと思ってしまいます。ここが、A型なのか、B型なのか、一般企業なのか、そういう問題はさておき、「個人の能力を活かすサポートをします」と言ってくれる人がいる職場。この環境こそが、今の日本に圧倒的に不足していて、尚且つ、漠然とした不安に襲われる保護者さんたちを安心させてくれるきっかけとなるはずなのです。

Uni Zone さんの中には、働いている方々をサポートするちょっとした優しさの工夫が、随所にちりばめられていました。ものすごく愛を感じました。まさに、「だったらこうしてみたら」だらけです。

「ほんの少し理解してもらえれば、ほんの少し歩み寄ってもらえれば、うちの子はなんの問題もなく仕事ができるんです。」と、思っている親御さん、世の中にたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。しかし現実問題、働き手のことを知ろうと努力したり、歩み寄ってくれる会社ってどのくらい存在するのでしょうか。

画像2

「小学校づくりも急務だけど、こっちもかなりの急務だよね。」「そうだね。急務だね。すぐやらなくちゃだね。うんやろう。」「そうだね。やろう。」と話し別れたわたしと山内。

画像3

この、Uni Zone さんの価値観が世に広まることによって、どれほどの幸福感を日本に増やすことができるのか・・・。想像しただけで楽しくて仕方ありません。そして、そんな場所をつくった植松社長、そこを維持し、日々工夫し、努力を続けている Uni Zone さんでお仕事をしているみなさん。素敵すぎて表現する言葉が見つかりません。わたしが学びたいことが詰まっている場所です。

まだまだ言語化できない想いがたくさんあるのですが、いつかこの想いを言語化し、具現化できる日がくることを思い描きながら、今日も何かしようと思うのでした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?