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わがやの「ホームスクーリング」②

わがやの不登校生活が2年目に突入した頃

不登校生活をかなり前向きに楽しめるようになっていたわたしと子どもたち。
   
小学校の学校給食も完全に止めてもらい、自分たちの大切な1日をどう過ごすのか を考えることに磨きがかかってきていました。

この頃になると、子どもが選んだ 不登校 という選択をまるっと受け入れたことを責められたり、家庭で座学させていないことを「無責任だ」といわれることも少なくなっていました。

言われても気にもならなくなってきていたのもあるのでしょうが、思い切って何人かに「どうして言わなくなったの?」と、聞いてみたところ、「だって、子どもたちがとても楽しそうで、会うと健全に育っているなと感じたから」「思ったよりも親として色々しっかり考えているようだから。」と言われました。
きっと、私自信が自分の選択に自信を待ててきていたのだと思います。
     
未経験の道を進むのは誰しもが不安。でも、そんな不安に立ち向かう時こそ、「わたしひとりでなんとかしなくちゃ!!」なんて思わず、子どもと一緒に考え、進み、一緒に乗り越えて行けば良いだけのことだった・・・と、今は心から納得できています。

この年の我が家の目標は、家族会議で長男から議題に上がった、「海の王者シャチを生で見てみたい」でした。

子どもたちとシャチが見られる場所を調べたり、予算を計算してみたり、滞在時間に対して、経験できることはどのくらいあるのかを考えたり、何よりも旅費をどう工面するかなど、ひとつの旅行に対しても、考えること、学びになることはたくさんあります。

様々な面を考慮した結果、今回は名古屋へ行こう!という結論に至りました。そして行く前に、「全力で楽しむこと」「家族みんなが楽しい気持ちでいられるには今どうしたら良いかを考え行動すること」を、この旅行中のルールとして決めました。

この旅行経験は本当に大成功でした。「大変なこともあったけど、あんなに楽しい経験は今までになかった!」と、子どもたちは今でも時々口にします。絶対にまた行きたい!と言い、その後、1年おきに名古屋に行くことになるのは・・・また別のお話し。

やはり、自分で決めて、自分で計画し、考え、検討し、想像するだけに留めず、その先にある実体験を五感で感じることの大切さは欠かせない。

旅行だけでなく、子どもたちの気持ちが外に向いているうちは、キャンプへ行ったり、海へ行ったり、かなり積極的に動き回りました。
 
それらの経験もまた、動物の生態系について考える機会になったり、ごみ問題、地球環境についての問題を考える機会にも繋がり、子どもたちの視野はどんどん広がっていったように感じます。

子どもたちは、行く先々でゴミ拾いをするようになり、人間の身勝手で他の動物たちの命を脅かしてることについてもよく考えるようになりました。

ふと思いつくと、「今日の午後はゴミ拾いに出かけよう!」と言い出し、ごみ袋とトングを持って出かけていくようにもなりました。

感受性豊かな子どもたち。
北極の氷が溶けて飢え死にしそうになっているシロクマの映像を見て、「どうして助けてあげられないの!?ビデオなんて撮ってないでご飯あげたらいんだよ!見てるだけなんてひどいよ!」という次男。
「わかる。わかるよ。でもね、ご飯を一度あげたら、あげ続けなくちゃならないでしょ?人間が一度ご飯をあげたら、そのシロクマはもう自分でご飯を獲れなくなるんだよ。」という長男。
どちらも別視点から見た意見で間違えではない。
とても大切な議論だったように思います。
    
こういった話し合いに発展するのも、うちの子どもたちには時間に余裕があるからなのではないだろうかと私は感じました。
   
毎日時間に追われ、時間を区切られ、学校や習い事、数時間先のことを常に予測し動く・・・なんてこととは無縁な環境だからこそ、のんびりと物事を考え空想する時間があり、広い視野での発想に繋がるのではないでしょうか。
    
   
      
それから少しして、わたしの妹が初出産し産後うつになったことで、私と子どもたちの状況もまた大きく変化することに・・・

産後うつの妹と、夜中にミルクをあげるために3時間置きに起きるわたしを支えようと考えた長男。
新しく誕生した命をとにかく愛おしく思っていたらしく、夜中のミルクを自分にやらせてほしいと言い出しました。
あの言葉には、本当に心が震えました。
まぁ、もちろんうまくできなかったんですが(笑)
でも、やってみようと思うその気持ちに、本当にこちらの心が救われたことは言うまでもありません。
     
それとは対照的に、あまりに従妹を溺愛する長男を見て、次男が嫉妬し、自分にもっと目を向けてほしい!自分が長男の『1番でいたい』と、涙したことにも心が震えました。

産後うつを目の前で見て思ったこと①
産後うつを目の前で見て思ったこと②

どんな経験も、当事者になることで多くのことを感じることができる。親は、いかに子どもから「経験することを奪わないか」を意識すべきであり、子どもにルールを押し付けたり、価値観を押し付けたり、コントロールするものではない。
それをしてもその先に良いことはひとつもないな・・・と改めて感じた1年でした。

子どもたちの希望で新しい習い事をはじめてみたり、ずっと続けていたことを一旦辞めてみたり、やめてみて改めてその存在の大切さに気が付いて再開してみたり、たくさんのことに挑戦しながら、あっという間に過ぎていった不登校2年目・・・
    
次のお話しに続きます

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