和泉

気の向くまま、思いつくまま、日々妄想中の執筆者。 ある日、急に「そうだ、小説を書こう」…

和泉

気の向くまま、思いつくまま、日々妄想中の執筆者。 ある日、急に「そうだ、小説を書こう」と思いつき、執筆を開始。 妄想内のイケメンを世に出したいという野望を胸に書きはじめた兼業作家です。 詳細はプロフィールをご確認ください(´▽`*)

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ピッコマノベルズ大賞、これから応募される皆様の参考になれば幸いです

ピッコマノベルズ大賞とは 漫画やノベルが読めるアプリ「ピッコマ」を皆さんご存じでしょうか? 「待てば0円」という読者にとっては有難い仕組みを導入されている株式会社カカオピッコマさんです。 そのピッコマが初のノベルコンテストを開催したんです! このコンテストの何がスゴイかと言うと、一次審査通過で連載が確約なんです。 よくあるコンテストでは中間審査や一次・二次審査のあと大賞が発表されて、ようやく書籍化やコミカライズ化のお話が始まります。 それなのに一次審査通過で連載! すご

    • 「捨てられた建築デザイナーは秘密を抱えた天才建築家に愛される」第9話(完結)

      『貴社が提出したデザインと、タカナシアーバンデザイン社の応募作が酷似しているため説明を求めたい』  日時と場所が記載され、最後にコンペの主催者の住所と連絡先が書かれた書類に由紀の手が震えた。 「酷似って、」  タカナシアーバンデザイン社は由紀が以前働いていた会社だ。  つまり酷似しているのは、春馬のデザインと、だ。 「由紀、コンペに応募することを誰かに話したことはあるか?」  律に言われた由紀は目を見開く。  まさか、菜々美と凛? 「……あるんだな?」 「ランチで、……

      • 「捨てられた建築デザイナーは秘密を抱えた天才建築家に愛される」第8話

         ……甘やかされている気がする。  想いが通じ合ったあとから、急に律のスキンシップが増えた。  ドイツではあたりまえだと言われるけれど、なかなか慣れない。  だが、建築のデザインをしているときはすごく真剣で、ドイツ語で会話しながら図面を引いている律はかっこよすぎて、見ているだけで魂が抜けそうだった。 「この工法だと、この広さは難しい。三階建てには耐えられない」  強度計算をしてみろと言われた由紀は電卓をたたく。 「あ、本当だ」 「ここに一本柱を立てたらどうだ?」 「でも、

        • 「捨てられた建築デザイナーは秘密を抱えた天才建築家に愛される」第7話

           目の前にはべったりと密着した春馬と社長の娘。  あの日は遠くから見ただけだったが、美人なお嬢様だ。  今日も足元には赤いハイヒール。  あの日、マンションにいた「ミカ」だ。 「なんでこんなところに? まさかコンペに出るつもり?」  真っ赤な唇で嘲笑うお嬢様から由紀はスッと目を逸らした。 「私の春馬が一番に決まっているから、なにをやっても無駄よ」  そうよね、春馬と見上げる美香に春馬は困った顔で微笑んだ。  あれから半年たって、もう春馬のことはどうでもいいと思っていたけ

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        ピッコマノベルズ大賞、これから応募される皆様の参考になれば幸いです

        • 「捨てられた建築デザイナーは秘密を抱えた天才建築家に愛される」第9話(完結)

        • 「捨てられた建築デザイナーは秘密を抱えた天才建築家に愛される」第8話

        • 「捨てられた建築デザイナーは秘密を抱えた天才建築家に愛される」第7話

          「捨てられた建築デザイナーは秘密を抱えた天才建築家に愛される」第6話

           事務所の片付けが終わり、午前中の時間が空いた由紀は設計製図試験の勉強をすることになった。  午前は律がまだ寝ているので、律の作業部屋の製図机を使っていいと。  律の作業部屋はちょっと緊張する。  置いてある物にはできるだけ触れないようにしながら、由紀は製図の勉強をさせてもらった。 「学科が合格していないと設計製図試験は受けられないですけどね」 「大丈夫だ。講師がいいから」  絶対受かっていると言ってくれる律の言葉がうれしい。  製図も律から学ぶことはとても多く、由紀は今ま

          「捨てられた建築デザイナーは秘密を抱えた天才建築家に愛される」第6話

          「捨てられた建築デザイナーは秘密を抱えた天才建築家に愛される」第5話

          「うちに使っていない部屋があるから住むところの心配はいらない。事務所にあるもので何か欲しい物があれば持って行っていい。俺が教えてやれることは何でも教えてやる。事務所が片付くころには、どこか建築事務所を紹介することもできる」  どうだ? と言われた由紀は信じられないと両手で口元を隠した。 「どうしてそんなに良くしてくださるんですか?」  見ず知らずの女を昨日も何も聞かずに事務所に泊めてくれて、今日は部屋と仕事まで与えてくれるなんて。 「昔飼っていた犬に似ているから……かな」

          「捨てられた建築デザイナーは秘密を抱えた天才建築家に愛される」第5話

          「捨てられた建築デザイナーは秘密を抱えた天才建築家に愛される」第4話

          「解雇……? なんで?」  ふらついた由紀を支えてくれたのは、同期の菜々美。 「坂下部長! どういうことですか!」  声を上げてくれたのは、昨日一緒に出張へ行った先輩。 「あんな人だと思わなかった!」 「コンペでいい成績だったからって酷いだろ」  同じ課の人たちが由紀に大丈夫かと聞いてくれる。   「俺もどういうことなのか……」  困った顔の部長に解雇通知を見せられた由紀はどうしていいのかわからないほど手が震えた。   「そんなのお嬢様との結婚に小林が邪魔だから追い出され

          「捨てられた建築デザイナーは秘密を抱えた天才建築家に愛される」第4話

          「捨てられた建築デザイナーは秘密を抱えた天才建築家に愛される」第3話

           由紀は音を立てないように玄関へ。  スーツケースを再び持ち、マンションから出た。    こんなことあるはずがないと思っていた。  同棲していて、今朝だって普通で、今までだってそんな素振りは無くて。  泣きながら由紀は道を歩く。  行く場所なんてない。  ホテルに宿泊しようかと思ったが、一泊二万なんてもったいなくて入るのをやめた。  カラオケは23時までだった。  マンガ喫茶も深夜2時まで。  どこなら泊まれるのだろう?    雨が降りはじめ、歩きつかれた由紀はコンビニの隣

          「捨てられた建築デザイナーは秘密を抱えた天才建築家に愛される」第3話

          「捨てられた建築デザイナーは秘密を抱えた天才建築家に愛される」第2話

          「春馬、これって」 「あぁ、由紀の空間を広く見せる方法のおかげで高評価だったよ」  特に社長がすごく気に入ってくれてと嬉しそうに話す春馬に、由紀はデザイン画を返した。 『これ取り入れてもいい?』  確かに春馬にそう聞かれた気がするけれど、まさか完全にコピーされるだなんて。  あれは金沢出張へ行った時、駅前のねじられた門の柱を見て考え出した私のオリジナルだった。  いつか自分がコンペに参加できるようになったら使いたいと思っていた案だったのに。 「ホントに由紀のおかげだよ。あ

          「捨てられた建築デザイナーは秘密を抱えた天才建築家に愛される」第2話

          「捨てられた建築デザイナーは秘密を抱えた天才建築家に愛される」第1話

          <あらすじ> 由紀は同じ会社の春馬と同棲し、幸せな日々を送っていた。 由紀が考えたデザインを取り入れた案をコンペに応募した春馬は見事『銀賞』に。 一躍有名になった春馬の浮気相手は社長令嬢、そして由紀は不当解雇されてしまった。 住むところも仕事も失った由紀を助けてくれたのは……? <本文>  ドイツ郊外。  商業施設の内覧会に招待された建築家リッカは、建物の内部を満足そうに眺めた。   「計算通りだな」  持続可能を念頭に置き、気候や資源に配慮したハイブリッド・ティンバー・

          「捨てられた建築デザイナーは秘密を抱えた天才建築家に愛される」第1話

          ポートフォリオ 和泉(ラノベ作家)

          ご覧いただきありがとうございます。 執筆活動を行っております和泉(いずみ)と申します。 執筆者としての経歴・活動記録をまとめました。 参考にしていただけるとうれしいです。 プロフィール・経歴日々妄想中の兼業作家。 2022年10月より執筆活動を開始。 2024年 第1回ピッコマノベルズ大賞で年間奨励賞を受賞。 商業作品◇真面目な悪役令嬢は国外追放を希望します 第1回ピッコマノベルズ大賞で年間奨励賞を受賞 ピッコマオリジナルノベルとして小説の連載を開始(2023.8~連載

          ポートフォリオ 和泉(ラノベ作家)

          「おとり夫婦は離婚しません」第3話

          〇マンション駐車場(土曜日午前)  正臣、車の後部座席のドアを開ける。  心愛、座席に座りながら  心愛「わぁい! キリンさん見たいなぁ」  正臣、シートベルトを引っ張りながら、  正臣「ほら、シートベルトして」  と、心愛にシートベルトを付ける。  有希子、助手席の扉を開ける。  有希子、助手席のシートの上にあるピアスに気づく。  有希子、唇を噛む。  心愛「ママ?」  有希子、後の座席を覗き込みながら  有希子「心愛。ママ、具合が悪いから、動物園はパパと二人で行ってきてく

          「おとり夫婦は離婚しません」第3話

          「おとり夫婦は離婚しません」第2話

          〇喫茶店(朝)  個人経営の昔ながらの喫茶店。  少し薄暗い店内、客はいない。  BGMは無く、お湯が沸くコポコポという音がよく聞こえる。  観葉植物で少し区切られた席に座った裕介と有希子。  裕介「ごめんね、急に」  有希子「いえ……」  裕介、名刺をテーブルに出しながら、  裕介「はじめまして。須藤裕介です」  有希子「佐藤、有希子……です」  名刺には会社名、役職はCEO、裕介の名前などが書かれている。  有希子「……CEO?」  裕介、少し照れながら  裕介「あぁ、う

          「おとり夫婦は離婚しません」第2話

          「おとり夫婦は離婚しません」第1話

          <あらすじ> 引っ越してきたばかりの家族3人は、新しい環境で急に幸せが崩れてしまった。 夫の不倫疑惑をきっかけに、妻は不倫浮気相談所の役員と親密な関係に。 夫と離婚し大事な一人娘を里子に出して再婚しようと誘われた妻。だが、それは娘を人身売買しようと企んでいる不倫浮気相談所の罠だった。 しかし、罠を仕掛けられた家族は普通の家族ではなく……。 <登場人物> 人物①  佐藤正臣(32) 市役所職員・有希子の夫  本名:黒木正臣(32) おとり捜査官・有希子の夫 人物②  佐藤有希

          「おとり夫婦は離婚しません」第1話

          「世界の果てのセカイで転生令嬢は竜王と眠る」第3話

          「僕も一緒に住みたい!」 「お前はダメだ」  エドワードの訴えは父フォード侯爵に速攻で却下された。 「使用人が足りないならこちらで準備するよ? 必要なものがあれば何でもこちらで揃えよう」  有無を言わさぬ圧力を感じるのは気のせいだろうか。  リリアーナがじっと見ると、気づいたウィンチェスタ侯爵は緑の眼を細めて優しく微笑んだ。 「ノアールくんに子守をさせるのは申し訳なくて」  フォード侯爵はノアールが断ることを期待し、困った顔でノアールに視線を移した。   「私は構いません

          「世界の果てのセカイで転生令嬢は竜王と眠る」第3話

          「世界の果てのセカイで転生令嬢は竜王と眠る」第2話

          『魔術を使うときは身体中の血が沸き立つような感覚を手のひらに凝縮していき、詠唱をして発動する』  兄のお下がりだという魔術の本にイラスト入りで書かれていた魔術発動の基本。  さっぱり意味がわからないと思っていた。  ベッドの上で目を覚ましたリリアーナは、ぼんやりと天井を見つめた。    全身が筋肉痛のように重く、指を動かすのも面倒だ。  パタンと扉の音がするが、そちらを向くのも面倒。 「……お目覚めですか?」 「えっ?」  どうせ誰も自分に近づかないので関係ないだろうと油

          「世界の果てのセカイで転生令嬢は竜王と眠る」第2話