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国会議員なら〝誰もが目指す〟 総理大臣になる条件は・・・

安倍総理が健康問題を理由に辞意を表明、7年8か月という憲政史上最長の政権に幕が下りる。これまでに“ポスト安倍”として菅義偉官房長官、岸田文雄自民党政調会長、石破茂元幹事長の3氏が出馬を表明、14日の両院議員総会で自民党総裁を選出する。

〇菅氏のポスト安倍に向けた動きの速さ
菅官房長官は2006年の自民党総裁選で当時の安倍総理を担ぎ、その功もあって第一次安倍政権では当選4回にして総務大臣に就任した。第二次政権では内閣の“鉄壁の官房長官”としてこれまで総理を支えてきた。その菅氏は次期首相ポストについては直前まで「全く考えたことはない」と否定してきたが、今回は早々に出馬の意向を自民党の二階幹事長に伝えて動き出した。

〇福田康夫総理誕生と展開が似ている
菅氏の行動を見て福田康夫政権が誕生した時を思い出す。福田氏は森政権、小泉政権で官房長官を歴任した。(2000年10月~2004年5月)そして2007年9月に安倍総理(第一次政権)が突如、辞任を表明したあと、麻生太郎氏を抑えて自民党の大多数の派閥の支持を得て総裁に選出され、総理大臣に就任。初の親子二代の総理となった。この時の福田氏の行動、“気を見るに敏”とも言えるところが似ているように感じる。

〇出馬しないと総裁になる道は開けない
岸田氏は“禅譲”を狙い、前回の総裁選には出馬しなかった。しかし、今回は安倍総理から譲り受けるという形にはならなかった。これまでの自民党の総裁選を見ると、敗れたとしても総裁選に出ることの意味は大きい。小泉氏も麻生氏も何度か総裁選で手を挙げて破れはしたものの、最後には総理・総裁のポストを手にしている。総裁選に出馬することは自分を国民にアピールする絶好の機会にもなる。石破氏が世論で一定の評価を得ていることも過去に総裁選に出たことが大きな要因だろう。岸田氏が出馬を見送ったことは結果的にマイナスに働いたと言わざるを得ない。今後の選挙戦でどこまで自分らしい政策を訴えていけるかにかかっている。

〇政治家なら誰もが目指すポスト
毎日新聞特別顧問で政治記者だった岩見隆夫氏は「国会議員は誰もが大臣になりたいと思っている。そして誰もが総理大臣になりたいと思っている」と言っていたのを思い出す。菅氏も直前までポスト安倍を目指すことを否定していたが、そこはやはりたたき上げの国会議員。チャンス到来で国のトップである総理大臣に手を挙げたことは、当然のことだろう。

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